ロシア海軍太平洋艦隊の原子力戦略用途水中巡洋艦『聖大致命者凱旋者ゲオルギイ』は任務を終えて帰港した

16-0705a.jpg
『タス通信』より
2016年7月5日4時27分配信
【原子力潜水艦「スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツ」(聖大致命者凱旋者ゲオルギイ)の乗組員はヴィリュチンスクで子豚の丸焼きに出迎えられた】
ウラジオストク、7月5日/タス通信特派員ナターリヤ・ニクーリナ

原子力水中巡洋艦「スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツ」(聖大致命者凱旋者ゲオルギイ)は海洋での計画任務遂行後、太平洋艦隊潜水部隊の常時駐留所であるカムチャツカ閉鎖行政地域ヴィリュチンスクへ戻ってきた。
タス通信ウラジオストク東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス代表ローマン・マルトフより伝えられた。

「桟橋で潜水艦乗員は太平洋艦隊潜水部隊司令官、潜水艦連合部隊本部の士官、ヴィリュチンスク都市地区管理部、家族や親戚に出迎えられました」
マルトフ
は話した。

水中巡洋艦の艦長イーゴリ・ジューク1等海佐は太平洋艦隊潜水部隊司令官イーゴリ・ムハメツィン中将へ、乗組員は与えられた任務を遂行し、水中巡洋艦の構成材に異常は無く、乗員は健常であると報告した。

イーゴリ・ムハメツィン中将は、海洋での任務を成功裏に果たした乗組員を祝福し、艦長と乗組員へ伝統的な子豚の丸焼きを贈った。


プロジェクト667BDR(NATOコード名「デルタIII」)ロケット水中巡洋艦K-433は1979年8月24日にセヴェロドヴィンスクで起工され、1980年6月20日に進水、1980年12月15日に海軍へ引き渡されました。
1980年12月31日に赤旗北方艦隊・第3潜水艦小艦隊・第13潜水艦師団へ編入され、原潜基地オレニヤへ配備されました。
15-1229i.jpg
15-1229h.jpg

1981年から戦闘勤務(戦略パトロール任務)を開始しましたが、1983年11月3日、太平洋艦隊・第2潜水艦小艦隊・第25潜水艦師団へ転属し、北極海経由でカムチャツカ半島原潜基地ヴィリュチンスクへ回航されました。
15-1229j.jpg

ソ連邦解体後の1992年6月3日、「原子力戦略用途水中巡洋艦」に類別変更されました。

1993年2月から2003年7月まで沿海地方ボリショイ・カーメニ「ズヴェズダー」工場でオーバーホールが実施されました。
15-1229k.jpg
この間、1998年9月15日に「スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツ」(聖大致命者凱旋者ゲオルギイ)と命名されました。
【光榮なる聖大致命者凱旋者ゲオルギイの祭日】

2003年6月から8月まで日本海で航行試験が行われ、8月29日に海軍へ引き渡されました。

2004年11月2日、オホーツク海から白海方面へ弾道ミサイルR-29Rを発射しました。

2005年9月30日にも弾道ミサイルを発射しました。

2006年9月10日にも弾道ミサイルを発射しました。
[太平洋艦隊の戦略原潜、クリル諸島でミサイル発射]

2008年9月25日にはロシア連邦大統領ドミトリー・メドベージェフの視察を受けました。
[ロシア大統領、カムチャツカ原潜基地視察]

2009年10月6日にも弾道ミサイル発射を実施しました。
[太平洋艦隊のデルタIII型戦略原潜、弾道ミサイル発射]

2010年10月28日にも弾道ミサイル発射を実施しました。

2011年9月21日には漁船「ドネツ」と衝突事故を起こしました。

2012年10月19日に弾道ミサイルを発射しました。
[ロシア太平洋艦隊の戦略原潜はオホーツク海から弾道ミサイルを発射した]

2013年10月30日には「抜き打ち」弾道ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍の戦略原潜は「抜き打ち」で弾道ミサイルを発射した]

2014年9月に実施された戦略演習「ヴォストーク-2014」へ参加しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2014年9月23日01時00分配信
【太平洋艦隊潜水艦部隊は演習「ヴォストーク-2104」の枠組において戦闘訓練任務を遂行する為に海へ出た】

2014年12月末、「戦闘訓練任務」を遂行した後、カムチャツカ原潜基地ヴィリュチンスクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略原潜スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツは任務遂行後に基地へ戻った]

2015年の動向は全く明らかにされませんでしたが、12月29日、「戦闘任務」を遂行した後、原潜基地ヴィリュチンスクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力戦略用途水中巡洋艦スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツ(聖大致命者凱旋者ゲオルギイ)は任務完了後に基地へ戻った]

そして2016年7月5日、海上での任務を遂行した後にヴィリュチンスクへ帰港しました。
おそらくは、オホーツク海での戦略パトロール任務を終えて。
16-0705b.jpg


現在、ロシア太平洋艦隊には4隻の戦略原潜(プロジェクト955「アレクサンドル・ネフスキー」、プロジェクト667BDR「聖大致命者凱旋者ゲオルギイ」、「リャザン」、「ポドリスク」)が配備されており、うち1隻(「リャザン」)は沿海地方でオーバーホール中です。

従いまして、現時点で稼働状態に在る戦略原潜3隻(「アレクサンドル・ネフスキー」、「聖大致命者凱旋者ゲオルギイ」、「ポドリスク」)でローテーションを組んで1隻ずつオホーツク海での戦略核パトロール任務へ出しているという事になります。


現在のロシア連邦海軍における原子力潜水艦の分類は以下の通りです。

重原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト941「アクラ」(タイフーン)
原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト667BDRM「デリフィン」(デルタIV)、プロジェクト667BDR「カリマール」(デルタIII)、プロジェクト955「ボレイ」
原子力水中巡洋艦:プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)、プロジェクト885「ヤーセン」
原子力巡洋潜水艦:プロジェクト971「シチューカ-B」(アクラ)
原子力大型潜水艦:プロジェクト945「バラクーダ」(シエラI)、プロジェクト945A「コンドル」(シエラII)、プロジェクト671RTMK「シチューカ」(ヴィクターIII)


弾道ミサイル或いは有翼ミサイルの専用垂直発射機を装備する原潜西側で言う所のSSBNSSGNに該当する艦は「水中巡洋艦」に分類されています。
つまり、「水中のロケット巡洋艦」という事です。
一方、いわゆる「魚雷攻撃型原潜」は、「原子力大型潜水艦」に分類されています。

ただ、プロジェクト971のみは「原子力巡洋潜水艦」と、「原子力水中巡洋艦」「原子力大型潜水艦」の中間的な分類となっております。
上記の分類はソ連邦解体後の1992年に定められたものですが、この当時、971魚雷発射管から発射できる長射程有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)を搭載し、原子力戦略用途水中巡洋艦を補完する戦力と見なされていた為、他の魚雷攻撃型原潜と区別して「巡洋潜水艦」となりました。
スポンサーサイト