ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は2016年10月よりも早くはならない

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年7月11日12時14分配信
【情報筋は航空母艦の早期の地中海への派遣を否定した】
セヴェロモルスク、7月11日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシアの航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海への航海は戦闘訓練計画に沿って実施されるが、今年10月よりも前にはならない。
ロシア通信社ノーボスチは月曜日に北方艦隊司令部の高位の情報提供者より伝えられた。
以前、『コメルサント』紙が独自の情報源を引用して報じた所によれば、パルミラ近郊でロシアのヘリコプター乗員が死亡した事に関連して計画された「報復」作戦の枠組みにおいて、(ロシア)軍は、巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を艦上航空隊~およそ15機の戦闘機Su-33とMiG-29K/KUB、更には10機のヘリコプターKa-52K、Ka-27、Ka-31~と共に関与させる事も有り得る。
「戦闘訓練計画によりますと、アドミラル・クズネツォフは今年秋に遠距離航海へ行きますが、10月よりも早くはなりません。
現在、乗組員は海上での錬成任務の途上に在ります」
対談者は話した。
彼によると、クリミア(シミュレーター「ニートカ」)から戻ってきた艦上飛行士は、艦の甲板上での発着艦を行なう為の訓練を開始した。
「同艦には護衛艦が随伴する事になり、現在、地中海への航海を準備しています」
情報提供者はこう話したが、シリア沖へ行く航空母艦には、如何なる艦が随伴するのかを明らかにしなかった。
重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年6月下旬からバレンツ海で訓練を開始し、7月1日以降は艦載機の飛行訓練も行われています。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]
「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されており、現在、その為の準備が進められています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海遠征の準備を行なっている]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
地中海東部へ進出した「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加します。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月から2017年1月までISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加する]
さる7月8日にシリアのパルミラ近郊でロシアのヘリコプターが「イスラム国」により撃墜され、乗員2名が死亡しました。
これは、公式には、シリア軍のMi-25ヘリコプターが撃墜され、同乗していた「軍事顧問」のロシア軍人2名が死亡したと公表されていますが、『コメルサント』紙は、撃墜されたのはロシア航空宇宙軍のMi-35Mであると報じています。
『コメルサント』より
2016年7月11日配信
【ロシアは更に2名の飛行士を失った】
この記事の中で、確かに「アドミラル・クズネツォフ」の地中海派遣についても触れられています。
ロシア軍が「報復」の為に「アドミラル・クズネツォフ」と艦載機の参加も検討していると。
今回、ロシア通信社ノーボスチは、北方艦隊司令部の高級士官の談話を引用し、『コメルサント』紙の報道を「名指しで」否定しました。
これまでにロシア通信社ノーボスチが、ロシア国内の他のメディア~むろん『コメルサント』を含む~の報道を否定した事は数えきれない程有りますが、そういう時には「一部のメディアが報じた所によれば」とは書くものの、何処が報じたのかを具体的に書く事は有りませんでした。
しかし今回、ロシア国営メディアの代表格であるロシア通信社ノーボスチは、いわゆる非政府系メディアの大手である『コメルサント』紙の報道を「名指し」で否定しました。
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