ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはカムチャツカ半島の地上目標へ巡航ミサイルを発射した
- カテゴリ:ロシア太平洋艦隊(2016年)

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年7月16日3時16分配信
【カムチャツカで巡洋艦「ワリャーグ」は沿岸目標へのミサイル射撃を実行した】
モスクワ、7月16日-ロシア通信社ノーボスチ
太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、カムチャツカのクラ射爆場の地上目標へ主要複合体のミサイル射撃を実行した。
東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐は発表した。
「艦隊の戦闘訓練計画に沿って、親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ乗組員は、オホーツク海エリアからクラ射爆場(カムチャツカ半島)に位置する沿岸目標への有翼ミサイル射撃を実行しました」
マトヴェーエフは話した。
彼によると、出航中に巡洋艦「ワリャーグ」は、最大距離で主要打撃ミサイル複合体により地上目標を撃破する任務を遂行した。
巡洋艦からミサイルは成功裏に発射され、指定地上目標へ命中した。
射撃任務の遂行後、同艦の乗組員は、一連の艦上演習~電波電子戦闘、対空防衛、通信~を実施した。
2015年11月2日、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、ロシア-インド海軍合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加する為、3隻の艦船(駆逐艦「ブイストルイ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」、救助曳船「アラタウ」)を伴ってウラジオストクを抜錨し、インドへ向かいました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと駆逐艦ブイストルイはインドへ向かった]
太平洋艦隊艦船支隊は、2015年11月4日午前10時頃に対馬海峡を通過しました。
日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイトより
2015年11月5日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
この間(つまり11月3日頃)に日本海で一連の訓練が実施され、対馬海峡を通過する際に1905年5月のツシマ沖海戦の戦没者の追悼式典を開催しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は日本海で演習を行なった]
11月9日、「太平洋」上で一連の演習が実施されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は太平洋上で演習を実施した]
11月20日まで南西諸島周辺海域に滞在し、投錨して洋上補給、ヘリコプター発着訓練などを行なっていました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は2015年11月中旬に南西諸島周辺海域で行動していた]
その後、南下して南シナ海へ向かい、12月2日にはマラッカ海峡を通過してインド洋へ出ました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインド洋へ入った]
12月6日、インド東岸のヴィシャーカパトナム港へ到着しました。
[インド海軍との合同演習に参加するロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はインドのヴィシャーカパトナム港へ到着した]
合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』は12月7日から始まりました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』が始まった]
太平洋艦隊艦船支隊は、12月7日から9日までヴィシャーカパトナム港へ滞在し、両国海軍代表団による海上演習の打ち合わせ、インド海軍将兵の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」見学、両国海軍将兵のスポーツ大会、ロシア海軍将兵の地元観光などが行なわれました。
12月10日、ロシア海軍とインド海軍の演習参加艦船はヴィシャーカパトナム港を抜錨し、海上での実地演習(アクティブ・フェーズ)を開始しました。
[合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』へ参加するロシア海軍とインド海軍の艦船はヴィシャーカパトナムを抜錨した]
[ロシア海軍とインド海軍はベンガル湾で合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』を行なっている]
海上での実地演習は12月11日も引き続き行なわれました。
[インド-ロシア海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』海上段階2日目(2015年12月11日)]
演習は12月12日に完了し、インド海軍のフリゲート「サヒャディ」で最後の会合が行なわれ、送別式典が開催されました。
[インド-ロシア海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』は終了した]
合同演習が終わった後、太平洋艦隊艦船支隊は東西に分かれ、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は単独で西へ、その他の3隻(駆逐艦「ブイストルイ」、大型海洋給油船「ボリス・ブートマ」、救助曳船「アラタウ」)は東へ向かいました。
単艦行動になった親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、12月24日から26日までオマーンのサラーラ港へ寄港した後、アデン湾付近で新年を迎えました。
[インド海軍との合同演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は洋上で2016年の元旦を迎える]
2016年1月3日、スエズ運河を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはスエズ運河を通過して地中海へ入った]
その後、ロシア海軍地中海作戦連合部隊の旗艦任務に就き、シリア沖で行動していました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]
[ロシア海軍の12隻の艦船が地中海東部に滞在している]
その後の「ワリャーグ」の動向は公表される事は有りませんでしたが、6月3日から5日までシンガポールを訪れました。
(つまり5月半ば頃には地中海を出てインド洋方面へ向かっていた)
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシンガポールを訪れた]
「ワリャーグ」はシンガポールを出航後、東シナ海を北上し、6月12日に対馬海峡を通過して日本海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは対馬海峡を通過した]

しかし、「ワリャーグ」はウラジオストクへ戻る事は無く、沿海地方を素通りして日本海を北上し、6月15日に宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは宗谷海峡を通過してオホーツク海へ入った]
オホーツク海へ入った後の「ワリャーグ」の動向は一切公表されませんでしたが、カムチャツカ方面(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)に滞在していたようです。
そして7月16日、「ワリャーグ」はオホーツク海からカムチャツカ半島のクラ射爆場の地上目標へ有翼ミサイル「ヴルカーン」を発射しました。

「ヴルカーン」(SS-N-12 mod.2)は基本的には対艦ミサイルですが、地上攻撃も可能であり、今回、それは実証されました。
[長距離打撃ミサイル複合体バザーリト/ヴルカーン]
「ワリャーグ」は2014年9月下旬にもオホーツク海で「ヴルカーン」を発射していますが、この時は海上目標へ発射されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦略演習ヴォストーク-2014で有翼ミサイルを発射した]
今回は「最大距離」で「ヴルカーン」を発射したとの事ですから、クラ射爆場から約700km離れたオホーツク海の何れかの海域(おそらくはカムチャツカ半島の西岸海域)から発射されたようです。

クラ射爆場
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