ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シクヴァルは起工された


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年7月29日14時34分配信
【レニングラード州で(ロシア)海軍の為の小型ロケット艦「シクヴァル」が起工された】
サンクトペテルブルク、7月29日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア連邦海軍の為の新世代小型ロケット艦「シクヴァル」はレニングラード州の造船工場『ペラ』で起工された。
「これは純粋に我々ロシアの発明です。
このような排水量の艦で、このような兵装を有するのは、実質的に世界の何処にも有りません。
これは、貴方達が御存じのよう、にシリアでの作戦で、その素晴らしさを実証したミサイル複合体カリブルを8基有しております。
間もなく、これは新たな高射ミサイル複合体を軍備として採用し、我々はパーンツィリを適応させます」
ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフは起工式典において話した。
彼によると「このような兵装は、非常に脅威的な武器であり、単一の敵を長距離から接近させません」
2015年12月、『ペラ』社において、2隻の新世代小型ロケット艦プロジェクト22800「タイフーン」と「ウラガーン」が起工された。
これらは、建造及び試験を完了後、2018年までに海軍へ加入する。
海洋計画設計局『アルマーズ』が設計したプロジェクト22800小型ロケット艦の排水量は約800トン、速力は30ノット以上である。
小型ロケット艦は高精度ミサイル兵器及び現代の砲複合体を装備する。
これらの艦の利点の中には、高機動性、高い耐航性、更には、反射低減技術を用いた上部構造物及び船体の方式がある。
艦は、基地から約3000海里離れた海上ゾーンで任務を遂行できる。
プロジェクト22800「カラクルト」は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の代替となる新世代の小型ロケット艦です。
プロジェクト12341小型ロケット艦(「ミラーシュ」)

プロジェクト12411ロケット艇(R-239)

「カラクルト」の最初の2隻:「タイフーン」と「ウラガーン」は、2015年12月24日にサンクトペテルブルクの「ペラ」造船所で起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦ウラガーンとタイフーンはサンクトペテルブルクで起工された]
「カラクルト」級は「ペラ」造船所では7隻建造される予定ですが、他の造船所でも11隻が建造されます(つまり総計18隻)。
2016年5月10日には、クリミア半島のフェオドシヤ造船工場で「シトルム」が起工されました。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22800小型ロケット艦シトルムはクリミアで起工された]
そして2016年7月29日、「ペラ」造船所で「シクヴァル」が起工されました。
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦の主兵装は汎用有翼ミサイル「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
この他、76mm単装砲1基、AK-630M 30mm機関砲2基を装備します。
この他、高射ミサイル機関砲複合体「パーンツィリ-M」の装備も可能です。
[ロシア海軍の為に3基の新型高射複合体パーンツィリ-Mが発注される]
「カラクルト」は、先に建造されたプロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦(満載排水量949トン)よりも、やや小さく(満載排水量約800トン)、汎用有翼ミサイル「カリブル」垂直発射機(8セル)を装備している点は同じですが、それ以外は比較的軽兵装です。
プロジェクト21631小型ロケット艦(「ゼリョヌイ・ドル」)

[新世代小型ロケット艦「ブヤン-M」]
「ブヤン-M」の建造は9隻で終了し、以後は「カラクルト」が建造されます。
[ロシア海軍は2019年までに巡航ミサイル"カリブル"を装備する9隻の小型ロケット艦ブヤン-Mを受領する]
元々は「オヴォード」や「モルニヤ」の後継としてプロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(満載排水量465トン)が建造される筈だったのですが、2001年6月5日に起工された1番艇は工事中止となりました。
[ロシア新型ミサイル艇プロジェクト12300「スコルピオン」]
その後、「アルマーズ」設計局は「スコルピオン」の拡大発展型(満載排水量800トン)を設計し、それに小改正を加えたのがプロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦として建造される事になりました。
プロジェクト12300「スコルピオン」ロケット艇(拡大発展型)


プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦

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