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ロシア海軍の将来艦の建造計画が中止される事は無い

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『イズベスチヤ』より
2016年8月1日0時1分配信
【駆逐艦「リデル」はレーザー兵器及び電磁兵器を受け取るかもしれない】

海軍は将来艦の概要を形成する。

経済的困難にもかかわらず、海軍は戦闘艦の建造プログラムの削減を計画していない。
2050年までの期間が考慮されている次のプログラムは、リスト及び量は、同じ量のまま残され、最終決定は未だ下されていない。
『イズベスチヤ』は、海軍の日の前日にサンクトペテルブルク『クルイロフ国立科学センター』を訪れた海軍副総司令官(軍備担当)ヴィクトール・ブルスク中将より伝えられた。

「長期的プログラムを具現化する為の選択肢は幾つか存在しますが、海軍の建設に関する新たなプログラムについては、最高司令官の最終決定は未だ下されておりません」
ブルスク
は説明した。

同時に、の根本的利益は、多かれ少なかれ明確である:それは、将来原子力駆逐艦「リデル」航空母艦「シトルム」「ラヴィーナ」型大型揚陸ヘリコプター母艦の建造である。
新たな技術の導入:通常動力潜水艦の為の非大気依存発電装置、変換器及び電力蓄積、更には電気駆動への移行。

「これは、単なる模型や予備設計ではありません」
連邦単一企業『クルイロフ科学センター』
執行取締役ミハイル・ザゴロドニコフは状況について『イズベスチヤ』へコメントした。
「これは本格的な開発作業です。
これら各々の為に、私共は、そのシステム、機器、兵装が如何なるものになるのか、正確に御話する事が出来ます。
例えば、揚陸ヘリコプター母艦の人員及び車輌を上陸させる為の装置などについて、どれだけの時間が掛かるのか。
これらの複雑な問題全てに関しては、発注者との詳細な検討及び協議を必要とします」


『クルイロフセンター』が指摘したように、将来の艦隊は、今日に形成される。
最も重要なベクトルの1つは、非大気依存発電装置及び電気駆動への移行である。
最初の大気から「独立した」発電装置は、2~3年間での作成が計画されている。
その出現により、潜水艦は、ディーゼルエンジンを使用して移動する際、水上へ浮上する事は無い。
この事は、海中でのディーゼルエレクトリック潜水艦の隠密性及自立性の増大を可能にする。
最初のこのようなシステムは、今日において艦隊へ配備されているプロジェクト636.3「ワルシャワンカ」型潜水艦を代替する新たなプロジェクト677「ラーダ」潜水艦が受け取る事になる。

電気駆動は、新たな戦闘能力を有する艦を作成する事になる。
例えば、今日において、このような設備は全ての砕氷船に存在する。
『中央設計局アイスベルク』(連邦単一企業『クリロフ研究センター』へ含まれる)総取締役・設計主任アレクサンドル・ルイシコフ『イズベスチヤ』へ説明したように、この事は、「動力ライン」~主動力装置及び推進軸を接続する総合システム~無しでの艦の建造を可能にする。
これは電力節約のみならず、氷上で作業する際に、砕いた氷の破片に関連してスクリュー群とシステムを過負荷から保護する。

この技術の軍事的展望は、完全な電化低騒音潜水艦の作成である。
この技術の要素は、既にプロジェクト885「ヤーセン」型多目的原子力潜水艦の建造で具現化した。
同プロジェクト潜水艦のトップ「セヴェロドヴィンスク」は、低速で事実上深海から消え去る事を可能にする補助電気推進装置を受け取った。
シリーズの6番艦「ペルミ」は、金曜日にセヴェロドヴィンスクで起工された。

水上造船分野において、このようなプロジェクトは新たな原子力駆逐艦プロジェクト23560「リデル」になる。
艦は「ステルス」概念の枠組みにおいて作られる:刻まれた船体ライン、上部構造物、全ての兵装は内部へ収納される。
国防次官ユーリー・ボリソフによると、原子力推進装置のお蔭で、艦は世界の大洋におけるロシア海軍の常時の存在を確保できるようになる。
今日において、このような艦は海軍に1隻のみである~重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」
「リデル」型系列の駆逐艦の自立行動期間は、乗組員の物理的な能力によってのみ制限される。

専門家が指摘するように、「リデル」の原子力推進装置の出力は、最新鋭のアメリカ駆逐艦ズムワルトに匹敵する。
原子炉の大電力は、アメリカの場合のように、新たな物理的原理で動作する将来艦載兵器の設置を可能にする。
例えば、レーザー或いは電磁砲(レールガン)

ヴィクトール・ブルスク中将によると、来年には新たな大型揚陸ヘリコプター母艦の設計が開始される。
この「ラヴィーナ」は、フランスの「ミストラル」のロシア版であり、艦は10数機の攻撃ヘリコプターKa-52K、60両の軽装甲車両及び少なくとも20~30両の主力戦車或いは他のプロジェクトを積載できる。
ブルスクは詳細は明らかにしなかった。
新たな航空母艦についての話でも同様である。

「プロジェクト"シトルム"の準備は出来ております」
同プロジェクトの主要開発者ワレンチン・ベロネンコ『イズベスチヤ』へ話した。
「しかしながら、建造期間が長期に渡るが故に、将来に海軍が直面する事になる技術的課題を考慮した作業が必要になります。
私共は、敵艦にとって『安全』なものを建造すべきではありませんので」



【『クルイロフ国立科学センター』公式サイト】

記事のタイトルは原子力駆逐艦「リデル」級となっていますが、記事本文は、今後に建造されるロシア海軍の新世代艦についての概要です。


現在、ロシア海軍の為の第5世代通常撃動力潜水艦「カリーナ」の開発が進められています。
「カリーナ」級は、新開発の非大気依存発電装置(AIP):改質型燃料電池を標準装備します。
[ロシア海軍第5世代通常動力潜水艦カリーナ級の1番艦は2018年に起工される]
[ロシア海軍第5世代通常動力潜水艦カリーナ級の為の非大気依存発電装置(AIP)の開発は完了した]


記事中では電気推進についても触れられていますが、例えば、2016年6月10日に進水したロシア海軍の為の新型砕氷船「イリヤー・ムーロメツ」は電気推進を採用しています。
[ロシア海軍の新型砕氷船イリヤー・ムーロメツは進水した]

今後建造される砕氷哨戒艦プロジェクト23550も電気推進になります。
[新型砕氷哨戒艦プロジェクト23550の1番艦は2018年にロシア海軍へ引き渡される]

ロシア海軍最新鋭多用途原潜「セヴェロドヴィンスク」にも補助電気推進装置が装備されています。


ロシア海軍の為の新世代原子力駆逐艦「リデル」の1番艦は2019年に起工されます。
[ロシア海軍の新世代原子力駆逐艦リデル級の1番艦は2019年に起工される]

現在の所、「リデル」級へのレーザー兵器或いは電磁砲(レールガン)の搭載は計画されていませんが、原子力推進の「リデル」級ならば、大量の電力を必要とするこれらの兵器の搭載は充分に可能でしょう。


ロシア海軍は、フランスから導入する予定だった「ミストラル」級に代わる国産の汎用ヘリコプター揚陸艦の建造を計画しています。
[ロシア海軍の為の新たな汎用大型揚陸艦は『2018-2025年の国家軍備プログラム』において建造される]

記事中に出てくる「ラヴィーナ」は、汎用揚陸ヘリコプター搭載艦の概念設計案ですが、これをベースにして実際に建造される艦の本格的な設計作業は来年(2017年)から始まります。
[ロシア海軍将来汎用揚陸ヘリコプター搭載艦プロジェクト「ラヴィーナ」]


ロシア海軍将来原子力空母は2020年代の建造が計画されています。
[ロシア海軍将来原子力空母の最終設計案は2020年以降に作成される]


現在の所、これらの新型艦の建造計画の中止は全く考えられていません。

特に、「ミストラル」に代わる「ラヴィーナ」は、就役後は太平洋艦隊へ配備される事になるでしょう。
[ウラジオストクのウリス湾ではロシア海軍の大型水上艦(ヘリコプター空母)の為の埠頭の建設が続けられる]
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