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ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月20日よりも前に地中海へ向かうかもしれない

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『インタファクス』より
2016年8月16日9時41分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」は10月20日よりも前に遠距離航海へ出発するかもしれない】
モスクワ、8月16日、インタファクス・ロシア

北方艦隊の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、以前に予定されていた時期-10月20日よりも前に遠距離航海へ向かうかもしれない。
『インタファクス』は火曜日に消息筋より伝えられた。

「8月12日、航空母艦はメンテナンス及び技術的準備状態の回復の第2段階を続行する為、第35艦船修理工場へ到着しました。
以前、この操作は8月15日以降に計画されていました。
同艦が第35艦船修理工場を去るのは10月1日ではなく、少なくとも1週間程度は早くなるでしょう。
従いまして、遠距離航海への航空母艦の出発も、以前に計画されていた10月20日以降よりも前になるでしょう」

対談者は話した。

航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」率いる北方艦隊艦船グループの遠距離航海の航路については、未だ伝えられていない。
以前、航空母艦は数度に渡り地中海東部で任務を遂行した。

伝えられるところによれば、4~5ヶ月間に渡って続く航海で、航空母艦は、大型対潜艦「セヴェロモルスク」、大型海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」、救助曳船を伴う。

最近まで第35艦船修理工場(『統合造船業営団』の構成に含まれている艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の支所)でメンテナンス及び技術的準備状態の回復の第1段階が実施されていた航空母艦は、その後、北方艦隊海軍航空隊第279独立艦上戦闘機航空連隊及び最近に編成された第100独立艦上戦闘機航空連隊の艦上飛行士の訓練を支援した。

第279独立艦上戦闘機航空連隊の航空機は、サキ航空隊地上試験訓練複合体「ニートカ」での訓練を実施した後、7月初頭に航空母艦へ到着した。

現在、第100独立艦上戦闘機航空連隊の航空機は、同連隊の航空機の大部分がエイスク(クラスノダール地方)に建設されている新たな複合体ニートカに滞在している為、航空母艦の遠距離航海への参加及び飛行士の航空母艦での飛行訓練の完全なサイクルに関しては完全に明瞭では無い。

公式データによると、この複合体は今年末までに飛行訓練の為の技術的準備が整う。
一方、クリミア複合体ニートカは再び休止する。

公式データによると、サキ複合体ニートカでは、民間の試験飛行士、更には第100独立艦上戦闘機航空連隊の飛行士を含む計7名のMiG-29KR飛行士が飛行訓練を行なっていた。

第100独立艦上戦闘機航空連隊の軍備は、生産組合『ミグ』により開発された新たな戦闘機MiG-29KRとMiG-29KUBRであり、第279独立艦上戦闘機航空連隊の軍備は航空機Su-33Su-25UTGである。

専門家は、「アドミラル・クズネツォフ」艦上の戦闘機MiG-29KRの存在は、この航空機が水上及び地上目標へ打撃を与える事が可能であるが故に、大いなる打撃力を得る事になると考える。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2016年前半はムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホール(技術的準備状態の回復)が行なわれ、6月下旬からバレンツ海で訓練を開始し、7月1日以降は艦載機の飛行訓練も行われています。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]

7月31日の「ロシア海軍の日」には、セヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。
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「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されており、現在、その為の準備が進められています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海遠征の準備を行なっている]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は2016年10月よりも早くはならない]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は約4ヶ月間に渡る]

地中海東部へ進出した「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加します。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月から2017年1月までISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加する]


「アドミラル・クズネツォフ」の為の新たな艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBR(註:インド海軍向けのMiG-29K/MiG-29KUBと区別する為、ロシア海軍向けの機体に対して非公式に用いられている呼称。R「ロシア」の頭文字)は2015年末までに契約分全機(24機)が納入されています。
(2013年末に4機、2014年末に10機、2015年末に10機納入)
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]

2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

第100独立艦上戦闘機航空連隊は、2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
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「アドミラル・クズネツォフ」には、艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されます。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]

2016年8月8日、第100独立艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29KRが初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]
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「アドミラル・クズネツォフ」は8月12日にムルマンスク第35艦船修理工場へ戻り、オーバーホール(技術的準備状態の回復)作業の第2段階を実施します。
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以前の計画では、8月15日以降に第35艦船修理工場へ戻り、オーバーホール作業は10月1日までに終了し、その後、10月20日以降に地中海への遠距離航海へ出発する事になっていました。
しかし、予定よりも早く第35艦船修理工場へ戻った為、オーバーホールの完了も予定より早くなるかもしれず、これに伴い、遠距離航海へ出発する時期も早まるかもしれません。
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