ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはベトナムを去った

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年8月23日13時4分配信
【「イーゴリ・ベロウソフ」はベトナムを出航してウラジオストクへの針路を取った】
モスクワ、8月23日-ロシア通信社ノーボスチ
太平洋艦隊の最新大洋救助船「イーゴリ・ベロウソフ」は、カムラン海軍基地(ベトナム)への業務寄港を終え、ウラジオストクへ針路を取った。
火曜日、東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐は報道機関へ伝えた。
同船は6月1日にバルト艦隊主要基地バルチースク市から太平洋艦隊の常時駐屯所へと出航した。
移動中に太平洋艦隊将兵は、リスボン港、オラン港、リマソール港、サラーラ港、コロンボ港、ヴィシャーカパトナム港、チャンギ港への業務寄港を行なった。
「救助船イーゴリ・ベロウソフはカムラン海軍基地への業務寄港を行ない、バルチースクからウラジオストクへの艦隊間移動を続けます。
外国港への停泊中に燃料、真水、食料を補充し、地元の観光名所を見学する為の小旅行が乗組員の為に用意されました」
マトヴェーエフは話した。
同船は9月初頭にウラジオストクへ到着し、艦隊の捜索救助業務サービスの一員として加わる。
「イーゴリ・ベロウソフ」は、サンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』でロシア海軍の為に建造された救助船である。
それは、海底に横渡った、或いは浮上中の遭難した潜水艦乗組員の救助の為に意図されており、潜水艦や水上艦へ空気、電力、救助手段を提供する。
加えて、船は遭難した物体の探知と調査を行なうことが出来る。
船の排水量は5000トン、全長は100メートル以上である。
プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)「イーゴリ・ベロウソフ」は、2005年10月24日にサンクトペテルブルク市の「アドミラルティ造船所」で起工され、2012年10月30日に進水しました。
[新型潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフ進水]
2014年12月25日から最初の洋上試験を開始し、2015年1月7日に終了しました。
[ロシア海軍最新鋭救助船イーゴリ・ベロウソフは最初の洋上試験を終えた]
その後、3月28日には次の洋上試験の為に出航しました。
8月10日、大西洋上で試験を行なう為、サンクトペテルブルクを抜錨しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救難艦イーゴリ・ベロウソフは深海試験の為に大西洋へ向かった]
「イーゴリ・ベロウソフ」は大西洋上で深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40、深海潜水複合体GVK-450、遠隔操作水中捜索救助装置「パンテラ-プリュス」の深海試験などを実施しました。
深海潜水複合体GVK-450
深海潜水艇プロジェクト18271「ベステル-1」AS-40

遠隔操作水中捜索救助装置「パンテラ-プリュス」

大西洋及びバルト海での各種試験を終えた「イーゴリ・ベロウソフ」は2015年10月末にサンクトペテルブルクへ戻ってきました。
[ロシア海軍最新救助船(潜水艦救難艦)イーゴリ・ベロウソフは工場航行試験を完了した]
その後、「イーゴリ・ベロウソフ」はバルト海で国家受領試験を行ない、2015年12月下旬に完了しました。
2015年12月25日、海軍旗(聖アンドレイ旗)初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。
[最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはロシア海軍へ就役した]
「イーゴリ・ベロウソフ」の搭載艇AS-40は先にウラジオストクへ移送されました。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊の救助船アラゲズへ受け入れられた]
「イーゴリ・ベロウソフ」は、就役後もバルチースクに留まり、錬成訓練を行なっていましたが、2016年6月1日、ウラジオストクへ向け出港しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはウラジオストクへ向かった]
6月10日から13日までポルトガルのリスボンへ寄港しました。

6月16日にジブラルタル海峡を通過し、地中海へ入りました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフは地中海へ入った]
地中海ではアルジェリアとキプロスを訪問し、7月13日にはスエズ運河を通過して紅海へ入りました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはスエズ運河を通過して紅海へ入った]
7月18日にオマーンのサラーラ港を訪れて燃料、水、食料を補給し、7月21日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはオマーンのサラーラ港を去り、極東へ向かった]
7月末にスリランカのコロンボ港を訪れ、8月1日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはスリランカを去った]
8月3日にはインドのヴィシャーカパトナム港を訪れました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはインドを訪れた]
その後、シンガポールのチャンギ港を訪れ、8月17日に出航しました。
[ロシア海軍最新鋭潜水艦救助船イーゴリ・ベロウソフはシンガポールを去った]
そしてベトナムのカムラン港へ寄港し、8月23日に出航しました。

「イーゴリ・ベロウソフ」のウラジオストク到着は2016年9月初頭の予定です。
プロジェクト21300S救助船(潜水艦救難艦)は、計5隻の建造が計画されており、2番船は2017年末に起工される予定です。
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