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フィンランド湾で洋上試験中のロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは暴風海域で民間艇を保護した

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア軍西方管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2016年8月29日22時29分配信
【フィンランド湾で試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」は暴風ゾーンから民間艇を脱出させた】

フィンランド湾で試験を実施している大型揚陸艦「イワン・グレン」は、それを保護しながら民間艇と乗員を脱出させ、ゼレノゴルスクまで同伴した。

15時~16時、フィンランド湾で試験中の大型揚陸艦「イワン・グレン」へ小型艇が接近し、それを艦上へ揚げる為の許可を求めた。
気象条件が急激に悪化している事に関連し(風浪階級3-4の嵐、最大毎秒12メートルの暴風)、強大な波浪の際に難破するという重大な脅威がある為、艇を大型揚陸艦の艦上へ揚げる事が求められた。

複雑な状況を考慮し、艦長は、波浪から保護する為、艇を艦尾へ付けるという唯一正しい決断を下した。
その後、常に(艇の)乗組員を通信で励まし、安全な海域であるゼレノゴルスク水域まで艇に付き添った。

海岸から2カイリで大型揚陸艦の乗組員は、非常事態省の部隊へ艇を引き渡した。
20時00分、艇はゼレノゴルスク沿岸へ係留された。


[新型揚陸艦イワン・グレン]

プロジェクト11771大型揚陸艦の1番艦「イワン・グレン」は、カリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で2004年12月24日に起工され、それから約8年後の2012年5月18日に進水しました。
[新型揚陸艦イワン・グレンは進水する]


進水から3年以上経った2015年10月9日、ようやく係留試験が始まりました。
[ロシア海軍の新型揚陸艦イワン・グレンは係留試験を開始した]

ロシア海軍への引き渡しは2015年末に予定されていたのですが、2016年に延期されました。
[大型揚陸艦イワン・グレンは2016年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の新世代水上艦の就役は2016年に延期された]

「イワン・グレン」は、2016年1月下旬から航行試験開始前の消磁作業を行ないました。
[ロシア海軍の最新鋭大型揚陸艦イワン・グレン近影(2016年1月下旬-2月中旬)]

「イワン・グレン」の航行試験(工場航行試験)開始時期は何度も延期されており、最近では5月末開始予定だったのですが、これも延期されました。
[ロシア海軍最新大型揚陸艦イワン・グレンは2016年5月末に航海試験を開始する]

6月17日、「イワン・グレン」は、ようやくカリーニングラード『ヤンターリ』造船所から「試験実施基地」即ちバルチースクへ移動しました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンはカリーニングラード造船所からバルチースク基地へ移動した]

6月21日、航行試験の為の本格的な出航準備が始まりました。
[ロシア海軍最新鋭大型揚陸艦イワン・グレンの航行試験が始まる]

6月25日、「イワン・グレン」は、初めての航行試験へ出発しました。
[ロシア海軍の最新鋭揚陸艦イワン・グレンは航海試験の為に出航した]

8月15日にはクロンシュタットへ入港し、8月23日~24日には輸送戦闘ヘリコプターKa-29の発着試験が行なわれました。
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その後もフィンランド湾で試験を行なっていた「イワン・グレン」は、8月末に暴風海域で民間の小型ボートを保護しました。
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「イワン・グレン」は2016年末までにロシア海軍へ引き渡されます。

「イワン・グレン」の乗組員は北方艦隊将兵で構成されている事から、就役後は北方艦隊へ配備されます。



2015年6月に起工されたプロジェクト11711大型揚陸艦2番艦「ピョートル・モルグノフ」の建造工事も進められていますが、同型の建造は2隻で終了します。
[ロシア海軍の為のイワン・グレン型揚陸艦2番艦ピョートル・モルグノフは起工された]
[ロシア海軍はプロジェクト11711大型揚陸艦(イワン・グレン型)の調達を2隻で打ち切る]

その後は、より大型の汎用揚陸艦の建造へ移行します。
[ロシア海軍の為の新たな汎用大型揚陸艦は『2018-2025年の国家軍備プログラム』において建造される]
[ロシア海軍将来汎用揚陸艦の為の新たな戦闘情報管理システムが開発される]
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