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ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦3隻(10-12番艦)の建造契約が締結された

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年9月7日13時53分配信
【コルベット「ブヤン-M」の建造契約の費用は270億ルーブ​​ルになる】
クビンカ(モスクワ州)、9月7日-ロシア通信社ノーボスチ

フォーラム『アルミヤ(軍)-2016』において(ロシア連邦)国防省『ゼレノドリスク造船工場』の間で署名された「ブヤン-M」クラス艦3隻の建造を規定する契約の費用は270億ルーブ​​ルになる。
ロシア通信社ノーボスチは、同工場の総取締役レナート・ミスタホフより伝えられた。

ゼレノドリスク工場は、既にこのタイプの艦5隻を建造し、ロシア連邦海軍へ引き渡している。
4隻の艦は、様々な建造段階に在る。

「本日に国防省と署名した契約においては、このタイプの艦を更に3隻建造する事が規定されています。
2019年には、1隻の艦が竣工し、2020年には2隻の艦が竣工します」
ミスタホフ
は、文書へ署名した後に、こう話した。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、既に9隻が起工され、この内の5隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場で建造されています。
[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチュグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月19日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備

建造番号636「ヴイシニー・ヴォロチョーク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2016年8月22日進水/2017年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2019年就役予定
黒海艦隊へ配備予定



プロジェクト21631の主要兵装は有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

これまで、このようなタイプの水上艦は、対艦攻撃のみに特化していましたが、「ブヤン-M」は対地攻撃用の有翼ミサイルを搭載する事により、地上への戦力投射にも使用できるようになりました。


2015年10月7日、カスピ小艦隊「ブヤン-M」3隻(「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」)は、カスピ海からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

カスピ小艦隊「ブヤン-M」3隻は、11月21日にも「カリブル」による攻撃を行なっています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2016年8月19日には、黒海艦隊「ブヤン-M」2隻が地中海東部(シリア沖)からシリア領内のテロ組織「アル=ヌスラ戦線」の施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]


プロジェクト21631は、当初は12隻の調達が予定されていましたが、最後の3隻(10~12番艦)の建造は「棚上げ」されていました。
[ロシア海軍は2019年までに巡航ミサイル"カリブル"を装備する約10隻の小型ロケット艦ブヤン-Mを受領する]

最後の3隻は北方艦隊向けとして建造され、北方海域での運用を考慮した改正が行なわれる事になっていました。
(「ブヤン-M」は基本的にはカスピ海と黒海での運用しか想定されていない)
[プロジェクト21631小型ロケット艦の最後の3隻はロシア海軍北方艦隊へ配備される]


このまま消え去るかに見えた「ブヤン-M」の10~12番艦でしたが、2016年9月7日、モスクワ郊外の『愛国者公園』で開催されている国際軍事技術展示会『アルミヤ(軍)-2016』(2016年9月6日~11日)の会場において、ロシア連邦国防省『ゼレノドリスク造船工場』は、3隻のプロジェクト21631小型ロケット艦の建造契約を締結しました。


10番艦は2019年、11番艦と12番艦は2020年にロシア海軍へ引き渡される予定です。
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