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ロシア海軍の為のプロジェクト22350フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2017年夏-秋頃に進水する

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『タス通信』より
2016年9月3日10時41分配信
【第3の「アドミラル・ゴルシコフ」型フリゲートは2017年に進水する】
モスクワ、9月3日/タス通信

第3のプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」の進水は、更に1年延期されて2017年になる。
タス通信は、国際軍事技術フォーラム『アルミヤ(軍)-2016』を前に、同艦を建造している『北方造船所』広報サービスより伝えられた。

「フリゲートシリーズの3隻目-アドミラル・ゴロフコは、2017年第3クオーター(7-9月)の進水が計画されています」
同社の代理人は話した。

以前、当時のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、フリゲートが2016年に進水すると報道陣へ語った。

「アドミラル・カサトノフ」と命名された第2のフリゲートの艤装作業及び係留試験の進行について『北方造船所』へ話を聞いた。
「作業は、受注品納入の総合スケジュールに沿って進められています。
2016年末までに乗組員の艦内への定住が計画されています。
メインエンジンの重心合わせが実施されており、電気機器及び特殊機器の積載が行なわれています。
受注品は標準電源へ接続され、船室の壁貼り及び塗装への移行の為の準備が進められています」

工場は説明した。

プロジェクト22350フリゲートのトップ「アドミラル・ゴルシコフ」は2006年に起工された。
2014年以来、同艦は試験中であり、未だ就役していない。
予定されているように、同艦は(今年)11月に海軍へ引き渡されるだろう。

プロジェクト22350フリゲートは4500トンの排水量を有する。
それは「オーニクス」或いは「カリブル」を搭載し、高射ミサイル複合体「ポリメント・リドゥート」や他の兵装を装備する。
ロシア海軍は、このタイプのフリゲート6隻の受領を意図している。


[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

プロジェクト22350フリゲートの3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は2012年2月1日に起工されました。
[サンクトペテルブルクでフリゲート「アドミラル・ゴロフコ」及びコルベット「グレミャーシチー」が起工された]
[フリゲート「アドミラル・ゴロフコ」の船体ブロック製造作業は続けられる]

以前には「アドミラル・ゴロフコ」の進水は2016年に予定されていましたのですが、今回の記事の通り、2017年7-9月に延期されました。

延期された理由は、おそらくガスタービンエンジンの供給問題でしょう。


プロジェクト22350は、通常航行用のディーゼルと高速航行用のガスタービンを組み合わせた複合機関ですが、この内のガスタービンM90FRは、ロシアウクライナの共同開発であり、主な部品はロシアで製造し、ガスタービンエンジンの最終組立はウクライナで行なわれていました。
[ロシア新世代艦のガスタービンとディーゼル]

しかし、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化し、ガスタービンエンジンに関する「分業体制」も瓦解しました。
[ロシア海軍の新型フリゲートの建造は停滞する]
[ロシアはガスタービンエンジン供給中止に関してウクライナを訴える]

プロジェクト22350の場合、1番艦と2番艦のガスタービンは納入されましたが、3番艦以降の供給は途絶えました。
この為、ガスタービンの最終組立もロシア国内で行なう事になりましたが、供給の開始は2017年末、その生産が軌道に乗るのは2018年以降になります。
[ロシアは2018年から艦艇用ガスタービンを量産する]
[ロシア海軍最新鋭フリゲート・プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)3番艦以降の為のロシア製ガスタービンは2017年末から供給を開始する]

従いまして、「アドミラル・ゴロフコ」へ載せるガスタービンエンジンは、2017年にならなければ用意されません。

おそらくは、完全ロシア製ガスタービンエンジンの試作品を「アドミラル・ゴロフコ」へ載せて洋上試験を行なうつもりでしょう。


プロジェクト22350フリゲートは、現在までに4隻が起工されており、1番艦は洋上試験中2番艦は艤装中です。
全てサンクトペテルブルク『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で建造されています。
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「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」
Адмирал флота Советского Союза Горшков:工場番号921
2006年2月1日起工/2010年10月28日進水/2016年11月-12月就役予定

「アドミラル・フロータ・カサトノフ」
Адмирал флота Касатонов:工場番号922
2009年11月26日起工/2014年12月12日進水/2017年就役予定

「アドミラル・ゴロフコ」
Адмирал Головко:工場番号923
2012年2月1日起工/2017年進水予定/2018年以降に就役予定

「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」
Адмирал флота Советского Союза Исаков:工場番号924
2013年11月14日起工/2019年以降に就役予定



プロジェクト22350は、以前には、2020年までに6隻が就役する計画でしたが、最近では「2025年までに6隻」に修正されています。
[新世代フリゲート・プロジェクト22350は2025年までに6隻がロシア海軍へ就役する]

『北方造船所』以外の造船所でのプロジェクト22350の建造も検討されています。
[ロシア海軍最新鋭フリゲート・プロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)はカリーニングラード造船所でも建造されるかもしれない]
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