合同演習『海洋協同-2016』へ参加するロシア海軍と中国海軍の艦船は南シナ海へ出航した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2016年9月15日12時10分配信
【ロシア-中国演習『海洋協同-2016』の活動段階(アクティブフェーズ)が始まった】
本日、南シナ海においてロシア-中国海軍演習『海洋協同-2016』の活動段階(アクティブフェーズ)が始まった。
「太平洋艦隊戦闘艦支隊は、ロシア-中国合同演習の海上段階へ参加する為に出航する準備が整いました」
太平洋艦隊艦船支隊指揮官の太平洋艦隊沿海地方小艦隊司令官ワジム・クリト少将は、準備が整った事を報告した。
報告を受けたのはロシア海軍副総司令官アレクサンドル・フェドテンコフ中将である。
送別式典が終わった後、ロシア海軍と中国人民解放軍海軍の戦闘艦支隊は湛江港(広東省南部)を去り、演習の海上活動段階を実施する為、指定海域へ進路を取った。
無防備の泊地における艦船防衛の為の全ての種類の組織的な合同活動へ取り組み、護送船舶の捜索、救助、乗っ取られた船の解放、対空防衛のエピソードへの取り組みの枠組みにおける目標の探知及び識別が行なわれる。
海上及び空中目標への合同砲射撃の実施が計画されている。
演習の最終段階では、広東省の無防備の海岸へ合同での海洋上陸及び空中降下が行なわれる。
中国との演習へ参加する為に到着した太平洋艦隊戦闘艦支隊は、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、「アドミラル・ヴィノグラードフ」、大型揚陸艦「ペレスウェート」、海洋曳船「アラタウ」、給油船「ペチェンガ」で構成されている。
支隊の指揮官は、太平洋艦隊沿海地方小艦隊司令官ワジム・クリト少将である。
演習には双方から18隻の艦と支援船、航空機21機、250名以上の海軍歩兵隊員と15両の車両が関与する。
ロシア海軍艦船支隊と中国海軍の合同演習は、南シナ海の沿岸、海上エリア、空域で9月12日から19日まで実施される。
このような演習は、ロシア海軍と中国海軍との間で既に5回実施されており、それは、両国海軍の実地的な協力の強化と、様々な海上での脅威への対抗を目指すものである。

ロシア海軍と中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。
『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]
『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]
『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]
『海洋協同-2015』第1段階:2015年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]
『海洋協同-2015』第2段階:2015年8月に日本海(沿海地方沖)で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]
特に、昨年8月に沿海地方で実施された『海洋協同-2015』第2段階では、ロシア海軍と中国海軍の合同上陸演習が初めて行なわれました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同上陸演習が沿海地方で始まった]
因みに、ロシア海軍は中国以外の外国海軍とも度々合同演習を行なっていますが、合同での上陸演習は、中国以外の海軍とは行なっておりません。
この事実からも、ロシア海軍は中国海軍との合同演習を特に重要視している事は明白です。
2016年9月4日、ロシア海軍(太平洋艦隊)側の『海洋協同-2016』参加艦船はウラジオストクを出航しました。
[中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加するロシア海軍艦船部隊は2016年9月初頭に湛江へ向かう]
[中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加するロシア海軍艦船部隊はウラジオストクを抜錨した]
[太平洋艦隊艦船支隊]
指揮官:ワジム・クリト少将
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
大型対潜艦」「アドミラル・ヴィノグラードフ」
大型揚陸艦「ペレスウェート」
海洋曳船「アラタウ」
中型海洋給油船「ペチェンガ」
9月5日早朝に対馬海峡を南下しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年9月6日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
9月12日に中国の湛江へ到着しました。
[中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加するロシア海軍艦船部隊は中国の湛江へ到着した]
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2016』は始まった]
9月13日には、合同演習『海洋協同-2016』の開始式典が開催されました。
これまでと同様、今回の演習でも合同演習司令部が設置され、ロシア海軍側の演習統制官は、ロシア海軍副総司令官アレクサンドル・フェドテンコフ中将が務めます。

フェドテンコフ中将は、2014年と2015年の『海洋協同』でも演習統制官を務めています。
合同演習には、双方から潜水艦2隻、水上艦船13隻、航空機およびヘリコプター20機以上、海軍歩兵隊員250名以上、12両の装甲兵員輸送車及び水陸両用装甲車が参加します。
ロシア海軍からは水上艦船5隻が参加するので、中国海軍からは潜水艦2隻、水上艦船8隻が参加する事になります。
9月13日にはロシア海軍と中国海軍の将兵によるスポーツ大会が開催されました。
[合同演習『海洋協同-2016』においてロシア海軍と中国海軍の将兵によるスポーツ競技が行われた]
同じ9月13日には、ロシア海軍及び中国海軍の艦の消火班による消火訓練も行われています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年9月13日14時28分配信
【ロシアと中国の船員は事故処理活動へ取り組んだ】
9月14日には、ロシア及び中国の海軍歩兵の戦闘訓練が行なわれました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年9月14日9時15分配信
【ロシアと中国の海軍歩兵は『海洋協同-2016』の枠組みにおいて演習を実施した】
そして9月15日、演習へ参加するロシア海軍と中国海軍の艦船は湛江を出航し、南シナ海の演習実施海域へ向かいました。
合同演習の最終段階では、広東省沿岸への合同での上陸及び空挺降下が行なわれます。
2015年7月26日、新たなロシア連邦海洋ドクトリンが発表されましたが、この中では中国との友好関係の発展に重点が置かれています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]
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