近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年10月末に航行試験を開始する
- カテゴリ:ロケット巡洋艦スラヴァ型

『タス通信』より
2016年9月15日11時6分配信
【巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は10月末に修理後の海上試験を開始する】
アルハンゲリスク、9月15日/タス通信特派員ウラジーミル・アヌフリエフ
セヴェロドヴィンスクの防衛造船所・艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』で修理と近代化が行なわれている北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は、10月末に海上航行試験を開始する。
タス通信は工場の広報サービスより、北方艦隊司令官ニコライ・エフメノフ中将による点検視察の結果に基づいて伝えられた。
「10月末には巡洋艦は海上試験へ向かわなければなりません。
これは正確な点検結果により定まったものです」
広報サービスは話した。
埠頭での艦の係留試験プログラムは最終段階の作業へ入った事が指摘された。
「年末までにマルシャル・ウスチーノフはセヴェロドヴィンスク造船所を去り、主要駐留地点へ向かわなければなりません(契約で定められているように)」
広報サービスは説明した。
『ズヴェズドーチカ』によると、巡洋艦の係留試験プログラムは今年4月に始まり、現時点で半分以上が実行されているが、スケジュールよりも遅れている。
「主な問題点として、メインエンジンの制御システムの調整、冷却機の修理、艦の電力システムの制御複合体の調整作業の始動が残されています」
同社は説明した。
「遅延の理由についてですが、このような巡洋艦クラスの水上艦の為の新たな量の作業は、潜水艦の修理と近代化を専門とするズヴェズドーチカにとっては初めて直面したものでした。
この為の契約組織の準備は不十分なものでした」
「マルシャル・ウスチーノフ」は、計画修理を実施する為、2011年6月に『ズヴェズドーチカ』の埠頭へ到着した。
2012年10月、巡洋艦は水上から上げられ、固定船台基盤へ移された。
ドックでは、様々なシステムの修理作業が実施された。
船体は修復され、塗装された。
2013年6月、巡洋艦は進水し、近代化の為の作業は海上で続けられた。
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は1978年にニコラエフ造船工場で起工された。
1986年9月に北方艦隊の戦闘編制へ受け入れられた。
1994~1997年にはサンクトペテルブルクの合資会社『北方造船所』で近代化が実施された。
公開情報によると、「マルシャル・ウスチーノフ」はプロジェクト1164「アトラント」ロケット巡洋艦 である。
排水量-11380トン、全長-186メートル、幅-20.8メートル、速力-34ノット(時速約63km)、航続距離-約8000海里、乗員-510名。
主要兵装-16基の超音速対艦有翼ミサイルP-500「バザーリト」(核弾頭を搭載できる)発射装置。
ロシア海軍の構成には、同型の3隻のロケット巡洋艦が在る。
「モスクワ」-黒海艦隊、「ワリャーグ」-太平洋艦隊、「マルシャル・ウスチーノフ」-北方艦隊。
北方艦隊のプロジェクト1164「アトラント」(「スラヴァ」級)ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」(1986年11月5日就役)は、2011年6月、オーバーホールの為にセヴェロドヴィンスク市の「ズヴェズドーチカ」工場へ到着しました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
2011年6月30日14時25分配信
【北方艦隊のロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」は修理と近代化の為にセヴェロドヴィンスクへ到着した】
2012年10月末、ドックへ入渠しました。
[スラヴァ型ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフはドック入りした]
2013年6月20日、進水式典が行なわれました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは進水する]
その後、レーダーなどを換装する近代化改装工事が始まりました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは近代化改装される]
既に「マルシャル・ウスチーノフ」には、MR-600「ヴォスホード」に代わり、大型3次元レーダーMR-650「ポドベレゾヴィク」が装備されています。
[大型3次元レーダー「ポドベレゾヴィク」]
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年3月18日16時51分配信
【「マルシャル・ウスチーノフ」は近代化されたレーダーを受け取った 】
「ポドベレゾヴィク」の他に、艦橋頭頂部のレーダーも「フレガート-M2M」に換装されました。
「マルシャル・ウスチーノフ」は、2015年末までにロシア海軍へ復帰する予定でしたが、2016年末に延期されました。
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末にロシア海軍へ復帰する]
[ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2015年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する]
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは新型ミサイル兵装を受け取り、2016年に復帰する]
2015年12月初頭、「ズヴェズドーチカ」岸壁での係留試験が開始されました。
[近代化改装中のロシア海軍ロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは係留試験を開始した]

「マルシャル・ウスチーノフ」の航行試験は今年8月末~9月に開始される予定でしたが、今回の記事の通り、10月末に延期されました。
[近代化されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年夏-初秋に航行試験を始める]
[近代化されるロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2016年9月に航行試験を開始する]
遅延の原因は、今回の『ズヴェズドーチカ』の説明によると、要するに、このような大型水上艦の修理と近代化は同社にとっては初めてとなるので経験が不足していた為という事になります。
(『ズヴェズドーチカ』は元々は潜水艦の修理と近代化を専門としていた)
近代化改装を終えた「マルシャル・ウスチーノフ」は、復帰後の2017年初頭に地中海へ向かいます。
[近代化改装されるロシア海軍のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフは2017年初頭に地中海へ行く]
「マルシャル・ウスチーノフ」以外のプロジェクト1164ロケット巡洋艦も、今後の近代化改装が予定されています。
[ロシア海軍の現用ロケット巡洋艦(プロジェクト1164及びプロジェクト1144)は近代化される]
太平洋艦隊旗艦の親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、2020年までに近代化改装が実施されます。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは2020年までに近代化改装を行なう]
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