ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2016』において合同上陸訓練が行われた

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年9月19日13時19分配信
【ロシア軍と中国軍は合同演習において揚陸部隊を上陸させた】
湛江(中国)、9月19日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア軍と中国軍は、2国間演習『海洋協同-2016』において広東省(中華人民共和国南部)の無防備の海岸へ空挺海洋揚陸部隊の合同上陸を行なった。
月曜日、合同演習統制本部の代理人ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐は報道陣へ伝えた。
「空挺海洋揚陸部隊の上陸中に、中国人民解放軍空軍の航空機JH-7Aによる沿岸への準備空爆、更には、合同艦船支隊(大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と警備艦「大慶」)による準備砲撃といった準備活動の要素へ成功裏に取り組みました」
彼は話した。
また、参加者は、中国の艦上ヘリコプターZ-8、双方の浮揚車両、大型揚陸艦「ペレスウェート」と「玉山」を使用して揚陸部隊の上陸へ取り組んだ。
そして海岸で海軍歩兵は、仮想射撃(空砲薬莢)更には仮想敵の拠点の占拠と保持といった戦闘行動の実施へ取り組んだ。
「このエピソードには、250名以上の海軍歩兵隊員、12両の装甲兵員輸送車及び水陸両用装甲車が関わりました。
その結果は統制官へ報告され、高い評価を受けました」
マトヴェーエフは総括した。
演習の活性段階(アクティブフェーズ)は9月19日に終了する。
南シナ海エリアで双方は、投錨地における艦の防衛、船舶の捜索、救助、護送活動、乗っ取られた船の解放といった合同活動へ取り組んだ。
最終段階では、海上目標への合同での砲打撃が計画されている。

ロシア海軍と中国海軍は、2012年、2013年、2014年、2015年に合同演習『海洋協同』Морское Взаимодействиеを実施しています。
『海洋協同-2012』:2012年4月下旬に黄海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2012」(2012年4月)]
『海洋協同-2013』:2013年7月上旬にピョートル大帝湾で実施
[ロシア・中国海軍合同演習は7月初頭にウラジオストク沖で実施される]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」が始まった]
[ロシア・中国海軍は海賊対処訓練を行なった]
[ロシア・中国海軍合同演習「海洋協同-2013」最終日に砲撃訓練が実施される]
『海洋協同-2014』:2014年5月下旬に東シナ海で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2014」]
『海洋協同-2015』第1段階:2015年5月下旬に地中海東部で実施
[ロシア-中国海軍合同演習「海洋協同-2015」(2015年5月)]
『海洋協同-2015』第2段階:2015年8月に日本海(沿海地方沖)で実施
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2015』第2段階(2015年8月)]
特に、昨年8月に沿海地方で実施された『海洋協同-2015』第2段階では、ロシア海軍と中国海軍の合同上陸演習が初めて行なわれました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同上陸演習が沿海地方で始まった]
因みに、ロシア海軍は中国以外の外国海軍とも度々合同演習を行なっていますが、合同での上陸演習は、中国以外の海軍とは行なっておりません。
この事実からも、ロシア海軍は中国海軍との合同演習を特に重要視している事は明白です。
2016年9月4日、ロシア海軍(太平洋艦隊)側の『海洋協同-2016』参加艦船はウラジオストクを出航しました。
[中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加するロシア海軍艦船部隊は2016年9月初頭に湛江へ向かう]
[中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加するロシア海軍艦船部隊はウラジオストクを抜錨した]
[太平洋艦隊艦船支隊]
指揮官:ワジム・クリト少将
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」
大型対潜艦」「アドミラル・ヴィノグラードフ」
大型揚陸艦「ペレスウェート」
海洋曳船「アラタウ」
中型海洋給油船「ペチェンガ」
9月5日早朝に対馬海峡を南下しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2016年9月6日発表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
9月12日に中国の湛江へ到着しました。
[中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加するロシア海軍艦船部隊は中国の湛江へ到着した]
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2016』は始まった]
9月13日には、合同演習『海洋協同-2016』の開始式典が開催されました。
これまでと同様、今回の演習でも合同演習司令部が設置され、ロシア海軍側の演習統制官は、ロシア海軍副総司令官アレクサンドル・フェドテンコフ中将が務めます。
フェドテンコフ中将は、2014年と2015年の『海洋協同』でも演習統制官を務めています。
合同演習には、双方から潜水艦2隻、水上艦船13隻、航空機およびヘリコプター20機以上、海軍歩兵隊員250名以上、12両の装甲兵員輸送車及び水陸両用装甲車が参加します。
ロシア海軍からは水上艦船5隻が参加するので、中国海軍からは潜水艦2隻、水上艦船8隻が参加する事になります。
9月13日にはロシア海軍と中国海軍の将兵によるスポーツ大会が開催されました。
[合同演習『海洋協同-2016』においてロシア海軍と中国海軍の将兵によるスポーツ競技が行われた]
同じ9月13日には、ロシア海軍及び中国海軍の艦の消火班による消火訓練も行われています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年9月13日14時28分配信
【ロシアと中国の船員は事故処理活動へ取り組んだ】
9月14日には、ロシア及び中国の海軍歩兵の戦闘訓練が行なわれました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年9月14日9時15分配信
【ロシアと中国の海軍歩兵は『海洋協同-2016』の枠組みにおいて演習を実施した】
9月15日、演習へ参加するロシア海軍と中国海軍の艦船は湛江を出航し、南シナ海の演習実施海域へ向かいました。
[合同演習『海洋協同-2016』へ参加するロシア海軍と中国海軍の艦船は南シナ海へ出航した]
9月16日には、停泊時の艦船防衛及び遭難船の捜索救助訓練が行われました。
[合同演習『海洋協同-2016』においてロシア海軍と中国海軍は艦船防衛及び捜索救助訓練を行なった]
同じ9月16日には、不審船の共同臨検訓練も行われました。
不審船の役を務めたのは、両国海軍の補給艦(給油船)です。
[合同演習『海洋協同-2016』においてロシア海軍と中国海軍は不審船の臨検訓練を行なった]
9月17日には対空防衛及び対潜戦闘訓練が行われました。
[合同演習『海洋協同-2016』においてロシア海軍と中国海軍は対空・対潜戦闘訓練を行なった]
そして合同演習の最終日である9月19日、広東省沿岸への合同での上陸訓練が行なわれました。
なお、本文中に「無防備の海岸への上陸」という言葉が出てきますが、これは
「上陸予定場所に砲爆撃(空爆や艦砲射撃など)を行ない敵を無力化し、『無防備』にした後に上陸する」という意味です。
今回の上陸演習では、中国空軍の攻撃機JH-7Aによる空爆と、ロシア海軍と中国海軍の水上戦闘艦による艦砲射撃の後に海軍歩兵部隊が上陸しています。
2015年7月26日、新たなロシア連邦海洋ドクトリンが発表されましたが、この中では中国との友好関係の発展に重点が置かれています。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]
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