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ロシア国防省(ロシア海軍)は重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの地中海派遣を計画している

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年9月21日16時15分配信
【地中海への巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の派遣が計画される】
モスクワ、9月21日-ロシア通信社ノーボスチ

地中海ロシア連邦グループの能力を増大させる為、巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」航空グループの派遣が計画されている。
水曜日、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは発表した。

「現時点において、地中海東部のロシア艦グループには、全ての艦隊から、少なくとも6隻の戦闘艦と3-4隻の支援船が加わっています。
グループの戦闘能力を増大させる為、航空艦グループには、巡洋艦アドミラル・クズネツォフが含まれる計画です」

彼は話した。

ショイグは想い起した。
「国益を実現し、平和を維持するという目的で、私共は、前世紀末に縮小された地中海東部における海軍力の常時の存在を2013年に再開しました」

「想い起しますと、1967年、この海域に存在していた第5作戦戦隊は、アラブ・イスラエル武力紛争の増大を防ぐ事を可能にし、将来のソヴィエト連邦に対する敵対行動への重要な抑止力となりました」
ショイグ
は話した。

彼は強調した。
「海軍の水上部隊の計画的更新は、世界の大洋の作戦上重要な海域における国家海洋政策の実行と地域的及び世界的な安定の保障へ貢献していきます」

作業中、高精度長距離兵器を搭載する遠海ゾーン艦の建造、更にはフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」の試験完了についても討議された。



[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海(北東大西洋へ2回、地中海へ5回)を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2016年前半はムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホール(技術的準備状態の回復)が行なわれ、6月下旬からバレンツ海で訓練を開始し、7月1日以降は艦載機の飛行訓練も行われています。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]

7月31日の「ロシア海軍の日」には、セヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。
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「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されており、現在、その為の準備が進められています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海遠征の準備を行なっている]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は約4ヶ月間に渡る]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月20日よりも前に地中海へ向かうかもしれない]

地中海東部へ進出した「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加します。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月から2017年1月までISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加する]


「アドミラル・クズネツォフ」の為の新たな艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBR(註:インド海軍向けのMiG-29K/MiG-29KUBと区別する為、ロシア海軍向けの機体に対して非公式に用いられている呼称。R「ロシア」の頭文字)は2015年末までに契約分全機(24機)が納入され、2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

第100独立艦上戦闘機航空連隊は、2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
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「アドミラル・クズネツォフ」には、艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されます。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]

2016年8月8日、第100独立艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29KRが初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]

一方、「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」艦上戦闘機Su-33にも地上攻撃能力が付与されます。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]



「アドミラル・クズネツォフ」は8月12日にムルマンスク第35艦船修理工場へ戻り、オーバーホール(技術的準備状態の回復)及び部分的な近代化改装作業の第2段階(MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用できるようにする為の改修)が実施されます。
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この作業は2016年9月末までの完了が予定されています。。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフのオーバーホールは2016年9月末に完了する]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年9月末に新型艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の改修を終える]

その後(2016年10月上旬頃)、「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア沖へ向かう前に、バレンツ海「新たな艦載システム」~上記の新たな慣性航法システムなど~の動作点検を行ないます。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはシリア沖へ向かう前に新型艦載システムの試験を行なう]


そして今回、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、「アドミラル・クズネツォフ」地中海東部へ派遣する計画が有る事を初めて公式に認めました。
ただ、何時地中海東部へ向けて出発するのかについては触れていませんが・・・



今年10月以降の地中海遠征から戻った後、2017年から「アドミラル・クズネツォフ」の本格的な近代化改装が始まります。
同艦の近代化改装も、ムルマンスク第35艦船修理工場で実施される事になります。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは2017年から近代化改装を開始する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母(重航空巡洋艦)アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスクで始まり、後にセヴェロドヴィンスクへ移される]
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