ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦ラーダ級は北方艦隊へ配備される
- カテゴリ:プロジェクト677ラーダ潜水艦

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年10月4日19時15分配信
【北方艦隊の戦闘編制へ2隻の「ラーダ」級潜水艦が加わる】
モスクワ、10月4日-ロシア通信社ノーボスチ
現在、建造中の2隻の最新通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」~「クロンシュタット」と「ヴェリーキエ・ルーキ」は北方艦隊の戦闘編制へ加わる。
火曜日にロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフは発言した。
このクラスの潜水艦のトップ「サンクトペテルブルク」は、ロシア連邦海軍において試験運用に在る。
「通常動力潜水艦プロジェクト677についてですが、現在、建造中の同プロジェクト潜水艦2隻:クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは、北方艦隊の担当ゾーンへ駐留します」
彼は『モスコースキー・コムソモーレッツ』紙のインタビューにおいて、こう話した。
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級]
[新世代潜水艦ラーダ(アムール)級(旧ブログ)]
ロシア海軍の第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」1番艦B-585「サンクトペテルブルク」は1997年12月26日に起工、2004年10月28日に進水、2010年4月22日に就役しました。
しかし、「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、2005年7月28日に起工された2番艦と2006年11月10日に起工された3番艦の建造工事は一旦凍結されました。
2012年2月初頭、当時のロシア海軍総司令官ウラジーミル・ヴィソツキー大将は、『ロシア通信社ノーボスチ』のインタビューに対し、「ラーダ」級潜水艦「サンクトペテルブルク」に対する不満を述べています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2012年2月9日配信
【ウラジーミル・ヴィソツキー提督へのインタビュー】
「ラーダ」級に関する箇所を抜粋。
インタビュアー:多くのメディアの報道で、プロジェクト677「ラーダ」ディーゼルエレクトリック潜水艦の将来に関する憶測が流れていますが・・・
ヴィソツキー:
「ラーダ」?この艦については、何か申し上げる事が有りますかね?
潜水艦「サンクトペテルブルク」の試験運用では、技術的特性が示されていません。
その理由は、非常に簡単です。
要するに、この艦の主要動力装置には、欠陥が有るのですよ。
僕達は、第二次世界大戦時の動力を有するような武器を新たに必要であるなどという頭脳は持ち合わせておりません。
何故かって?誰がそれを必要とするのでしょうか?
そして、それは同様の動作特性を有しています。
現在の形での「ラーダ」を、ロシア海軍は必要としておりません。
インタビュアー:建造中の同プロジェクト潜水艦「クロンシュタット」と「セヴァストーポリ」の今後はどうなりましょうか?
ヴィソツキー:これらの艦は、他の動力装置になると思います・・・
その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦と3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]
2番艦「クロンシュタット」は2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されています。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]
2006年に起工されていた3番艦は、2015年3月19日に「ヴェリーキエ・ルーキ」の名で改めて起工されました。
[ロシア海軍の為のラーダ級潜水艦3番艦セヴァストーポリ改めヴェリーキエ・ルーキは再起工された]
これらの同型艦は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]
一方、1番艦「サンクトペテルブルク」は就役後、暫くはバルト艦隊に所属してバルト海に滞在していましたが、深海での試験(バルト海では実施できない)などを実施する為、北方艦隊の基地へ回航される事になり、2013年10月17日に潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。
[ラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊基地に到着した]
以後、「サンクトペテルブルク」は北方艦隊に留まり、試験運用を続けています。
[ロシア海軍第4世代潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊へ配備される]
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは2016年も試験運用を継続する]
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは2016年に試験運用を完了する]
2番艦「クロンシュタット」と3番艦「ヴェリーキエ・ルーキ」のロシア海軍への引き渡しは、2018~2019年に予定されています。
[最後のラーダ級潜水艦(?)クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2018-2019年にロシア海軍へ引き渡される]
そして今回、ロシア連邦国防次官ユーリー・ボリソフ氏は、「クロンシュタット」と「ヴェリーキエ・ルーキ」は就役後に北方艦隊への配備が予定されている事を初めて明らかにしました。
「ラーダ」級は3隻とも北方艦隊へ配備されることになるようです。
「ラーダ」級以外の通常動力潜水艦の建造も進められています。
黒海艦隊向けにはプロジェクト06363潜水艦6隻が建造されており、現在は4番艦まで就役済み、今年末には残り2隻も就役します。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第6のプロジェクト06363潜水艦コルピノは航行試験を開始した]
プロジェクト06363潜水艦は、今後、太平洋艦隊向けにも6隻が建造されます。
[サンクトペテルブルクのアドミラルティ造船所はロシア海軍太平洋艦隊の為の6隻のプロジェクト06363潜水艦の建造契約を締結した]
その後は、第5世代通常動力潜水艦「カリーナ」級が北方艦隊とバルト艦隊向けに建造されます。
[ロシア海軍の第5世代通常動力潜水艦カリーナ級は北方艦隊とバルト艦隊向けに建造される]
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