ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏航海を終えてセヴェロモルスクへ帰投した
- カテゴリ:ロシア北方艦隊(2012-2019年)

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年10月7日16時13分配信
【軍艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は北極圏航海から戻ってきた】
モスクワ、10月7日-ロシア通信社ノーボスチ
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、北極圏航海任務を果たし、金曜日にセヴェロモルスクへ戻ってきた。
ロシア国防省は発表した。
「本日(10月7日)、北方艦隊主要基地-セヴェロモルスクで、北氷洋での遠距離航海任務を果たした大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの歓迎式典が開催されました」
声明では、こう述べられた。
(北方)艦隊司令官ニコライ・エフメノフ中将は、長期遠距離航海任務を成功裏に果たし、母国へ戻ってきた北方艦隊将兵を祝福した。
彼は指摘した。
「大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフの基地への帰港により、北方艦隊の部隊による北極圏開発の次の段階は完了しました」
「北方艦隊の艦・支援船支隊の単一航海の枠組みにおいて、初めて、かなり短い期間に4つの北極圏の島嶼エリアでの任務を成功裏に果たしました~ノヴォシビルスク諸島、セヴェルナヤ・ゼムリャ諸島、ゼムリャフランツァヨシファ、ノヴァヤゼムリャ島で」
エフメノフは発言した。

北方艦隊司令官は強調した。
「初めて北極で北方艦隊と太平洋艦隊の艦隊間演習が実施され、合同救助活動の実施や北海航路上の安全保障といった連携行動の課題へ取り組みました」
約40日間に渡った北方艦隊の艦・支援船支隊の航海は、コラ多種戦力小艦隊参謀長イリダル・アフメロフ1等海佐の将旗の下で実施された。
航海中に、バレンツ海、カラ海、ラプテフ海エリアの約9000海里を航行した。
ロシア北方艦隊は、2012年から北極圏での行動を活発化させています。
2012年9月、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、大型揚陸艦「アレクサンドル・オトラコフスキー」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2012年9月12日出港、9月28日帰港)
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]
2013年9月にも、重原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極海への遠距離航海を行ないました。
(2013年9月3日出港、9月30日帰港)
この時には、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島へ飛行場建設の為の各種機材や資材が陸揚げされ、同島の飛行場は再建されました。
[聖アンドレイの旗の下に]
2014年9月には、大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」、大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」を中核とする部隊が北極圏へ派遣されました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2014年10月9日14時09分配信
【ロシア北方艦隊の艦は北極圏航海から戻ってきた】
2014年12月1日には、北方艦隊を中核とする北方統合戦略司令部が設立されました。
[ロシア連邦軍北極圏統合戦略司令部が設立された]
2015年にも北極圏への遠距離航海と演習が実施されました。
艦船支隊は8月16日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
[北方艦隊艦船支隊]
大型対潜艦「セヴェロモルスク」
大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」
大型揚陸艦「コンドポガ」
海洋給油船「セルゲイ・オシポフ」
サルベージ船KIL-164
サルベージ船「アレクサンドル・プーシキン」
救助曳船「パミール」
2隻の大型揚陸艦には、何時もの海軍歩兵部隊(キルケネス赤旗授与・第61独立海軍歩兵旅団)では無く、2012年に北方艦隊の指揮下へ移管された「ペチェンガ2等クトゥゾフ勲章受章・第200独立自動車化歩兵旅団」所属部隊が乗っていました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は北極圏のジクソンへ到着した]
演習はタイミル半島の重要な工業施設周辺、ノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島でも実施され、遠征部隊は2015年10月10日に帰港しました。

2016年8月30日、北方艦隊艦船支隊は北極圏遠征へ出発しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦船部隊は北極圏遠征へ出発した]
今回の遠征部隊は、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、救助曳船「パミール」、サルベージ船KIL-164、海洋兵器輸送船「アカデミック・コワリョーフ」で構成されています。
北方艦隊艦船支隊は対テロ演習や捜索救助訓練、対空・対潜防衛訓練などを行ないながら東へ進み、9月2日にはカルスキエボロタ海峡を通過しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2016年9月2日15時2分配信
【北極圏航海を実行中の北方艦隊の艦・支援船支隊はカラ海へ入った】
9月10日にノヴォシビルスク諸島のコテリヌイ島へ到着し、同島北西部に停泊しました。
[ロシア海軍北方艦隊の艦船部隊はノヴォシビルスク諸島へ到着した]
9月21日には、ノヴォシビルスク諸島まで来た太平洋艦隊の砕氷船「イワン・スサ―ニン」と北方艦隊艦船部隊の合同演習が行われました。

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2016年9月21日15時14分配信
【北極圏で北方艦隊と太平洋艦隊の艦船支隊の合同戦術演習が実施された】
その後、「アカデミック・コワリョーフ」は北方艦隊艦船支隊と別れて更に東へ進み、9月30日にカムチャツカの原潜基地ヴィリュチンスクへ到着しました。
[ロシア海軍の最新鋭兵器輸送船アカデミック・コワリョーフはカムチャツカ半島の太平洋艦隊原潜基地へ到着した]
そして北方艦隊艦船支隊は10月7日に帰港しました。
なお、記事中で触れられているように、今回の北極圏遠征の指揮官は、北方艦隊コラ多種戦力小艦隊参謀長イリダル・アフメロフ1等海佐です。

イリダル・アフメロフ1佐(1965年8月7日生まれ、現在51歳)は、以前にはカスピ小艦隊司令官を務め、更には太平洋艦隊のアデン湾海賊対処部隊指揮官を3度に渡って務めています。
[ソマリア海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフの華麗な戦歴]
[元アデン湾海賊対処部隊指揮官イリダル・アフメロフはカスピ小艦隊司令官に任命された]
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