ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2017年春にエジプトとの合同演習へ参加するかもしれない

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『イズベスチヤ』より
2016年10月11日0時1分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」はエジプトへ向かう】

モスクワとカイロは2017年春に実施される合同軍事演習の為の交渉を行なっている。

ロシアエジプトは2017年春に実施される合同軍事演習の為の交渉を行なっている。
『イズベスチヤ』は軍事政界の情報提供者より伝えられた。
演習には、ロシア重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の参加も有り得るだろう。

「10月の演習後、モスクワとカイロは、この分野における協力の継続を考えています。
2017年春には合同演習の実施が計画されています。
現時点では、この件に関する交渉が進められています。
双方は、この事に関心を有しております。
活動は、対テロの性格を帯びます。
ロシア連邦軍はエジプト軍と共同で、船舶乗っ取り及び精密な航空打撃を加えると予想される敵の襲撃の撃退の実習を行ないます」

情報提供者は指摘した。
「演習にはエジプトのミストラル、更にはロシアの空母アドミラル・クズネツォフが使用されるでしょう。
我々の航空巡洋艦にとって、これは、近代化へ向かう前の最後の運航となります」


ロシア空母は、地中海ロシア海軍作戦グループへ加わる。
同艦は、全ての標準兵装と完全な航空団を有して2016年10月にシリア沿岸へ向かう。

空母「アドミラル・クズネツォフ」の標準的な航空団は、艦上航空機Su-33Su-25、更にはヘリコプターKa-27/Ka-29から構成されている。
今、同艦では、戦闘機MiG-29KヘリコプターKa-52Kで構成される新たな航空群の試験が実施されている。
『イズベスチヤ』の情報によると、エジプトへ向かう空母の艦上の(航空団の)構成は完全では無い。

「2017年の合同演習には、ターボプロップ戦略ロケット爆撃機Tu-95と超音速戦略ロケット爆撃機Tu-160は参加しません。
現時点でTu-22M3が参加するという情報は有りません」

情報提供者は指摘した。
「予備的合意によると、2017年の演習の規模は2016年よりも大きくなります~(訓練の)数量と日数は増加します。
更に、計画下の行動は、主として海上で行なわれます」


以前に(ロシア)国防省が発表したように、モスクワカイロは10月中旬にエジプト領内で合同軍事演習を実施する。
このようなエジプト領内へ軍部隊を派遣する演習は初めて行なわれる。
更にロシア空挺部隊は、砂漠条件下での軍事行動の実施、更には両国の全ての軍事行動の共同作戦といった特色への取り組みの目的へ初めて投入される。

「私達は、エジプトと、合同演習に関する思惑の相違は有りません-これは健全な兆候です。
エジプトは我々の戦略的パートナーであり、2017年のロシアとエジプトの演習は、両国の利益となるでしょう」

国家院(下院)国防委員会第1副委員長アレクサンドル・シェリン『イズベスチヤ』へ話した。
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「軍事演習は我々が必要とするものであり、これは、国際社会へ私達の能力を示すのに役立ちます。
加えて我々は兵器の活動を示さなければならず、それは、より多くの国々の関心を呼ぶでしょう。
我々は、ロシアが地球の隅々で自身の利益を保護できる状態に在る事を示す必要があります。
私達は、何人たりとも怯えさせようなどとは毛頭考えてはおりません、私達は、自身の力を示すだけです」




[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]

ニコラエフ(ウクライナ)黒海造船工場で1982年9月1日に起工され、1985年12月4日に進水し、1991年1月20日に当時のソ連海軍へ就役した重航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」は、同年12月末に黒海から北方艦隊基地へ回航され、以後、同艦隊で運用されています。

「アドミラル・クズネツォフ」は、これまでに7回の遠距離航海(北東大西洋へ2回、地中海へ5回)を実施しており、最近では、2013年12月17日から2014年5月18日までの5ヶ月間に渡る大西洋・地中海遠征を実施しています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-)]

2016年前半はムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホール(技術的準備状態の回復)が行なわれ、6月下旬からバレンツ海で訓練を開始し、7月1日以降は艦載機の飛行訓練も行われています。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]

7月31日の「ロシア海軍の日」には、セヴェロモルスクの観艦式へ参加しました。
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「アドミラル・クズネツォフ」は、今年(2016年)秋に地中海東部への遠征が計画されており、現在、その為の準備が進められています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海遠征の準備を行なっている]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは2016年秋に新たな艦上戦闘機と共に地中海東部へ行く]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの地中海遠征は約4ヶ月間に渡る]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月20日よりも前に地中海へ向かうかもしれない]

地中海東部へ進出した「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア領内のISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加します。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年10月から2017年1月までISIL(イラク・レバントのイスラム国)への空爆作戦へ参加する]


「アドミラル・クズネツォフ」の為の新たな艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBR(註:インド海軍向けのMiG-29K/MiG-29KUBと区別する為、ロシア海軍向けの機体に対して非公式に用いられている呼称。R「ロシア」の頭文字)は2015年末までに契約分全機(24機)が納入され、2016年1月には、MiG-29K/KUBを装備する新たな航空連隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が編成されました。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは新型艦上機により近代化される]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの為の艦上戦闘機MiG-29K/KUBは契約分全機(24機)の納入を完了した]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの為の新たな艦上戦闘機MiG-29Kの航空連隊の編成は殆ど完了している]
[MiG-29K/KUBで編成されたロシア海軍の新たな艦上戦闘機航空連隊は本格的な戦闘訓練飛行を始めた]

第100独立艦上戦闘機航空連隊は、2016年6月からはクリミア半島サキ飛行場へ進出し、艦上戦闘機発着訓練施設(旧ニートカ)で訓練を行なっています。
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「アドミラル・クズネツォフ」には、艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用する為の新たな慣性航法システムが装備されます。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]

2016年8月8日、第100独立艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29KRが初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]

この他、艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」「アドミラル・クズネツォフ」に搭載されます。
Ka-52Kの発着試験も既に行なわれています。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは空母アドミラル・クズネツォフへ搭載される]

一方、「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」艦上戦闘機Su-33にも地上攻撃能力が付与されます。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]


艦載機の飛行訓練と試験を行なった「アドミラル・クズネツォフ」は、8月12日にムルマンスク第35艦船修理工場へ戻り、オーバーホール(技術的準備状態の回復)及び部分的な近代化改装作業の第2段階(MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用できるようにする為の改修)を実施しました。
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この作業は2016年9月末までの完了が予定されていました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフのオーバーホールは2016年9月末に完了する]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは2016年9月末に新型艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の改修を終える]

その後(2016年10月上旬頃)、「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア沖へ向かう前に、バレンツ海「新たな艦載システム」~上記の新たな慣性航法システムなど~の動作点検を行ないます。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはシリア沖へ向かう前に新型艦載システムの試験を行なう]

9月21日、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、「アドミラル・クズネツォフ」地中海東部へ派遣する計画が有る事を初めて公式に認めました。
[ロシア国防省(ロシア海軍)は重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの地中海派遣を計画している]


オーバーホールと改修を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は9月26日に第35艦船修理工場を去り、バレンツ海へ出航しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦(空母)アドミラル・クズネツォフは2016年10月中旬にシリア沖へ向かう?]
おそらくは、オーバーホール後の点検作業などを行なったのでしょう。

その後、10月初頭には第35艦船修理工場へ戻り、現在、各種物資の積み込みが行なわれています。
無論、これは地中海東部(シリア沖)へ向かう為の準備でしょう。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近影(2016年10月8日)]


早ければ10月中旬に地中海東部(シリア沖)へ向かう「アドミラル・クズネツォフ」ですが、同艦が来年(2017年)春の実施が予定されているロシアエジプトの合同軍事演習へ参加するという話が出てきました。

この合同演習には、ロシア海軍「アドミラル・クズネツォフ」と、エジプト海軍「ミストラル」級指揮戦力投射艦(元々はロシア海軍向けとして建造された)が参加するようです。
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