ロシア海軍太平洋艦隊の原子力戦略用途水中巡洋艦『聖大致命者凱旋者ゲオルギイ』はオホーツク海から弾道ミサイルを発射した

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年10月12日14時48分配信
【ロシア太平洋艦隊の水中巡洋艦は大陸間弾道ミサイルの発射を実施した】
モスクワ、10月12日-ロシア通信社ノーボスチ

太平洋艦隊戦略用途ロケット水中巡洋艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」は、ロシア北部チジャ射爆場海洋配置大陸間弾道ミサイルの発射を成功裏に実施した。
水曜日にロシア国防省は発表した。

「イーゴリ・ジューク1等海佐が艦長を務める太平洋艦隊の原子力水中ロケット艦ゲオルギー・ポベドノーセッツは、戦闘訓練の最終活動の枠組みにおいて、オホーツク海エリアからロシア北部のチジャ射爆場への弾道ミサイル発射を実施しました」
声明では、こう述べられた。

発射は水中位置から実行された事が明らかにされた。
ミサイルの弾頭部は指定時間にロシア北部チジャ射爆場へ着弾したとロシア連邦国防省は付け加えた。

ロケット水中巡洋艦海洋配置弾道ミサイルの発射成功は、太平洋艦隊潜水部隊の高い即応水準を示し、海洋戦略核戦力の戦闘管理システムの有効性が確認された事が強調された。
潜水艦の艦長と潜水艦乗組員の行動はプロ意識を示し、乗組員は常時即応部隊の一員として任務を遂行する準備を整えている。



プロジェクト667BDR(NATOコード名「デルタIII」)ロケット水中巡洋艦K-433は1979年8月24日にセヴェロドヴィンスクで起工され、1980年6月20日に進水、1980年12月15日に海軍へ引き渡されました。
1980年12月31日に赤旗北方艦隊・第3潜水艦小艦隊・第13潜水艦師団へ編入され、原潜基地オレニヤへ配備されました。
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1981年から戦闘勤務(戦略パトロール任務)を開始しましたが、1983年11月3日、太平洋艦隊・第2潜水艦小艦隊・第25潜水艦師団へ転属し、北極海経由でカムチャツカ半島原潜基地ヴィリュチンスクへ回航されました。
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ソ連邦解体後の1992年6月3日、「原子力戦略用途水中巡洋艦」に類別変更されました。

1993年2月から2003年7月まで沿海地方ボリショイ・カーメニ「ズヴェズダー」工場でオーバーホールが実施されました。
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この間、1998年9月15日に「スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツ」(聖大致命者凱旋者ゲオルギイ)と命名されました。
【光榮なる聖大致命者凱旋者ゲオルギイの祭日】

2003年6月から8月まで日本海で航行試験が行われ、8月29日に海軍へ引き渡されました。

2004年11月2日、オホーツク海から白海方面へ弾道ミサイルR-29Rを発射しました。

2005年9月30日にも弾道ミサイルを発射しました。

2006年9月10日にも弾道ミサイルを発射しました。
[太平洋艦隊の戦略原潜、クリル諸島でミサイル発射]

2008年9月25日にはロシア連邦大統領ドミトリー・メドベージェフの視察を受けました。
[ロシア大統領、カムチャツカ原潜基地視察]

2009年10月6日にも弾道ミサイル発射を実施しました。
[太平洋艦隊のデルタIII型戦略原潜、弾道ミサイル発射]

2010年10月28日にも弾道ミサイル発射を実施しました。

2011年9月21日には漁船「ドネツ」と衝突事故を起こしました。

2012年10月19日に弾道ミサイルを発射しました。
[ロシア太平洋艦隊の戦略原潜はオホーツク海から弾道ミサイルを発射した]

2013年10月30日には「抜き打ち」弾道ミサイルを発射しました。
[ロシア海軍の戦略原潜は「抜き打ち」で弾道ミサイルを発射した]

2014年9月に実施された戦略演習「ヴォストーク-2014」へ参加しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2014年9月23日01時00分配信
【太平洋艦隊潜水艦部隊は演習「ヴォストーク-2104」の枠組において戦闘訓練任務を遂行する為に海へ出た】

2014年12月末、「戦闘訓練任務」を遂行した後、カムチャツカ原潜基地ヴィリュチンスクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の戦略原潜スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツは任務遂行後に基地へ戻った]

2015年の動向は全く明らかにされませんでしたが、12月29日、「戦闘任務」を遂行した後、原潜基地ヴィリュチンスクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力戦略用途水中巡洋艦スヴャトイ・ゲオルギー・ポベドノーセツ(聖大致命者凱旋者ゲオルギイ)は任務完了後に基地へ戻った]

2016年7月5日、海上での任務を遂行した後にヴィリュチンスクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力戦略用途水中巡洋艦『聖大致命者凱旋者ゲオルギイ』は任務を終えて帰港した]
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そして10月12日、オホーツク海からネネツ自治管区チジャ射爆場へ向けて弾道ミサイル(R-29RKU-2)を発射しました。
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現在、ロシア太平洋艦隊には5隻の戦略原潜(プロジェクト955「アレクサンドル・ネフスキー」、「ウラジーミル・モノマーフ」、プロジェクト667BDR「聖大致命者凱旋者ゲオルギイ」、「リャザン」、「ポドリスク」)が配備されており、うち1隻(「リャザン」)は沿海地方でオーバーホール中です。


現在のロシア連邦海軍における原子力潜水艦の分類は以下の通りです。

重原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト941「アクラ」(タイフーン)
原子力戦略用途水中巡洋艦:プロジェクト667BDRM「デリフィン」(デルタIV)、プロジェクト667BDR「カリマール」(デルタIII)、プロジェクト955「ボレイ」
原子力水中巡洋艦:プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)、プロジェクト885「ヤーセン」
原子力巡洋潜水艦:プロジェクト971「シチューカ-B」(アクラ)
原子力大型潜水艦:プロジェクト945「バラクーダ」(シエラI)、プロジェクト945A「コンドル」(シエラII)、プロジェクト671RTMK「シチューカ」(ヴィクターIII)


弾道ミサイル或いは有翼ミサイルの専用垂直発射機を装備する原潜西側で言う所のSSBNSSGNに該当する艦は「水中巡洋艦」に分類されています。
つまり、「水中のロケット巡洋艦」という事です。
一方、いわゆる「魚雷攻撃型原潜」は、「原子力大型潜水艦」に分類されています。

ただ、プロジェクト971のみは「原子力巡洋潜水艦」と、「原子力水中巡洋艦」「原子力大型潜水艦」の中間的な分類となっております。
上記の分類はソ連邦解体後の1992年に定められたものですが、この当時、971魚雷発射管から発射できる長射程有翼ミサイル「グラナート」(SS-N-21)を搭載し、原子力戦略用途水中巡洋艦を補完する戦力と見なされていた為、他の魚雷攻撃型原潜と区別して「巡洋潜水艦」となりました。
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