ロシア海軍黒海艦隊のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ回航される

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年10月18日12時37分配信
【最新フリゲート「アドミラル・エッセン」はセヴァストーポリへ向かう】
第2のプロジェクト11356フリゲート「アドミラル・エッセン」は、バルチースクからセヴァストーポリ~黒海艦隊の常時勤務場所~へと向かう。
『Lenta.ru』が引用したマルタの外国軍艦滞在スケジュールによると、「アドミラル・エッセン」は10月25日~28日までヴァレッタ港に居る。
「アドミラル・エッセン」は、黒海艦隊の為に建造された第2のプロジェクト11356フリゲートである。
これは、輸出用フリゲート「タルワー」型を発展させたものである。
同艦は2011年7月8日に沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、2014年11月7日に進水した。
艦の国家受領試験は2016年1月末に始まった。
それは最初はバルト艦隊で、その後、北方艦隊の射爆場で行なわれた。
船員は、兵装を含めたフリゲートの全てのシステムを点検した。
艦へ聖アンドレイ旗が掲揚されたのは2016年6月7日であった。
第3のフリゲート「アドミラル・マカロフ」は、現在、兵装システムの国家試験を実施する為、北方艦隊の射爆場へ向かっている。
プロジェクト11356艦の第2の3隻の運命は疑わしい。
4番艦と5番艦(「アドミラル・ブタコフ」と「アドミラル・イストミン」)の製造は、異なる段階で中断しており、6番艦「アドミラル・コルニロフ」は正式に起工されていない。
これは制裁に関連する:ウクライナの『ゾーリャ機械設計』社は、艦の為のガスタービンエンジンのロシアへの供給を停止した。
ゴアにおける10月15日の会談で、ロシアとインドは、デリーへの「タルワー」型フリゲートの供給を含めたパッケージ合意を締結した。
詳細は公表されていないが、専門家は、これがプロジェクト11356艦の第2の3隻のインドへの引き渡しについての話であると予測している。
プロジェクト11356フリゲートは、遠海への航海、水上艦及び潜水艦との戦闘、更には航空攻撃の撃退を行なう為に意図されている。
艦の兵装の構成には、次のものが含まれている:口径100mmのA-190砲、高射ミサイル複合体と高射砲複合体、魚雷と対潜攻撃手段、更に高精度ミサイル複合体「カリブル-NK」
更には、艦上ヘリコプターKa-27を搭載できる。
プロジェクト11356艦の満載排水量は4035トン、全長-125メートル、幅-15メートル。
それは30ノットまでの速力を発揮する。
自立行動期間-30日。航続距離は巡航速力14ノットで4850海里。
乗組員-180名と20名の海軍歩兵隊員。
[ロシア海軍の為の新たなフリゲート~プロジェクト11356R(アドミラル・グリゴロヴィチ型)とプロジェクト22350(アドミラル・ゴルシコフ型)]
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]
プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)2番艦「アドミラル・エッセン」は、2011年7月8日に起工されました。
それから3年以上経った2014年11月7日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンは進水した]
2014年11月末、進水した「アドミラル・エッセン」に高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の垂直発射機が設置されました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンへ艦対空ミサイル発射機が設置された]
2015年5月20日、造船所の岸壁で係留試験を開始しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2015年5月20日11時36分配信
【「アドミラル・エッセン」は係留試験を開始した】
出航前の消磁作業を終えた後、2015年10月18日にカリーニングラードからバルト艦隊基地バルチースクへ回航されました。
その後、バルチースク基地で出航準備が進められました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海への出航を準備している]
11月5日、工場航行試験の為に出航しました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは洋上試験の為に出航した]
工場航行試験を終えた後、2016年1月30日から国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンの国家受領試験が始まる]
2月初頭にバルト海へ出航し、主にメインエンジン(ガスタービンエンジン)の動作チェックが行なわれました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは国家受領試験の為に抜錨した]
その後もバルト海で各種試験が続けられ、3月下旬までに国家受領試験の第1段階は終了しました。
3月21日までにカリーニングラードからクロンシュタット(レニングラード海軍基地)へ移動しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"発射試験を行なう]
3月23日、クロンシュタットを抜錨し、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ向けて出航しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはクロンシュタットを抜錨し、バレンツ海へ向かった]
3月30日、遠距離航海から帰港途中の北方艦隊の大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と北海で合流しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは北海で最新警備艦アドミラル・エッセンと合流した]
4月4日、北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着した]
その後、バレンツ海で国家受領試験の第2段階が実施され、4月19日までに完了しました。
[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバレンツ海での試験を完了した]
バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・エッセン」はカリーニングラードへ戻りました。

[ロシア海軍最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海へ戻ってきた]
「アドミラル・エッセン」は、2016年5月26日にロシア海軍へ納入され、翌5月27日に正式な就役式典となる聖アンドレイ旗初掲揚式典が開催される予定でした。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは2016年5月26日にロシア海軍へ納入される]
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンは2016年5月27日にロシア海軍へ就役する]
しかし、急遽もう一度点検出航を行なう事になった為、延期されました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンのロシア海軍への引き渡しは延期された]
2016年5月31日、受領-引渡証書への署名が行なわれ、ロシア海軍へ納入されました。
[プロジェクト11356R警備艦アドミラル・エッセンはロシア海軍へ納入された]
2016年6月7日、カリーニングラード市の沿バルト造船工場『ヤンターリ』の岸壁で、正式な就役式典となる聖アンドレイ旗(海軍旗)初掲揚式典が開催され、ロシア海軍へ就役、黒海艦隊の第30水上艦師団へ編入されました。
[第2のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはロシア海軍へ就役した]
その後もバルト海に留まっていましたが、今回の記事の通り、近い内に黒海へ回航されることになるようです。
何時出航するのかは明らかにされていませんが、現時点で確定しているのは、10月25日から28日まで地中海中部のマルタ島を訪れるという事です。

プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、2隻が就役しています。
[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造

「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入
「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年5月31日納入/2016年6月7日就役
黒海艦隊へ編入
「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2016年11月-12月就役予定
「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/
「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工
ただし、4番艦と5番艦は、現在、工事が中断されています。
なお、記事中で触れられていますが、2016年10月15日、インドのゴアでロシアとインドによる各種兵器輸出協定が締結されました。
この中には、プロジェクト11356フリゲートの売却も含まれています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年10月15日13時12分配信
【プロジェクト11356フリゲートは「ブラーモス」ミサイルを装備できる】
ロシアはインドへ4隻のプロジェクト11356フリゲートを売却しますが、この内の2隻はロシアの造船所で建造し、あとの2隻はインドの造船所でライセンス建造するとの事です。
ロシアで「建造」される2隻が、工事が中断された「アドミラル・ブタコフ」と「アドミラル・イストミン」である可能性は高いでしょう。
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