ロシア海軍の巡航ミサイル原潜ヴォロネジは地中海東部(シリア沖)へ派遣された?
- カテゴリ:地中海情勢(2015-2016年)


『Lenta.Ru』より
2016年11月14日13時41分配信
【メディアは地中海のロシアの「空母ハンター」について伝えた】
サイト『Defense.ru』はNATO司令部組織に近い情報提供者の話を引用し、地中海のロシア戦隊の構成にプロジェクト949A原子力水中巡洋艦K-119「ヴォロネジ」が含まれていると報じた。
このタイプの水中巡洋艦は、水上艦、先ず第一に航空母艦との戦闘の為に意図されている。
「特定の場所で特定の時期に、とある潜水艦の存在の事実が確立される事は非常に稀なのですが、これまでの兆候を組み合わせると、かなりの確率で、クズネツォフと一緒の戦闘勤務の為、ヴォロネジが派遣されたという予測へ辿り着く事が出来ます」
対談者は話した。
原子力潜水艦プロジェクト949Aは、先ず第一に、航空母艦を含めた水上戦闘艦との戦闘の為に設計されている。
これらの主な兵装は重超音速ミサイルP-700を有するミサイル複合体「グラニート」である。
と同時に、近代化されたこのタイプのミサイルは、沿岸目標を撃破する為に使用する事が出来る。
この可能性は、2016年10月17日、原子力水中ロケット巡洋艦K-410「スモレンスク」がノヴァヤゼムリャの沿岸目標への射撃演習を行なったと北方艦隊広報サービスが発表した事により、公式に確認されている。
地中海におけるロシア海軍潜水艦の正確な構成は伝えられていない。
北方艦隊所属の親衛原子力水中巡洋艦「ヴォロネジ」(プロジェクト949A)は1989年12月29日に海軍へ納入され、翌日(12月30日)に海軍旗を初掲揚しました。
2009年から2011年11月まで寿命延長近代化改装が行なわれました。
[オスカーII級ミサイル原潜「ヴォロネジ」は近代化改装を終えた]
2013年10月4日には海上目標への有翼ミサイル「グラニート」発射訓練を行ないました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]
2014年6月8日、白海で遭難した小型艇を救助しました。
[ロシア海軍北方艦隊の親衛原子力水中巡洋艦ヴォロネジは白海で遭難した小型艇を救助した]
2015年9月17日、海上目標への有翼ミサイル「グラニート」発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のオスカーII級原潜は巡航ミサイルを発射した]
そして2016年11月、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母機動部隊がシリア沖へ派遣された事に伴い、「ヴォロネジ」も同海域へ派遣されたようです。
(未だ確定情報ではありませんが・・・)
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]
記事中で触れられていますが、2016年10月17日、北方艦隊の原子力水中巡洋艦「スモレンスク」は、ノヴァヤゼムリャ島の地上目標へ「グラニート」を発射しています。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦スモレンスクは長距離打撃ミサイル"グラニート"をノヴァヤゼムリャ島の地下目標へ発射した]
「ヴォロネジ」がシリア国内のテロ組織へ「グラニート」を発射する事も有るかもしれません。

なお、「ヴォロネジ」は、20年前の1996年2月~3月にも重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征に合わせて地中海へ派遣されています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第1次地中海遠征(1995年12月-1996年3月)]
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