ロシア海軍太平洋艦隊は南クリル(千島)に新型地対艦ミサイルを配備した
- カテゴリ:ロシア海軍沿岸部隊(海軍歩兵)

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年11月22日12時37分配信
【ロシアはクリル(千島)へ沿岸ミサイル複合体「バル」と「バスチオン」を配置した】
モスクワ、11月22日-ロシア通信社ノーボスチ
沿岸ミサイル複合体「バル」と「バスチオン」はクリル諸島(千島列島)へ配置された。
太平洋艦隊の公式新聞『戦闘当直』は報じた。
「2016年に連合部隊は新たな複合体を軍備採用し、バスチオンの沿岸ロケット大隊が形成され、現在、同様の第2の大隊が形成されています」
資料では、こう述べられている
報道によれば、「バル」の沿岸ロケット大隊の要員は、2015年には日本海で射撃演習の準備を始めた。
「更に、増強された沿岸ミサイル複合体バスチオンの大隊がイトゥルプ島(択捉島)で、沿岸ミサイル複合体バルの大隊がクナシル島(国後島)で、故郷を遠く離れて戦闘当直の責務に就いています。
今日において、連合部隊は、次なる沿岸ミサイル複合体バスチオンの射撃を準備しています」
同紙は説明した。
「バスチオン」は600km以上に渡って延びた沿岸を防護する為に意図されており、強力な火力及び電波電子妨害という条件下で、様々なクラス及びタイプの水上艦を撃破できる。
1つの複合体の弾薬には、36基までのミサイル「ヤーホント」を含める事が出来る。
兵装複合体「バル」は対艦ミサイルKh-35であり、120kmの距離(の目標を)撃破する。
クリル諸島(日本側呼称・千島列島)のシムシル島とイトゥルプ島には、ロシア太平洋艦隊の沿岸ミサイル(地対艦ミサイル)部隊(第520独立沿岸ロケット砲旅団)が配備されていますが、その地対艦ミサイルは旧式化した「リドゥート」(1960年代に配備)です。
[ロシア太平洋艦隊の地対艦ミサイル部隊]
そこで、これらの旧式化した地対艦ミサイルを更新する為、クリル諸島にも新型の沿岸ミサイル「バスチオン」及び「バル」の配備が計画されました。
[クリル諸島への新型地対艦ミサイル配備は2014年までに完了する]
沿岸ミサイル複合体「バスチオン」は、超音速対艦ミサイル「オーニクス」(ヤーホント)の地上発射ヴァージョンです。
これまでに黒海艦隊と北方艦隊へ配備されています。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]
沿岸ミサイル複合体(地対艦ミサイル)「バル」は、艦対艦ミサイル「ウラン」/空対艦ミサイルKh-35の地上発射ヴァージョンです。
これまでに黒海艦隊とカスピ小艦隊へ配備されています。
しかしその後、クリル諸島への「バスチオン」と「バル」の配備は棚上げされました。
[地対艦ミサイル「バスチオン」はクリル諸島へ配備されない]
2014年末には沿海地方のスモリャニノヴォに駐留する太平洋艦隊の第72沿岸ロケット旅団へ沿岸ミサイル複合体「バル」が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊は沿海地方で新型地対艦ミサイルの発射訓練を行なった]
2016年3月初頭には、第72沿岸ロケット旅団へ「バスチオン」が配備されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊へ超音速地対艦ミサイル"バスチオン"が配備された]
[ロシア海軍太平洋艦隊沿岸部隊は超音速地対艦ミサイル"バスチオン"を初めて発射した]
2016年3月、ロシア連邦国防省セルゲイ・ショイグ上級大将は、2016年末までにクリル諸島へ「バスチオン」及び「バル」が配備される事を明らかにしました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島に新たな地対艦ミサイルを配備する]
そして2016年11月、クリル諸島南部のイトゥルプ島(択捉島)に「バスチオン」が、クナシル島(国後島)に「バル」が配備されました。
クリル諸島の沿岸ミサイル部隊は、当初予定よりも2年以上遅れて新型ミサイルを受領しました。
近い内にはミサイルの発射訓練も行うようです。
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