ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦ブヤン-Mの6番艦以降は中国製ディーゼルエンジンを装備する

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『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2016年12月2日20時7分配信
【中国製ディーゼルは遅れることなく小型ロケット艦「ヴィシニィ・ヴォロチェク」へ設置される】

制裁下のMTUに代わって採用される中国製ディーゼルエンジンCHD622V20は、同様のタイプのディーゼルの「ブヤン-M」シリーズの建造中の艦へ初めて設置される。

高速船舶用ディーゼルエンジンCHD622V20プロジェクト21631艦への取り付けはスケジュールに沿って実行される。
『海軍産業』(フロートプロム)特派員は『ゼレノドリスク工場』より伝えられた。

最初の中国製ディーゼルの取り付けの為、造船所の発注を受け、クリロフ国立研究センターは艦のシャフトラインの振動のねじり振動の計算作業を行なっている。

当初のプロジェクトによれば、建造される「ブヤン-M」シリーズ艦の9隻全てにディーゼルエンジンMTU 16V4000M90が設置されることになっていた。
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しかしながら、制裁故に供給は中止され、MTUディーゼルは、2014年~2015年に納入された5隻の艦のみに設置された。

海軍総司令部は、残りのシリーズ艦へ中国で製造されたエンジンを設置する事を決定した。
この20気筒ディーゼルエンジンCHD622V20の出力は3200キロワットである。
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「河南の会社から提示されるエンジンとは、どのようなものかですって?
これは既に高速船舶用ディーゼルの市場からは消え去っているドイツの会社ドゥーツ-MWMのエンジンのライセンス品です」
中国製品
について、『ズヴェズダー』工場ディーゼルエンジンM150「プリサール」の設計主任アレクサンドル・アルヒポフはコメントした。
「基本的に、これは、1980年代末に設計されたドゥーツ TBD622と呼ばれるものです。
現在も河南では生産が続けられています。
彼等が、どのようなアップグレードを行なったのか否か、これは大きな問題です」


彼は更に、MTUHNDの間には、品質面で根本的な如何なる差異も無く、唯一異なるのは燃料消費量であると付け加えた。
アルヒポフによると、実際の消費量に関しては、中国側の方が優れている。

プロジェクト21631艦の排水量は949トン、最大速力は25ノット。
艦の兵装は、口径100mmの砲、口径14.5mmの機関銃と口径7.62mmの機関銃である。
これに加え、艦は対艦ミサイル「カリブル」発射機と砲複合体「ドゥエト」で武装する。



[新世代小型ロケット艦「ブヤン-M」]

プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦の6番艦「ヴィシニィ・ヴォロチェク」は2013年8月29日に起工され、2016年8月22日に進水しました。

ロシア海軍への引き渡しは2017年に予定されており、就役後は黒海艦隊へ配備されます。
[6隻目のブヤン-M小型ロケット艦ヴィシニィ・ヴォロチェクは2017年にロシア海軍へ引き渡される]


今回の記事で取り上げられているように、「ブヤン-M」の1~5番艦はドイツMTU社製ディーゼルエンジンを装備していましたが、ヨーロッパ連合対ロシア制裁により以後の供給が停止した為、6番艦「ヴィシニィ・ヴォロチェク」以降は、ドイツ製ディーゼルをライセンス生産した中国製ディーゼルエンジンが装備されます。

仮にロシア製ディーゼルエンジンを搭載するとなると、もともとMTU製エンジンの搭載を前提に設計されている「ブヤン-M」の機関部の設計を変更しなければならず、その分、更に建造工事が遅れる事になります。
そこで、最も手っ取り早い代替案として、中国で生産されている同系列のエンジンを載せる事になりました。


なお、同じくドイツ製ディーゼルの搭載を予定していたプロジェクト20385コルベットは、ロシア製ディーゼルを搭載しています。
[ロシア海軍の為の新世代コルベット"グレミャーシチー"へのロシア製ディーゼルエンジンの設置は完了した]
ただ、この為の機関室周辺の設計変更も有り、就役は当初予定よりも数年遅れる事になりましたが。


プロジェクト21631「ブヤン-M」小型ロケット艦は、既に9隻が起工され、この内の5隻がロシア海軍へ引き渡されています。
全てロシア内陸部A.M.ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場で建造されています。
[小型ロケット艦プロジェクト21631「ブヤン-M」]

建造番号631「グラード・スヴィヤージスク」Град Свияжск
2010年8月27日起工/2013年3月9日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号632「ウグリーチ」Углич
2011年7月22日起工/2013年4月10日進水/2014年7月27日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号633「ヴェリキー・ウスチュグ」Великий Устюг
2011年8月27日起工/2014年5月21日進水/2014年11月19日就役
カスピ小艦隊へ配備

建造番号634「ゼリョヌイ・ドル」Зелёный Дол
2012年8月29日起工/2015年4月2日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備

建造番号635「セルプホフ」Серпухов
2013年1月25日起工/2015年4月3日進水/2015年12月12日就役
黒海艦隊へ配備

建造番号636「ヴィシニィ・ヴォロチェク」Вышний Волочек
2013年8月29日起工/2016年8月22日進水/2017年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号637「オレホヴォ・ズエヴォ」Орехово-Зуево
2014年5月29日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号638「イングシェチア」Ингушетия
2014年8月29日起工/2018年就役予定
黒海艦隊へ配備予定

建造番号639「グライヴォロン」Грайворон
2015年4月10日起工/2019年就役予定
黒海艦隊へ配備予定



今後、更に3隻が追加建造されます。
[ロシア海軍の為のブヤン-M小型ロケット艦3隻(10-12番艦)の建造契約が締結された]


プロジェクト21631の主要兵装は有翼ミサイル複合体「カリブル」です。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

これまで、このようなタイプの水上艦は、対艦攻撃のみに特化していましたが、「ブヤン-M」は対地攻撃用の有翼ミサイルを搭載する事により、地上への戦力投射にも使用できるようになりました。


2015年10月7日、カスピ小艦隊「ブヤン-M」3隻(「グラード・スヴィヤージスク」、「ウグリーチ」、「ヴェリキー・ウスチュグ」)は、カスピ海からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊の4隻の艦はシリアへ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
[ロシア海軍は巡航ミサイルでシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点を攻撃した]
[ロシア連邦軍参謀本部作戦管理総局長はロシア海軍によるシリアのISIL(イラクとレバントのイスラム国)拠点攻撃について語った]

カスピ小艦隊「ブヤン-M」3隻は、11月21日にも「カリブル」による攻撃を行なっています。
[ロシア海軍カスピ小艦隊は再びシリアのISIL(シリアとレバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]

2016年8月19日には、黒海艦隊「ブヤン-M」2隻が地中海東部(シリア沖)からシリア領内のテロ組織「アル=ヌスラ戦線」の施設へ有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新鋭小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルとセルプホフはシリアのアル=ヌスラ戦線を巡航ミサイル"カリブル"で攻撃した]
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