ロシア海軍北方艦隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが配備される

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『イズベスチヤ』より
2016年12月6日0時1分配信
【Su-30はバレンツ海を閉鎖する】

国防省は新たな戦闘機を北極圏へ転進させる。
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ロシア国防省は、北極圏最新戦闘機Su-30SMの展開を始める。
北方艦隊海軍航空隊へ加わり、セヴェロモルスク-3飛行場に駐留する機体の任務は、敵の航空機、攻撃用無人機、有翼ミサイル、更には敵の戦闘艦からバレンツ海をカバーする事に有る。
現代的な「空対空」、「遠距離」ミサイルに加え、更に、ユニークな超音速対艦ミサイルKh-31で武装する。
専門家によれば、バレンツ海ロシア艦潜水艦には信頼できる航空の盾が無く、防御は手薄であった。
Su-30SMの展開は、この問題を完全に解決する。

推力ベクトル可変エンジンを有する複座多機能超機動戦闘機Su-30SMは、2012年に国防省へ軍備採用された。
現時点において、ロシア航空宇宙軍及び海軍航空隊は、契約が締結された116機の機体の内の約60機を受領している。
フマイミーン航空基地に駐留するSu-30は、積極的にシリア作戦へ参加し、前線爆撃機及び戦略爆撃機を護衛している。
総計約25トンの「30」は、10トン以上のミサイル及び爆弾を12ヶ所の懸架点へ搭載できる。

複数の軍当局及び航空業界の情報筋が『イズベスチヤ』へ話したように、最初の2機のSu-30は、近い内にセヴェロモルスク-3飛行場へ到着する。
新着の機体は、北方艦隊海軍航空隊第279独立艦上戦闘機航空連隊第3飛行中隊へ加入する。
更に多くの最新戦闘機が受け入れられ、独立航空連隊の形成が計画されている。

北方艦隊の艦船を敵の航空機、無人機、有翼ミサイルの攻撃から保護する事に加え、最新戦闘機は、敵の艦船、電波位置特定ステーション(レーダー)、高射システム、他の敵地上施設へ打撃を与えられる。
これらの任務を遂行する為、「海の」Su-30は、習熟を完了した後、機上の兵器庫へ超音速ミサイルKh-31(NATO分類「クリプトン」)が補充される。
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総重量700kg以上のKh-31は、時速2500kmの速度へ達し、距離200kmの目標を攻撃できる。
現在、国防省の軍備であるミサイルには、2つのヴァージョンが有る。
対艦用Kh-31には、敵の探知を助ける小型レーダー自動誘導頭部に設置されている。
1基のミサイルさえ到達すれば、「タイコンデロガ」型巡洋艦~今、アメリカ合衆国海軍の軍備として在るロケット艦~の沈没は確実に実現する。

対電波位置特定器(レーダー)ヴァーションKh-31は、自動誘導弾頭、敵の放射熱を検出する電波位置特定ステーション(レーダー)を装備する。
ミサイルの100kg弾頭の爆発は、電波位置特定器だけではなく、ステーション全体、更には、すぐ近くの機材も破壊する。

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「ムルマンスク州のキルピヤヴルに駐留していた第9親衛戦闘機連隊が2008年に解散した後、北方艦隊の軍事基地、艦船、潜水艦はロシア航空宇宙軍の対空防衛網の一部にのみカバーされておりました」
軍事史家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
「ですが、これでは不十分です。
近隣の戦闘機飛行中隊の迎撃機MiG-31は、モンチェゴルスクに在る北方艦隊司令部と主要基地セヴェロモルスクをカバーします。
演習で示されたように、バレンツ海のパトロールに艦上戦闘機Su-33を使用する事は非効率的です。
そして、ロシア航空宇宙軍のMiG-31は、それよりも重要な任務を有しております。
それに加えて、北方艦隊の高緯度におけるロシアとNATO(北大西洋条約機構)の間の対立の増大という条件において、バレンツ海の攻撃航空隊は、明らかに十分ではありませんしね」




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ロシア海軍航空隊の為の多用途複座戦闘機Su-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]

2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]

2015年2月には初めて黒海艦隊の演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊のSu-30SMは艦隊防空演習に参加した]

2015年9月には初めて地上攻撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の戦闘機Su-30SMは初の地上攻撃演習を行なった]

2015年10月には抜き打ち演習へ参加しています。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は抜き打ち演習を行なった]

黒海艦隊航空隊(第43独立海洋襲撃機航空連隊)は、2015年末までに合計8機のSu-30SMを受領しました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊は戦闘機Su-30SMへの更新を続ける]

クリミア半島海軍航空隊(黒海艦隊所属)には、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分となる12機程度の戦闘機Su-30SMが2016年までに配備されます。
[クリミアのロシア海軍航空隊は1個飛行隊(12機)の戦闘機Su-30SMを受領する]

黒海艦隊航空隊Su-30SMは、現用の前線爆撃機Su-24を代替します。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊の前線爆撃機Su-24は2020年までに多用途戦闘機Su-30SMで代替される]

2016年11月28日までに数機のSu-30SMが引き渡されました。
(おそらくは黒海艦隊第43独立海洋襲撃機航空連隊へ)
この内の1機は「イルクーツク」と命名されました。
[ロシア海軍航空隊へ多用途複座戦闘機Su-30SMが引き渡された]


これまでに黒海艦隊にしか配備されていないSu-30SMですが、次の配備先は、近年ロシアが戦略的に重要視している北極圏を担当する北方艦隊になるようです。

配備先は、セヴェロモルスク-3飛行場に駐留する「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」との事です。
ロシア海軍で唯一の艦上戦闘機Su-33部隊である同連隊は2個飛行中隊で構成されていますが、新たに第3飛行中隊が設立されてSu-30SMが配備されます。
[艦上戦闘機Su-33]
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北方艦隊には、もう1つの戦闘機部隊~第100独立艦上戦闘機航空連隊が所属していますが、こちらの装備機は艦上戦闘機MiG-29K/KUBですから、スホーイの同系列機を有する第279連隊へ暫定的に配備されることになったようです。
[艦上戦闘機MiG-29K/KUB]

保有機数が増えれば、将来的にはSu-30SMで構成される独立戦闘機航空連隊が設立されるようです。
航空連隊となるのであれば、少なくとも20~24機程度のSu-30SM北方艦隊へ配備される事になるでしょう。

上記のように、北方艦隊には2個の戦闘機航空連隊が有るには有るのですが、双方とも艦上機部隊であり、いつもムルマンスク周辺に居るとは限りません。
個々の戦闘機の能力に言及すれば、Su-33は航続距離は比較的長いのですが、基本的には対空戦闘専門であり、対艦攻撃能力は有りません。
MiG-29K/KUBは対艦攻撃能力を有しており、今回の記事中で触れられているKh-31も搭載・運用出来ますがSu-33に比べて航続距離は短く、ムルマンスク周辺コラ半島全体をカバーするには、いささか心許ないでしょう。
ロシア航空宇宙軍の戦闘機部隊も近くに居ますが、海軍基地や艦船などの防衛だけに専念させる事は出来ません。


そこで、ロシア航空宇宙軍及びロシア海軍航空隊向けに大量生産中の多用途戦闘機Su-30SM北方艦隊へ配備される事になったようです。
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