シリアのタルトゥース港のロシア海軍基地は拡張される
- カテゴリ:地中海情勢(2015-2016年)

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2016年12月23日13時29分配信
【プーチンはタルトゥースのロシア連邦海軍基地の拡張とロシア連邦艦のシリア領海への進入に関する協定への署名を命じた】
モスクワ、12月23日、インタファクス
ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、タルトゥース港エリアのロシア連邦海軍物資-技術供給所の領域の拡大と、シリアの領海、内部水域、港へのロシア連邦戦闘艦の寄港に関するロシア連邦とシリアの間の協定への署名に関する法令へ署名した。
クレムリンのサイトは発表した。
協定により規定される問題には、タルトゥース港エリアのロシア海軍物資-技術供給所の領域の拡大、インフラストラクチュアの開発と近代化、更にはロシア戦闘艦が立ち寄るシリア・アラブ共和国の領海、内部水域、港に関する取り決めが指定されている事は注目される。
また、協定では、ロシア海軍物資-技術供給所の要員、その家族の状態、更にはロシア側機関の管轄権についても定められる。
『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2016年12月23日13時58分配信
【議会はタルトゥースのロシア海軍基地に関する協定の審議は最優先事項であると考えている】
モスクワ、12月23日、インタファクス通信-AVN
シリアのタルトゥースのロシア海軍基地に関する協定は、議会へ提出されるや否や、その批准の問題は最優先事項として考慮される。
連邦院(上院)国際委員会のトップ、コンスタンチン・コサチェフは表明した。
「それは、専ら署名および国家院(下院)へ提出される日に依りますね。
私は、協定の重要性と、その速やかなる発効の必要性を国家院と連邦院が考慮し、この文書を最優先事項として審議する事を確信しております」
コサチェフは金曜日に『インタファクス』へ、協定が批准される時期が何時になるかという質問に答え、こう語った。
以前の金曜日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、タルトゥース港エリアのロシア連邦海軍物資-技術供給所の領域の拡大と、シリアの領海、内部水域、港へのロシア連邦戦闘艦の寄港に関するロシア連邦とシリアの間の協定への署名に関する法令へ署名したと報じられた。
法令は、クレムリンのサイトに掲載されている。
協定により規定される問題には、タルトゥース港エリアのロシア海軍物資-技術供給所の領域の拡大、インフラストラクチュアの開発と近代化、更にはロシア戦闘艦が立ち寄るシリア・アラブ共和国の領海、内部水域、港に関する取り決めが指定されている事は注目される。
また、協定では、ロシア海軍物資-技術供給所の要員、その家族の状態、更にはロシア側機関の管轄権についても定められる。


現在、シリアのタルトゥースには、ロシア海軍の第720物資-技術供給所が置かれています。
元々は、ソ連邦海軍時代の1971年に設立されたものです。
これは、地中海東部で行動するロシア海軍の艦船へ各種物資を供給し、更には、技術の供給~艦船の整備や簡単な修理を行なう為のものです。
「技術の供給」の為、タルトゥースには黒海艦隊の工作船1隻が交代で常駐しています。
最近は、工作船PM-56とPM-138が交代で派遣されています。


ロシア海軍は2013年初頭から地中海東部へ艦船を常時展開させており、同年6月1日には、地中海のロシア海軍艦船を統一指揮する為、「地中海作戦連合部隊」が創設されました。
[ロシア海軍地中海作戦部隊は6月1日から任務を遂行している]
2015年10月には、タルトゥース港内の浚渫作業が行なわれました。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥース港の浚渫作業を行なった]
2016年10月、ロシア国防省は、タルトゥースへ恒常的な海軍基地を作成する意向を示しました。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥースへ恒常的な基地を作る]
そして12月23日、ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは、タルトゥースの海軍基地の拡張に関するシリアとロシアの協定に関する法令へ署名しました。
協定は、ロシア連邦議会~国家院(下院)と連邦院(上院)での審議を経て承認・批准され、発効します。
現在、シリア沖には、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を中核とする空母機動部隊が派遣されています。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]


しかし、タルトゥースには、「アドミラル・クズネツォフ」も「ピョートル・ヴェリキー」も入港できません。
この2隻がタルトゥースへ「寄港」しても、実際には沖合に停泊するだけです。
タルトゥースの海軍基地の拡張が決定されたのは、こういう事情も有るようです。
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