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ロシア海軍太平洋艦隊は2017年6月~9月にクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を行なう

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年3時47分配信
【マトゥア島の第2次探検計画の作成は完了した】
ウラジオストク、1月7日-ロシア通信社ノーボスチ

2017年6月~9月に実施されるクリル列島マトゥア島の第2次探検計画の詳細の作成は完了した。
土曜日、東方軍管区下の太平洋艦隊広報サービス・情報供給部長ウラジーミル・マトヴェーエフ2等海佐は報道陣へ伝えた。

「太平洋艦隊司令部では、2017年6月から9月に実施されるマトゥア島の科学研究探検の準備が続いております。
現在、クリル諸島調査計画の詳細の作成は完了しており、調査作業の為の要員と必要な機材が定められました」
マトヴェーエフ
は話した。

彼によると、太平洋艦隊副司令官アンドレイ・リャブヒン中将の指揮下の200名から成るロシア連邦国防省、ロシア地理学協会、太平洋艦隊の探検隊は、2016年にマトゥア島で大規模な調査を実施した。
島にはキャンプが設置され、野外浴場、医療所、ベーカリー、食堂、衛生疫学研究室が稼働していた。

「専門家は1000以上の物理-化学、生物学のデータを研究室で調査しました。
更に、200以上の外部環境の測定を行ないました。
放射線と化学的探査が120km以上のルートに渡り実施され、島の全ての要塞と100以上の歴史的施設が調査されました。
潜水士は、島の入り江と湾の水中調査を実施しました」
太平洋艦隊
の代理人は説明した。

2016年9月、太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴャキャンツ大将は、マトゥア島の学術探検は1813年以来行なわれており、長期の中断の後、2016年4月~9月に初めてロシア地理学協会の学者と軍人は島を調査したと述べた。

日本マトゥア島の調査を1930年代に開始し、軍事的な意義のみが付与された。
「島は、更なる拡張とカムチャツカ半島奪取の為の前進基地として役立ちました。
ユニークな地下構造システム、接続された単一トンネルシステムが作成されました。
地下建造物~これは、深い研究を必要とする別のテーマです」
アヴャキャンツ
は指摘した。

彼によると、地下建造物は2種類に分けられる:要塞と、意図不明の建造物~長さ150mの長方形、正方形、円形。
彼は更に、探検中に、皇室の為の特徴的なシンボル~星(註:菊の御紋章)が刻まれた食器が発見されたと述べた。
それは、島を日本の軍事及び政治の最高指導者が戦争中に訪れ、駐屯地への関心が増加したという事である。

「日本の全ての島の駐屯地では、兵士は最後まで激しく戦いましたが、最後に降伏したマトゥア島は、戦うことなく降伏しました。
駐屯部隊は7500名から成り、日本軍としての特徴は無く、何の抵抗も見せませんでした。
我々は、駐屯部隊が、その主要任務を果たしていたという結論に達しました~全ての痕跡と全ての事実を整理すれば、この島での活動の本質を明らかにする事が出来るでしょう」

提督は強調した。

彼は、おそらくはマトゥア地下トンネルと繋がっていると推察されるトポルコフ島の更なる調査が必要である事を指摘した。
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「ロシア地理学協会総裁(ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ)の許可と指示により、2017年に我々は、幅広い専門家の参加~科学アカデミー、ロシア地理学協会、モスクワ国立大学~を得て第2の探検を行ないます。
この島の動物相、植物相火山活動、給水システム、水中を含めた地下建造物の更なる調査が必要です、
そしてまた、考古学的調査の実施も必要となるでしょう」
太平洋艦隊
司令官は締め括った。



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現在、クリル諸島(日本側呼称・千島列島)には、ロシア海軍沿岸ミサイル部隊は駐留していますが、ロシア海軍「軍港」は存在せず、艦船も駐留していません。

2016年3月下旬、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグ上級大将は、クリル諸島ロシア海軍「軍港」が造られる可能性に初めて言及し、クリル諸島へ太平洋艦隊の調査部隊を派遣すると述べました。
[クリル諸島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設されるかもしれない]


2016年5月7日、大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」サルベージ船KIL-168など6隻で構成され、太平洋艦隊副司令官アレクサンドル・リャブヒン中将が指揮する調査部隊ウラジオストクを出航し、5月14日にクリル諸島中部のマトゥア島へ到着しました。

以後、マトゥア島太平洋艦隊の基地を建設する可能性についての調査が行なわれました。
[クリル諸島のマトゥア島にロシア海軍太平洋艦隊の基地が建設される?]

マトゥア島には太平洋戦争中に旧日本海軍が建設した飛行場跡(3本の滑走路)が残されており、その復旧の可能性についても調査が進められました。
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[クリル諸島のマトゥア島でロシア海軍太平洋艦隊の基地建設の為の調査が進められている]


2016年5月末からはヘリコプター発着の為のマトゥア島飛行場の復旧作業が始まりました。
この他、大型揚陸艦が海岸へ貨物を荷揚する為の海岸の整備も行われました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍飛行場を再建する]

これと並行して旧日本軍の地下施設(掩体壕など)の本格的な調査(重機による掘削)も行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設を調査する]
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の旧日本軍地下施設の調査を続ける]

2016年6月下旬には、ドヴォイナヤ湾旧日本海軍零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見されました。
[クリル諸島(千島列島)のマトゥア島(松輪島)で旧日本海軍の零式艦上戦闘機(ゼロ戦)が発見された]

2016年6月末までにマトゥア島の調査は全て完了し、調査隊は一旦撤収しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊はクリル諸島(千島列島)マトゥア島(松輪島)の調査を全て完了した]


そして2017年も、6月~9月に掛けてマトゥア島の第2次調査が実施される事になります。
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