ロシアの空母は軍事基地を代替できる
- カテゴリ:ロシア新世代航空母艦

『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア連邦海軍の航空母艦は軍事基地を代替できると国防省は表明した】
モスクワ、7月14日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア連邦海軍航空隊司令官代行でロシア連邦英雄のイーゴリ・コジン少将は、ロシア海軍の航空艦は、(基地の)リースが不安定な状況下において、ロシア軍事基地を代替できると考えている。
このテーマは、最近、タジキスタン、キルギス、更には、アゼルバイジャンのガバラの電波位置特定ステーションといったロシア軍事基地のリース期間の延長困難を生じた事に関連し、特に緊急性を要する。
「浮上飛行基地は、固定基地に比べ、より多くの利点があります。
それはアフリカや、アメリカや、その他の何れの場所にも到達できます。
現在のような不安定な状況下、例え今日は基地が存在していても、明日には基地が無くなってしまう場合においては」
コジン氏は、土曜日にラジオ局『エコー・モスクワ』で、こう述べた。
将軍によると、最新の軍事力の主要な攻撃力は、今日では「空中攻撃組織」である。
「アメリカ人は2050年までの空母航空隊の発展を予測しており、2030年には、如何なる場合でも10~11隻の原子力空母により、制約を受けずに任務を遂行するでしょう」
コジン氏は述べた。
彼は、ロシア軍改革の一環として、ロシア連邦海軍海洋航空隊のミサイル搭載航空機が、ロシア連邦空軍の遠距離航空隊の指揮下に移管されたと付け加えた。
(2012年7月14日13時01分配信)
記事中で触れられていますが、ロシア連邦軍は、タジキスタン、キルギス、アゼルバイジャンで基地(航空基地やレーダー基地など)をリースしています。
しかし最近、これらの何れでも、相手国のリース料金値上げ要求問題に直面しています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2012年7月12日11時21分配信
【タジキスタンは、軍事基地問題で利己的な見積もりを主張する】

2012年7月11日07時45分配信
【キルギスはロシア連邦の基地使用料金を2014年から値上げする計画である】

2012年5月24日10時24分配信
【ロシア連邦国防省は、アゼルバイジャンのガバラ電波位置特定ステーションに関する態度に失望する】

この為、ロシア海軍航空隊のイーゴリ・コジン少将は、いつ何時使えなくなるのか分からない外国のリース基地よりも、自国海軍の空母(浮上航空基地)の方が利点があると述べているわけです。
将来はともかく、現在、ロシア海軍の「航空母艦」は、「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフ」しか存在しません。

コジン少将は「だからロシアは新たな空母を持つべきだ」と言いたいのでしょう。
『中央海軍ポータル(フロートコム)』より。
【イーゴリ・セルゲイヴィチ・コジン】

1960年12月27日にレニングラードで生まれ、1982年にエイスク高等軍事飛行学校を卒業し、1992年に海軍大学校を卒業しました。
1990年代には重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の艦上戦闘機Su-33のパイロットとして勤務しました。
1997年から2002年まで第279艦上戦闘機航空連隊司令を務めました。
1999年には「ロシア連邦英雄」勲章を授与され、2006年に少将に昇進しました。
ちなみに、コジン氏は1990年代に高度な曲芸飛行術である「プガチョフ・コブラ」を会得しています。

右側に飾られている写真の人物は、チムール・アパキージェ少将(2001年殉職)です。
[ロシア空母航空隊司令チムール・アパキージェ少将]
なお、記事末尾の「ロシア海軍航空隊のロケット搭載機がロシア空軍に移管された」というのは、具体的には、ロシア海軍航空隊所属のTu-22M3(バックファイア)がロシア空軍へ移管された事を指しています。
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