ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフはバルト海で艦対空ミサイルの発射試験を行なった

『タス通信』より
2017年1月16日18時38分配信
【フリゲート「アドミラル・マカロフ」はバルト海で射撃を実施した】
カリーニングラード、1月16日/タス通信特派員ウラジーミル・ヌヤクシェフ
第3のプロジェクト11356フリゲート「アドミラル・マカロフ」は、国家受領試験の枠組みにおいてバルト海での射撃を実施した。
『タス通信』はバルト艦隊の公式代理人ローマン・マルトフより伝えられた。
「バルト艦隊の海洋射爆場で、フリゲート"アドミラル・マカロフ"は、仮想敵の有翼ミサイルへの高射ミサイル複合体シチーリの試験射撃を実行しました」
マルトフは話した。
彼は、この段階の試験には同艦隊の約10隻の艦と支援船が参加した事を指摘した。
沿バルト造船工場『ヤンターリ』広報秘書官セルゲイ・ミハイロフは、射撃は2016年末の実施が計画されていたが、「バルト海の芳しくない水文気象条件」が故に延期されたと『タス通信』へ話した。
[艦について]
フリゲート「アドミラル・マカロフ」は『ヤンターリ』工場で2012年2月29日に起工され、2015年9月2日に進水した。
艦載兵装の点検に関する国家受領試験の北方ステージは、バレンツ海で実施された。
ロシア海軍への引き渡しは2016年末までに実行されなければならなかった。
「アドミラル・マカロフ」は、『ヤンターリ』で建造されたプロジェクト11356の3番艦である。
このシリーズの最初の2隻の艦~フリゲートのトップ「アドミラル・グリゴロヴィチ」と「アドミラル・エッセン」は、それぞれ2016年3月11日と6月7日に海軍へ引き渡された。
同プロジェクト艦は、単独で、そして連合部隊の一員として、水上艦や潜水艦へ対抗し、空中攻撃手段からの攻撃の撃退の為に意図されている。
排水量は約4000トン、全長125メートル、速力30ノットである。
それは、有翼ミサイル「カリブル-NK」、自衛ミサイル複合体「シチーリ-1」、口径100mmのA-190砲、高射砲、反応爆弾発射機、魚雷で武装しており、更には艦上ヘリコプターKa-27を搭載できる。
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]

プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦「アドミラル・マカロフ」は、2012年2月29日にカリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で起工されました。
[改タルワー級フリゲート「アドミラル・マカロフ」起工]
それから3年半後の2015年9月2日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは進水した]
2016年4月1日、造船所の岸壁で係留試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の新型警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフの係留試験が始まった]
2016年7月9日に『ヤンターリ』造船所からバルチースク海軍基地へ移動しました。

7月29日、工場航行試験が開始されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの航行試験が始まった]
工場航行試験は9月下旬までに終了し、10月7日からは最終試験となる国家受領試験が始まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフの国家受領試験が始まった]
10月16日、「アドミラル・マカロフ」は、有翼ミサイル「カリブル」などの兵装試験を実施する為、バレンツ海方面の移動を開始しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にバレンツ海へ向かった]
10月24日に北方艦隊基地セヴェロモルスクへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のプロジェクト11356R警備艦3番艦アドミラル・マカロフは兵装試験の為にセヴェロモルスクへ到着した]
11月初頭にはバレンツ海で沿岸目標への有翼ミサイル「カリブル」発射試験を実施しました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
その後も各種兵装の射撃試験が実施されました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのバレンツ海における兵装試験は完了した]
バレンツ海での試験を終えた「アドミラル・マカロフ」は、11月25日にバルチースクへ戻りました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフは北方での兵装試験を終えてバルチースクへ戻った]
12月8日からバルト海で最終洋上試験が始まりました。
[ロシア海軍の最新警備艦アドミラル・マカロフはバルト海で最終洋上試験を行なう]
この試験が終わった後、2016年12月末にロシア海軍へ引き渡される筈だったのですが、年末までに試験は終了せず、2017年1月以降も試験は続けられる事になりました。
[第3のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフのロシア海軍への引き渡しは延期された]
そして1月16日までにバルト海で高射ミサイル複合体「シチーリ-1」の発射試験が実施されました。
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲートの為の対空ミサイルは2014年から受領される]
[ロシア海軍のプロジェクト11356Rフリゲート2番艦アドミラル・エッセンへ艦対空ミサイル発射機が設置された]
現在の所、「アドミラル・マカロフ」は、2017年3月末頃までにロシア海軍への引き渡しが見込まれています。
[第3のプロジェクト11356R警備艦(フリゲート)アドミラル・マカロフは2017年春にロシア海軍へ引き渡される]
プロジェクト11356R警備艦は、現在までに5隻が起工され、2隻が就役しています。
[プロジェクト11356R警備艦]
沿バルト造船工場「ヤンターリ」(カリーニングラード)で建造

「アドミラル・グリゴロヴィチ」Адмирал Григорович:工場番号01357
2010年12月18日起工/2014年3月14日進水/2016年3月10日納入/2016年3月11日就役
黒海艦隊へ編入
「アドミラル・エッセン」Адмирал Эссен:工場番号01358
2011年7月8日起工/2014年11月7日進水/2016年5月31日納入/2016年6月7日就役
黒海艦隊へ編入
「アドミラル・マカロフ」Адмирал Макаров:工場番号01359
2012年2月29日起工/2015年9月2日進水/2017年春就役予定
「アドミラル・ブタコフ」Адмирал Бутаков:工場番号01360
2013年7月12日起工/
「アドミラル・イストミン」Адмирал Истомин:工場番号01361
2013年11月15日起工
ただし、4番艦と5番艦は、現在、工事が中断されています。
2016年10月15日、インドのゴアでロシアとインドによる各種兵器輸出協定が締結されました。
この中には、プロジェクト11356フリゲートの売却も含まれています。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2016年10月15日13時12分配信
【プロジェクト11356フリゲートは「ブラーモス」ミサイルを装備できる】
ロシアはインドへ4隻のプロジェクト11356フリゲートを売却しますが、この内の2隻はロシアの造船所で建造し、あとの2隻はインドの造船所でライセンス建造するとの事です。
ロシアで「建造」される2隻が、工事が中断された「アドミラル・ブタコフ」と「アドミラル・イストミン」である可能性は高いでしょう。
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