ロシア海軍のプロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ型)5隻は2022年までに近代化改装される

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年1月19日2時18分配信
【北方艦隊と太平洋艦隊の5隻の艦は2022年までに修理を行なう】
モスクワ、1月19日-ロシア通信社ノーボスチ
北方艦隊と太平洋艦隊の5隻のプロジェクト1155大型対潜艦は2022年までに修理と近代化を実施する。
ロシア連邦国防省下の(ロシア)海軍情報・マスコミュニケーション部代表イーゴリ・ディガロ1等海佐は発表した。
「海軍総司令部の技術的課題に沿って、艦は、居住保障システム及び電波技術兵装(レーダー類)を更新する為の大量の作業を行ないます」
ディガロは話した。
彼によると、プロジェクト1155大型対潜艦はロシア連邦海軍の対潜戦力の基礎であり、単独で、そして様々なグループ・捜索打撃艦グループの一員として、遠海ゾーン及び大洋ゾーンで行動する事が出来る。
ディガロによると、現在、遠海ゾーンでプロジェクト1155大型対潜艦の「セヴェロモルスク」(北方艦隊)と「アドミラル・トリブツ」(太平洋艦隊)が任務を遂行している。
「修理及び近代化の作業の実施スケジュールと進捗状況は、常にロシア海軍総司令官ウラジーミル・コロリョーフ大将の監督下に在ります」
ディガロは締め括った。

プロジェクト1155「フレガート」大型対潜艦は、1980年から1991年に掛けて12隻がソ連海軍へ就役し、ソ連邦解体後の1999年に改良型のプロジェクト11551が1隻就役しました。
【大型対潜艦ウダロイ型(旧ブログ)】
【ウダロイ級全艦リスト】
現在は、太平洋艦隊と北方艦隊に4隻ずつ在籍しています。
[太平洋艦隊]
「アドミラル・トリブツ」(564):1986年2月15日就役
「マルシャル・シャーポシニコフ」(543):1986年2月15日就役
「アドミラル・ヴィノグラードフ」(572):1989年5月1日就役
「アドミラル・パンテレーエフ」(548):1992年5月1日就役
[北方艦隊]
「ヴィツェ-アドミラル・クラコーフ」(626):1982年2月9日就役
「セヴェロモルスク」(619):1987年12月30日就役
「アドミラル・レフチェンコ」(605):1989年5月1日就役
「アドミラル・チャバネンコ」(650、プロジェクト11551):1999年1月28日就役
北方艦隊の大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」は2015年から長期修理中です。
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコはオーバーホールの第1段階を終えた]

太平洋艦隊の「アドミラル・トリブツ」は、2016年7月までに近代化改装を終えました。
[近代化改装を終えた大型対潜艦アドミラル・トリブツは2016年7月にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する]

2016年4月から太平洋艦隊の「マルシャル・シャーポシニコフ」の近代化改装が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦マルシャル・シャーポシニコフは近代化改装によりウラン対艦ミサイルを装備する]

今回のロシア海軍広報部発表によると、2022年までに5隻のプロジェクト1155大型対潜艦が近代化改装されるとの事です。
おそらくは、近代化改装を終えた「アドミラル・トリブツ」の他に、「マルシャル・シャーポシニコフ」と「アドミラル・チャバネンコ」を含む5隻が近代化改装されるという事でしょう。
プロジェクト1155/11551大型対潜艦の近代化の話は、2013年3月に初めて出てきました。
[ロシア海軍はウダロイ級を近代化する]
2015年7月、当時のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将は、近代化されるプロジェクト1155/11551大型対潜艦が新たな有翼ミサイル「カリブル」と「オーニクス」を搭載すると発言しました。
[ロシア海軍のプロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ級)は近代化改装により新型有翼ミサイルを搭載する]
しかし、2016年6月、ロシア造船業界の総元締である『統合造船業営団』の副総裁イーゴリ・ポノマリョフ氏は、プロジェクト1155/11551大型対潜艦への「カリブル」と「オーニクス」の装備を事実上否定しました。
[ロシア海軍のプロジェクト1155大型対潜艦(ウダロイ級)は近代化改装でカリブルとオーニクスを装備しない]
2016年7月までに近代化改装を終えた「アドミラル・トリブツ」の場合、近代化の内容は以下の通りです。
・100mm砲射撃管制システムMR-145「レフ-218-100」を汎用射撃管制システムMR-123「バギラ-M」へ換装
・航海用レーダーMR-212/201-1「バイガチ-U」をMR-231-3へ換装
・航海用レーダーMR-212/201「ナリャーダ-5」をMR-231へ換装
・戦闘情報管理システムMVU-211「レソルブ-1155」を「シグマ」へ換装
・ディーゼル発電機を200kw×1基から300kw×2基へ換装
2016年4月から近代化改装を開始した「マルシャル・シャーポシニコフ」は、新たに対艦ミサイル「ウラン」を装備します。
記事中で触れられていますが、北方艦隊の「セヴェロモルスク」は、シリア沖へ遠征した重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」へ随伴しており、現在は帰路に就いています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海西部に居る]
太平洋艦隊の「アドミラル・トリブツ」は、インド海軍との合同演習を終えて帰路に就いていますが、1月20日から23日まで日本の舞鶴を訪問します。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊は韓国の釜山を去り、日本の舞鶴へ向かった]
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