重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフを中核とするロシア海軍航空打撃艦グループはジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出た

『インタファクス』より
2017年1月20日14時35分配信
【ロシア海軍空母打撃グループは大西洋へ出た】
モスクワ、1月20日、インタファクス-ロシア
地中海への航海からセヴェロモルスク基地へ戻る北方艦隊の航空打撃艦グループは、金曜日の昼にジブラルタル海峡を通過した。
ブリテンのメディアは報じた。
彼らによると、先頭グループの重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」は、モスクワ時間13時00分にジブラルタル~リベリア半島南沿岸のブリテン領有地を通過した。
これらにグループの残りの艦船が続いた。
同時に、NATO(北大西洋条約機構)は、加盟国の艦船と航空機がロシア航空打撃艦グループの移動を注意深く監視していると発表した。
「空母グループに関しまして、我々は、それが、どのような行動をとるのかを研究しております」
コマンドのトップ、クライヴ・ジョンストン中将は指摘した。
彼によると、NATO海軍コマンドは、ロシア航空打撃艦グループの行動に関する情報の収集と、同盟参加国の海軍が要求する規模での提供を続けている。
現時点では、スペイン海軍の哨戒艦「カサドーラ」がロシア艦船を追跡している。
艦船グループの居る海域は、アメリカ合衆国およびスペインの対潜哨戒機が偵察飛行を行なっている。
その後、大西洋でロシア空母グループと出会い、随伴する為、ブリテン、ノルウェイ、他のNATO諸国の艦が準備を行なっている。
このミッションの為、特にブリテン司令部は、1隻の駆逐艦と1隻のフリゲートの派遣を準備している。
空母グループは、シリアのロシア連邦軍グループの削減の枠組みにおいて地中海を去る。
これは、昨年12月30日以降にシリアでの停戦発効に関連している。
『インタファクス』より
2017年1月21日0時26分配信
【ポルトガル海軍は大西洋でロシア連邦空母グループの追跡を開始した】
モスクワ、1月21日、インタファクス-ロシア
同時に3隻のポルトガル海軍の艦が、金曜日に地中海を出て大西洋を移動する北方艦隊の航空打撃艦グループの追跡を開始したとブリテンのメディアは報じた。
そのデータによると、地中海航海完了後にセヴェロモルスク基地へ向かっているロシア空母グループがジブラルタル海峡を通過した後、大西洋でポルトガルの哨戒艦「フィゲイラ-ダ-フォス」と、更に哨戒艇「オリオン」と「カシオペア」が待ち受けている。
以前、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」に率いられ、その構成に航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」が含まれるグループが地中海西部海域に居た時には、スペイン海軍の哨戒艦「カサドーラ」が監視していた。
艦船グループの居る海域は、アメリカ合衆国およびスペインの対潜哨戒機が偵察飛行を行なっていた。
伝えられているように、モスクワ時間で金曜日の午後、北方艦隊の航空打撃艦グループはジブラルタル海峡を通過し、大西洋へ入った。
一方、NATO海軍コマンドは、ロシア艦グループの追跡は、同盟参加国の沿岸全てに沿って行なわれていると発表した。
その後、大西洋でロシア空母グループと出会い、随伴する為、ブリテン、ノルウェイ、他のNATO諸国の艦が準備を行なっている。
このミッションの為、特にブリテン司令部は、1隻の駆逐艦と1隻のフリゲートの派遣を準備している。
「ロシア海軍は、戦闘能力を有する艦隊です」
コマンドのトップ、クライヴ・ジョンストン中将は指摘した。
「それが、我々の計画に艦の追尾が入っている理由です」
「(空母)"クズネツォフ"グループに関しまして、我々は、それが、どのような行動をとる事が出来るのかを研究しております」
彼によると、NATO海軍コマンドは、ロシア航空打撃艦グループの行動に関する情報の収集と、同盟参加国の海軍が要求する規模での提供を続けている。
ロシア参謀本部総長ヴァレリー・ゲラシモフは、以前に空母グループは、シリアのロシア連邦軍グループの削減の枠組みにおいて地中海を去ると語った。
これは、昨年12月30日以降にシリアでの停戦発効に関連している。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-)]
ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2016年10月15日にセヴェロモルスクを出航し、地中海東部(シリア沖)へ向かいました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは地中海遠征へ出発した]
10月17日にはノルウェーのトロンヘイム沖を航行していました。

「ロシア海軍空母機動部隊」は、10月19日午前にノルウェー沖の公海上で艦載機の飛行訓練を開始しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機はノルウェー沖で飛行訓練を始めた]
「ロシア海軍空母機動部隊」はブリテン本土付近へ接近する為、ブリテン海軍は、同部隊を監視する為の艦を派遣しました。
[ブリテン海軍は英本土付近を通過するロシア海軍空母機動部隊を監視する為の軍艦を差し向ける]
[ロシア海軍のアドミラル・クズネツォフ機動部隊は英本土へ接近する]
[ブリテン海軍はロシア海軍空母機動部隊を監視する為に駆逐艦2隻とフリゲート1隻を派遣する]
10月21日、「ロシア海軍空母機動部隊」はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過した]
10月24日にはポルトガル沖を航行していました。
10月25日にジブラルタル海峡を通過しました。
その後、ロシア航空艦グループは北アフリカのスペイン領セウタへの寄港を予定していたようですが、スペイン側は、土壇場になって寄港許可を出し渋り、これに業を煮やしたロシアは、セウタへの寄港を諦めました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフ部隊はスペイン領セウタへの寄港を取りやめた]
更には、地中海中部のマルタも、自国港内でのロシア艦船への燃料補給を認めない事を表明しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは遠洋航海中に外国港を訪れる必要は無い]
ロシア海軍空母部隊は、10月27日から29日に掛けてアルジェリア沖で支援船(給油船「セルゲイ・オシポフ」、「ドゥブナ」、「カーマ」)から洋上補給を行ないました。

[ロシア国防相セルゲイ・ショイグはロシア海軍空母部隊の地中海遠征について語った]
11月3日にはアルジェリア東海岸沖で演習を行ないました。

[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはアルジェリア沖に居る]
その後、ロシア海軍空母部隊は地中海を東へ進みました。
11月3日にセヴァストーポリを出航し、11月4日にボスポラス海峡を通過した黒海艦隊の警備艦(フリゲート)「アドミラル・グリゴロヴィチ」もロシア海軍空母機動部隊へ加わりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]
ロシア海軍空母機動部隊は、11月9日にはロードス島の南東海域で訓練飛行を実施しました。
11月10日~15日、11月17日~22日の期間には、キプロス島とシリアの間の海域で訓練飛行とミサイル発射を実施します。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊はシリアのアレッポ空爆を準備する]
11月9日、ロシア海軍空母機動部隊の大型対潜艦「セヴェロモルスク」と「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、接近するネーデルラント海軍の潜水艦(ワルラス級)を発見しました。
[地中海東部のロシア海軍空母部隊の大型対潜艦は接近するオランダの潜水艦を発見した]
11月10日にはキプロス島南東海域へ進出し、シリア上空へ作戦の事前調査の為に艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29KR/KUBRを飛ばしています。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は作戦行動の事前調査の為にシリア上空を飛行する]

ロシア海軍空母機動部隊は11月12日までにシリア沖へ到着し、艦載機の飛行訓練を始めました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーを中核とするロシア海軍空母機動部隊はシリア沖へ到着した]
11月13日には艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]
11月15日、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(艦上戦闘機Su-33)は、初めてシリアへの空爆作戦へ参加しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
同じ11月15日には、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」もシリアへ有翼ミサイルを発射しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]
「スモレンスク赤旗授与・ソ連邦英雄2度受賞ボリス・サフォーノフ記念第279独立艦上戦闘機航空連隊」のSu-33は、最近、地上爆撃用の特殊計算サブシステムSVP-24を装備しています。
[ロシア海軍航空隊の艦上戦闘機Su-33は地上攻撃の為の新たなシステムを装備する]
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は爆撃精度を向上させる為のシステムを装備している]
Su-33はイドリブ県の『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃し、3名の野戦司令官を含む30名以上の戦闘員が死亡しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]
11月17日、ロシア航空宇宙軍の戦略爆撃機Tu-95MSがシリア領内のテロ組織『イスラム国』と『アル=ヌスラ戦線』の施設へ有翼ミサイルを発射した事に呼応して、再び「アドミラル・クズネツォフ」の艦上戦闘機Su-33もシリア領内を爆撃しました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は再びシリアのテロ組織を空爆した]
11月20日頃、「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機(8機のSu-33と1機のMiG-29KR)は、初めてシリアのフマイミーン航空基地(ラタキア郊外)へ着陸しました。
その後、艦載機は「アドミラル・クズネツォフ」へ戻りました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリアのフマイミーン基地へ着陸した]
12月5日、1機のSu-33が「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報]
「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする空母機動部隊は、その後もシリアのタルトゥース沖に留まりました。
[空母アドミラル・クズネツォフを中核とするロシア海軍空母群は完全に自立して行動している]
「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする機動部隊は、2017年の新年を地中海で迎えました。
[ロシア海軍北方艦隊の空母アドミラル・クズネツォフは地中海で新年(2017年)を迎える]
シリアではロシアとトルコ主導による停戦が成立し(2016年12月30日から発効)、国連安全保障理事会も、これを支持しています。
これを受け、ロシア海軍空母部隊は、2017年1月6日以降にシリア沖を離れる事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフと重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーは2017年1月に地中海を去る]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはシリア沖を去る]
「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は2016年11月中旬から12月末頃までにシリアのテロ組織(イスラム国やアル=ヌスラ戦線)の施設1252を破壊しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]
ロシア海軍空母部隊は、1月10日にはクレタ島西方海域へ到達しました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは地中海東部を去る]

1月11日にはリビア沖(おそらくはリビア東部沖)へ到達した「アドミラル・クズネツォフ」を、リビア国民軍司令官ハリーファ・ベルカシム・ハフタル元帥が訪れました。
[リビア国民軍司令官はロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフを訪れた]
今回、「アドミラル・クズネツォフ」は、40機程度の各種航空機を搭載しています。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]
1月17日の時点では地中海西部に居ました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは地中海西部に居る]

そして1月20日にジブラルタル海峡を通過して大西洋へ入りました。
因みに、1月20日は「アドミラル・クズネツォフ」の就役記念日です。
1991年1月20日、「アドミラル・クズネツォフ」は海軍旗初掲揚式典を開催し、北方艦隊へ編入されました。

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