ロシア海軍の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)ブラヴァーは改良され、射程距離と弾道重量が増加する
- カテゴリ:ロシア海軍の艦載兵器

『Lenta.Ru』より
2017年1月23日9時49分配信
【情報筋はミサイル「ブラヴァー」の近代化ヴァージョンの違いについて述べた】
ロシア海軍の為に軍備採用される大陸間弾道ミサイル「ブラヴァー」の将来のヴァージョンは、若干サイズが大きくなり、発射重量と有効積載量が増加する点が異なる。
『Lenta.Ru』は防衛産業の情報提供者より伝えられた。
このミサイルは、プロジェクト955原子力潜水艦の発射装置との共用性を保持する。
「主な要求の1つは、飛翔距離の増大と、対ミサイル防衛を突破する為の複合手段の能力です。
これらの要求は、ミサイルのサイズと重量の増加を意味します。
今、私共は、複合体D-30の設計において、ミサイルの直径と長さの増加を考慮し、余裕を持たせています。
具体的には、輸送-発射コンテナのヴァージョンの検討は認められていません」
情報提供者は話した。
彼によると、ミサイルの有効積載量は半分(1.5倍)以上増加でき、飛翔距離は12000kmに達する。
対談者は更に、新たなミサイルは、1980年代後半に建造され、近代化されたプロジェクト667BDRMを交換する為、2020年代末~2030年代初頭には採用されるべき将来ロケット艦へ装備する為に使用できる事を指摘した。
現在、ロシア海軍の為に、プロジェクト955/955Aロケット艦シリーズの建造が続けられている。
このシリーズの8番艦は、2011-2020年の国家軍備プログラムの枠組みにおいて発注された最終艦であり、戦略用途ロケット水中巡洋艦「クニャージ・ポジャールスキー」は2016年12月23日に起工された。
同艦は、2021~2022年に海軍へ加入しなければならない。
3M30 R-30「ブラヴァー」ミサイルは、複合体D-30の一部として軍備採用され、プロジェクト955「ボレイ」/955「ボレイ-A」ロケット水中巡洋艦の主要兵装である。
公開情報によると、ミサイルの最大飛翔距離は9300km、発射重量は約37トン、投射重量は1150kg。
ロシア海軍第4世代戦略原潜「ボレイ」級の主兵装である潜水艦用弾道ミサイルR-30「ブラヴァー」は、現在までに24回の発射が実施され、この内の7回が完全な失敗に終わっています。
1回目:2004年9月23日-成功
2回目:2005年9月27日-成功
3回目:2005年12月21日-成功
4回目:2006年9月7日-失敗
5回目:2006年10月25日-失敗
6回目:2006年12月24日-失敗
7回目:2007年6月28日-成功
8回目:2008年9月18日-成功
9回目:2008年11月28日-成功
10回目:2008年12月23日-失敗
11回目:2009年7月15日-失敗
12回目:2009年12月9日-失敗
13回目:2010年10月7日-成功
14回目:2010年10月29日-成功
15回目:2011年6月28日-成功
16回目:2011年8月27日-成功
17回目:2011年10月28日-成功
18回目:2011年12月23日-成功
19回目:2013年9月6日-失敗
20回目:2014年9月10日-成功
21回目:2014年10月29日-成功
22回目:2014年11月28日-成功
23回目:2015年11月14日-成功
24回目:2016年9月27日-部分的に成功
14回目までの発射試験は重原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦「ドミトリー・ドンスコイ」から実施されましたが、15回目以降は「ボレイ」級戦略原潜3隻(ユーリー・ドルゴルーキー、アレクサンドル・ネフスキー、ウラジーミル・モノマーフ)から実施されています。
これまでのソ連/ロシアの潜水艦用弾道ミサイルが改良を繰り返して来たのと同様に、当然ながら「ブラヴァー」も、今後改良型が作られる事になります。
[ロシア海軍の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)ブラヴァーは改良される]
「ブラヴァー」の改良については、以前にはコストダウンや効率性のアップ(おそらくは命中精度の向上)であると言われていましたが、今回、能力向上も図られる事が明らかにされました。
具体的には、最大射程距離を12000kmに伸ばし、弾頭重量も1.5倍以上(約1800kg)に増大させるとの事です。
これに伴い、「ブラヴァー」の寸法や重量も増える事になりますが、「ボレイ」級のミサイル発射機は、将来のミサイルのサイズアップを見込んで余裕を持たせているようです。
更には、この改良型「ブラヴァー」は、「ボレイ」級の次の戦略原潜(第5世代戦略原潜)への搭載も考慮されているようです。
[ロシア海軍の為の第4世代戦略原潜ボレイ級最終艦クニャージ・ポジャールスキーは起工された]
以前、「ブラヴァー」の開発元である『モスクワ熱技術研究所』が新型の潜水艦発射弾道ミサイルを開発すると報じられた事が有りましたが、これは今回の改良型「ブラヴァー」を指しているようです。
[モスクワ熱技術研究所はロシア海軍の為の新型SLBM(潜水艦発射弾道ミサイル)を開発する]
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