ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試験はシリアで行なわれた
- カテゴリ:ロシアの艦載ヘリコプター

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年2月9日2時8分配信
【(ロシア)軍は航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の航海の枠組みにおける「カトラン」の試験に満足している】
モスクワ、2月9日、インタファクス
重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海への航海の枠組みにおけるロシアの最新艦載偵察攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」の試験飛行は成功裏に行なわれた。
航空母艦の艦長セルゲイ・アルタモノフは述べた。
「それは、今の所は未だ試験飛行が行なわれておりますが、海軍航空隊の一員としての兵器使用の能力、ヘリコプター自身の能力が非常に高い事は明白であります」
木曜日夜に放送されたテレビ局『ロシア-24』のドキュメンタリー番組において、セルゲイ・アルタモノフは話した。
番組は、ロシア連邦海軍打撃艦グループのシリアへの航海を取り上げたものである。
「Ka-52の海上での動作状態は、実に称賛に値する特性を示しております」
セルゲイ・アルタモノフは述べた。
「このヘリコプターの信頼性は、様々な条件下において戦闘安定性を保障できる事を期待させてくれます」
巡洋艦の艦長は話した。
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番組では、カモフ記念試験設計局の飛行士により行なわれた「アドミラル・クズネツォフ」の甲板からの「カトラン」の試験飛行が紹介されている。
昨年(2016年)12月初頭、テレビ局『ロシア-1』は、巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の甲板から離艦し、ミサイルの訓練発射を行なうKa-52Kの映像が公開された。
「アドミラル・クズネツォフ」の為の「カトラン」の試験について、インタファクスは(2016年)9月初頭に報じた。
「ヘリコプターKa-52Kは既に試験中です。
この機体に対する飛行士の印象は、非常に肯定的です」
次に、ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』の国家調達・軍事技術協力担当取締役ウラジスラフ・サヴェリエフはインタファクスへ話した。
ロシア連邦海軍打撃艦グループは、遠距離航海からロシア連邦北方艦隊主要基地セヴェロモルスクへ戻った。
木曜日、セヴェロモルスクでは、シリア沿岸で戦闘任務を遂行した重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」の乗組員の歓迎式典が開催された。
艦船グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスクを去った。
2016年11月15日、ロシア軍当局は、「アドミラル・クズネツォフ」航空隊が歴史上初めて戦闘へ使用されたと発表した~艦上戦闘機は、シリア領内の軍事作戦へ関与した。

艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」(空軍のKa-52「アリガートル」の艦載機型)の試作1号機は、2015年3月7日に沿海地方で初飛行しました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの試作1号機が初飛行した]
Ka-52Kは、元々はロシアがフランスへ発注した2隻の「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の搭載機として開発されたのですが、フランスはウクライナ情勢に関連して艦の引き渡しを凍結しました。
2015年8月5日、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンとフランス大統領フランソワ・オランドは電話で会談し、「ミストラル」級ヘリコプター揚陸ドック艦の建造・供給契約の終了(破棄)を決定しました。
[ロシアとフランスはロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約を終了させた]
[ロシア海軍向けミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦の契約終了によりフランスはロシアへ9億4975万4849ユーロを支払う]
[ロシア海軍向けだった2隻のミストラル級ヘリコプター揚陸ドック艦から取り外されたロシア製機器は全てロシアへ到着した]
その後、2隻の「ミストラル」級はエジプトへ売却されました。
しかし、「ミストラル」級の動向とは関係なしにKa-52Kの開発と生産は続行されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kの開発と生産は続行される]
Ka-52Kには、対艦ミサイルKh-35(ウラン)及び対レーダー/対艦ミサイルKh-31の運用能力が付与されます。
[ロシア海軍の為の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kは対艦ミサイルの運用能力を付与される]
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは最新鋭の目標探知システムを装備する]
そして結局、「ミストラル」級ヘリ空母へ搭載される筈だったKa-52Kは、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」へ搭載されることになりました。
[ロシア海軍の艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kカトランは空母アドミラル・クズネツォフへ搭載される]
北方艦隊の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日にセヴェロモルスク基地を出航し、2017年2月8日に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
この間、2016年11月中旬から2017年1月初頭まで約2ヶ月ほどシリア沖に滞在し、シリア領内のテロ組織(イスラム国やアル=ヌスラ戦線)への空爆作戦に参加しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ航空隊は1252のシリアのテロリスト施設を破壊した]
今回のシリア遠征において、「アドミラル・クズネツォフ」は、艦上戦闘機Su-33、艦上戦闘機MiG-29K/MiG-29KUB、救難ヘリコプターKa-27PS、対潜ヘリコプターKa-27PL、輸送戦闘ヘリコプターKa-29、早期警戒ヘリコプターKa-31、艦上攻撃ヘリコプターKa-52Kを合計で約40機程度搭載しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは40機程度の搭載機を有する]
艦上攻撃ヘリコプターKa-52K「カトラン」は2機の試作機が「アドミラル・クズネツォフ」に搭載され、シリア沖で各種試験に従事しました。
そして、「アドミラル・クズネツォフ」艦長セルゲイ・アルタモノフ1佐は、シリアから戻った後、Ka-52Kの試験結果について、非常に良好であったと述べました。

[空母アドミラル・クズネツォフ艦長セルゲイ・アルタモノフ]
アルタモノフ1佐の発言を見る限り、Ka-52Kはシリアで兵器使用試験も行ったようですが、試験飛行を担当したのはロシア海軍のパイロットでは無く、開発元の『カモフ』のテストパイロット(つまり民間人)なので、シリア領内への空爆作戦へ参加した可能性は低いでしょう。
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