ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフのシリア遠征の経験は同艦の近代化改装と新たな空母の建造へ生かされる


『タス通信』より
2017年年2月8日20時23分配信
【シリアでの「クズネツォフ」の経験は新たな航空母艦の必要条件の基礎となる】
モスクワ、2月8日/タス通信

ロシア唯一の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海への航海から母国へ戻ってきた。
その航空機シリアテロリストへ打撃を与えた。

この戦闘の経験は、同艦の近代化と、(ロシア)海軍の為に建造される新たな航空母艦の必要条件の開発の際、考慮に入れられるだろう。
雑誌『祖国の兵器庫』編集主任で軍事専門家のヴィクトール・ムラホフスキータス通信へ話した。
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空母グループを率いる「アドミラル・クズネツォフ」重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」は、ほぼ4ヶ月間に渡る航海の後、2月8日にセヴェロモルスク泊地へ入り、(停泊用)樽を降ろした。
ロシア連邦国防省が報道陣へ伝えたように「艦の乗組員は、2月9日に予定される航空艦グループの歓迎式典の準備を行なっています」

[航海の結果についての長所と短所」
海軍
空母グループは昨年10月末に地中海へ入り、11月8日にはシリア沖に在った。
11月10日に艦上戦闘機MiG-29KSu-33シリア上空の飛行を開始した。
戦闘の後、東アレッポは完全にテロリストから解放された。

「クズネツォフ」戦闘機は、戦闘員の本部と指揮所、人員と戦闘車両の詰所、火砲陣地と拠点へ打撃を与えた。
2ヶ月間に海洋飛行士は420回の戦闘飛行(この内117回は夜間)を実行し、1000以上のテロリストの施設を破壊した。

「クズネツォフ」が初めて戦闘へ用いられた事により、同プロジェクト艦(1143.5)の長所と短所が明らかにされたとムラホフスキーは考える。

「同艦の能力に触れる際に確認されたのは、空母グループを介して高精度精密打撃兵器により地上目標を破壊する任務を遂行し、更には打撃艦グループの一員として対空防衛任務を果たす事が可能であるという点です」
雑誌『祖国の兵器庫』編集主任ヴィクトール・ムラホフスキー


更に、「クズネツォフ」は、シリアに形成された軍種間戦闘管理システムとの適合性が極めて良好である事が確認された。

ムラホフスキーは、航海期間中、戦闘行動と関係の無い事故で2機の艦上戦闘機MiG-29KSu-33が失われた事を想い起した。

「これは、航空母艦のシステムと管理システムに、幾つかの技術的状態における問題点がある事を語っています。
私が考えますに、これは、艦の戦闘使用の問題において、かなり経験が不足している事を示しております。
当然、これらの不具合と問題点全ては、大規模修理と近代化の際に考慮されるべきでしょう」
雑誌『祖国の兵器庫』編集主任ヴィクトール・ムラホフスキー


[近代化と新たな必要条件の方向性]
「アドミラル・クズネツォフ」
は、2017年第1クオーター(1-3月)に修理へ入り、その後、兵装を交換する近代化作業の開始が計画されている。
それは約2年間を要するであろうが、その期間と作業量は調整されるかもしれない。

今、「クズネツォフ」は、対艦ミサイル「グラニート」と強力な対空防衛システムを装備している。
艦は、30機までの戦闘機MiG-29K/KUBSu-33に加え、攻撃ヘリコプターKa-52K対潜ヘリコプターKa-27Ka-29(輸送ヴァージョン及びヘリコプター目標指示ヴァージョン)を艦上に搭載できる。

シリア航海において、同艦には10機の戦闘機Su-33、3機の戦闘機MiG-29KR、1機のMiG-29KUBR、18機の様々なタイプのヘリコプターが在った。
(註:実際には合計で約40機の搭載機を擁しており、特にMiG-29KRは少なくとも4機、MiG-29KUBRは3機が確認されている)

ムラホフスキーによると、「クズネツォフ」の戦闘使用は、近代化プロジェクトに使用される事が確実な広大な情報を与えた。

「ソヴィエト社会主義共和国時代に形成された航空グループは、主として、艦船グループの一員として加わり、対空防衛任務を果たす為に意図されていました。
同時に、それは、遠距離対艦ミサイルにより敵の水上目標へ打撃を与えなければなりませんでした。
今日、クズネツォフの航空グループは、打撃任務の分野においては、例えば、アメリカ合衆国の艦よりも弱いように見えます。

私の見解では、この艦は、ミサイル複合体による任務遂行を削減し、航空艦としての機能向上へ集中する必要が有ります。
更には、電波電子戦闘システムと、既に今使用されている現代的な部隊及び兵器自動管理システムの統合の分野において、その能力を抜本的に向上させるべきでしょう」
雑誌『祖国の兵器庫』編集主任ヴィクトール・ムラホフスキー


「クズネツォフ」シリアでの経験は、海軍の歴史上初めての国産航空母艦の戦闘使用経験であり、それは
「疑い無く、このクラスの新たな艦を国防省へ提示する為の必要条件の基礎となるでしょう」
専門家は指摘した。

同時に彼は、シリアへの航海を考慮に入れたロシアの新たな航空母艦の最終設計は、以前の展示会でロシア造船所が出展し、更には設計局が開発しているものに近くなるだろうと考えている。
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[NATOとメディアの注目]
ロシア海軍
航空艦グループ「地中海」への航海は、NATO軍西側メディアから多大な注目を集めた。

例えば、ノルウェー海軍は10月18日に北東大西洋「クズネツォフ」戦闘機Su-33の訓練飛行を監視した。
間を置かずに偵察機オライオン艦船グループを追尾する動画が登場した。
ノルウェー海においてロシア艦船にはノルウェーフリゲート「フリチョフ・ナンセン」ブリテン駆逐艦「リッチモンド」が随行していた。

航空母艦シリア沖に居た昨年11月9日、「ワルラス」と見られるネーデルラントディーゼルエレクトリック潜水艦艦船グループの追尾を試みた。
軍艦「セヴェロモルスク」「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」は、距離20kmで水中音響複合体ヘリコプターKa-27PLの助力を得て潜水艦を追い払い、その後、同艦は海域外へ離脱した。

11月6日からの母国への帰路で、ロシア海軍空母グループの動きは、ラマンシュ海峡でのグレートブリテン海軍の活発な行動を引き起こした。
「クズネツォフ」には、王立海軍フリゲート1隻が付き添い、ブリテン戦闘機「タイフーン」艦上航空機が上空を飛行した。

西側メディアにとって重要な「部分」の1つは、航海の初期段階において、ロシア航空母艦の煙突からの濃い煙が艦尾に残された事であった。
このテーマでは、複数の西側の専門家が積極的に誇張した嘲笑を表明した。
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しかし、「クズネツォフ」の「黒い帽子」は、シリア沖での航空母艦の活動が始まった時に姿を消した。
造船業界の情報提供者がタス通信へ説明したように、排煙の増加は、同艦の動力装置の調整作業に関連するものであった。
そこには如何なる政治的な真相も存在せず、技術的障害の結果では無かった。




[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]


『アンドレイ旗』:重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の戦闘航海(第1部)


『アンドレイ旗』:重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の戦闘航海(第2部)
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