ロシア海軍向けミストラル型の建造は予定通りに進んでいる
- カテゴリ:ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル級

『アルムス-タス』より。
【ロシア仕様に開発された汎用揚陸艦ミストラルの準備は予定表に沿って実行されている】
パリ、7月17日(アルムス-タス)
ロシア仕様に開発された汎用揚陸艦「ミストラル」型のフランスでの建造工程は「完璧にスケジュールに沿って実行されている」
イタル-タス通信が製造者である造船会社DCNSから受け取った声明文においては、こう指摘された。
「現在は、第2段階に適応しております」
ロシア連邦の必要条件によると、これは今年9月までに完了する。
ロシア仕様では、まず第一に汎用揚陸艦は、同軸ローター回転の「カモフ」社製ヘリコプターを搭載できる事が示唆されている。
加えて請負業者は、兵器を除くロシア製設備を艦に設置しなければならない。
声明文では、こう述べられた。
更に、「ミストラル」は寒冷気候条件下での運航の為に準備され、その手段として、発電機の出力は増大する。
これは、離艦エリアにおける結氷部分を溶かすのに必要である。
加えて、全ての艦管理システム及び信号パネルはロシア語に翻訳される。
フランスのサン・ナゼール市におけるロシア連邦の為の「ミストラル」建造の進捗度は充分である事をDCNSは強調した。
「今年9月、汎用揚陸艦の最初の100トンの船体ブロックの準備が整います。
2013年初頭にキールブロックは据え付けられ、組み立ての初期段階を迎えます」
声明文では、こう述べられた。
2隻の「ミストラル」建造には、ロシアの統合造船業営団も参加する。
DCNSが伝えた所によると、それは「各艦の船体船尾の12ブロックを建造します」
「ミストラル」シリーズの最初の艦は2014年に、2隻目は2015年末にロシア連邦海軍へ納入されなければならない。
フランス側は、 ロシアとの「ミストラル」契約に従い、水上艦の技術、更には、フランスの揚陸艦に装備されている戦闘情報管理システムSENIT-9を供与する。、
その後、これらの技術は、ロシアの造船所における汎用揚陸艦「ミストラル」2隻の建造に使用される。
3隻目と4隻目の汎用揚陸艦「ミストラル」型は、ロシアが独自に実施する。
更に、フランスのDCI社の専門技術者は、共和国政府の支援を受け、新たな種類の兵器を取り扱う担当者の訓練サービスと、2隻の汎用揚陸艦のロシア人乗員の訓練に従事する。
「この取り組みは、フランスの造船会社DCNSとロシア連邦間の2011年6月の契約に記されています」
以前、DCI代表のアンソニー・マレシャルは、イタル-タス通信のインタビューに対し、こう答えた。
汎用揚陸艦「ミストラル」は、4つの任務を一度に行なえる。
それはヘリコプター搭載運用、兵員の地上への揚陸、指揮センター、水上病院である。
排水量は21,000トン、船体最大長210m、速力18ノット以上である。航続距離は最大で20000海里。
乗組員は160名であり、更にヘリコプターと450名を収容可能である。
航空隊は16機のヘリコプターから成り、同時に6機の飛行甲板からの発着が可能である。
艦の貨物デッキには、40輌の戦車或いは70台のトラックを収容できる。
(2012年7月17日08時09分配信)
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ヘリ空母ミストラル型]
ロシアがフランスの指揮・戦力投射艦「ミストラル」型を購入するかもしれないという話が最初に出たのは、2009年8月初頭でした。
[ロシア海軍、フランス艦を購入?]
ロシア向けの「ミストラル」型の売買契約が締結されたのは、それから約2年後の事でした。
『ロシア通信社ノーボスチ』2017年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】
ロシア海軍向け「ミストラル」1番艦は今年2月1日にフランスのサン・ナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]
船体の一部(艦尾)はロシアの造船所で建造されます。
[バルト工場はヘリ空母ミストラル級の船体ブロック建造を8月から開始する]
[ロシアにおけるヘリ空母ミストラルの船体建造は27億ルーブル掛かるだろう]
これまでの報道を総合すると、ロシア海軍向け「ミストラル」型の建造手順は、こうなるようです。
1:フランスのサン・ナゼール造船所で艦の主要部分を建造
2:ロシアのサンクトペテルブルク市のバルト工場で艦尾部分を建造
3:サンナゼール造船所で船体を結合、兵器以外のロシア製機器も設置
4:ロシア本国の造船所へ回航して兵装を搭載

フランス海軍の「ミストラル」は、2009年11月末にサンクト・ペテルブルクを訪れ、ロシア軍ヘリコプター(Ka-27対潜ヘリ、Ka-29強襲ヘリ、Ka-52戦闘ヘリ)の適合試験を実施しています。
[ロシア製ヘリコプター、強襲揚陸艦「ミストラル」に初着艦]
[ロシア軍ヘリコプター、強襲揚陸艦「ミストラル」に初着艦(2009年11月27日)]
ロシア海軍の「ミストラル」級には、現用の主力艦載ヘリコプターKa-27の近代化タイプKa-27Mが搭載されるようです。
[ロシア海軍は艦載ヘリコプターKa-27Mを発注する]
以前の報道によると、ロシア海軍向けの「ミストラル」型は、オリジナルよりも武装が強化されます。
[ロシア海軍向け「ミストラル」型には巡航ミサイル、対空・対潜ミサイルなどが装備される]
[ロシア海軍向け「ミストラル」型はロシア製兵器を装備する]
ロシア海軍向け「ミストラル」型のCG
【ロシアの指揮・戦力投射艦】
画面ではっきりと確認できる固定兵装は、AK-630M 30mmガトリング砲と近接対空ミサイル「ギブカ」発射機です。
左舷飛行甲板に3ヶ所ある窪みに、各種ミサイルの垂直発射機が設置されるのでしょうか。
『DCNS公式サイト』より
2012年7月17日
【DCNSは、ロシアの指揮・戦力投射艦の設計変更を続ける】
ロシア海軍向けの「ミストラル」型の設計変更は2段階に分けて実施され、第1段階は2012年4月中に完了、第2段階は、2012年9月完了の予定です。
つまり、現時点において、ロシア海軍向け「ミストラル」の最終仕様は、まだ決まっていないという事です。
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