近代化改装中の戦略用途原子力水中巡洋艦トゥーラは2017年末までにロシア海軍北方艦隊へ復帰する

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年2月27日12時2分配信
【修理中の原子力潜水艦「トゥーラ」は船台から出渠した】
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の専門技術者は、ロシア海軍の為に修理中の原子力潜水艦「トゥーラ」を船台から出渠させた。
2月27日・月曜日、同社の広報サービスは発表した。
巡洋艦の船台からの出渠は、過酷な気象条件下で実行された。
原子力艦の移動操作へ関わった造船所の全ての部門の整然とした作業は、操作の正確かつ安全な実行を可能にしたと広報サービスは指摘した。
今年の引き渡しプログラムと差し迫った造船所のドックのスケジュールは、造船所『ズヴェズドーチカ』へ、設定された技術的操作のスケジュールの厳密な遵守を強いる。
水中ロケット艦が船台から出渠するまでに、船体、船外機器、機構、そして他の艦載システムの修理を完了した。
「トゥーラ」は、個々の電波電子兵装の要素の調整と、その後の巡洋艦の進水の為、短期間ドックへ滞在する。
作業の最終段階は、艤装岸壁に浮かんで実施される。
国家契約によると、「トゥーラ」の(ロシア)海軍への引き渡しは2017年第4クオーター(10月-12月)に実施される。
プロジェクト667BDRM「デリフィン」原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦K-114「トゥーラ」は、第2世代原子力潜水艦に属する。
1987年にセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』で建造され、このタイプの水中巡洋艦シリーズの4番目であった。
潜水艦は、北極圏の高緯度海域を含む世界の大洋の戦略的に重要な海域で繰り返し長期航海任務を遂行した。
2006年、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』は巡洋艦の近代化を実施した。
2014年12月、ロケット艦は修理期間満了による技術的状態の修復の為、再びセヴェロドヴィンスクの『ズヴェズドーチカ』へ到着した。
「トゥーラ」の後に『ズヴェズドーチカ』は、他のプロジェクト667BDRM原子力水中巡洋艦「ブリャンスク」の修理を行なう。
同艦の到着は、今年中に予定されている。
プロジェクト667BDRM(デルタIV)戦略用途ロケット水中巡洋艦K-114は、1984年2月22日にセヴェロドヴィンスクの生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工され、1987年1月22日に進水し、同年10月30日にソ連海軍へ納入されました。

1987年11月5日に海軍旗掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
1987年12月にオレニヤ基地へ到着しました。

1989年5月30日から8月25日まで、第1乗員団(ファーストチーム)による戦闘勤務(長期航海)を実施しました。
続いて1989年11月3日から1990年1月18日まで第2乗員団(セカンドチーム)による戦闘勤務を実施しました。
1992年6月3日に「戦略用途原子力水中巡洋艦」へ艦種変更されました。
1993年にはガジエヴォ基地へ移動しました。

1995年4月18日にトゥーラ州と後援協定を締結しました。

1997年8月21日、「トゥーラ」と命名されました。
2000年までに134856海里を航行し(この内の77245海里は潜航状態)、7回の戦闘勤務と17回の戦闘当直を実施し、水中から12回の弾道ミサイル発射を実施しました。
2000年6月に第1次近代化改装の為、セヴェロドヴィンスクの『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。

2004年5月6日に再進水しました。
2004年9月8日から係留試験を開始し、2005年7月から航行試験を開始、2005年9月12日までに完了しました。
2005年12月7日にはガジエヴォ基地へ移動し、2006年1月12日にロシア海軍へ引き渡されました。
2007年12月17日に弾道ミサイル「シネーワ」をバレンツ海からカムチャツカ半島へ向けて発射しました。
[デルタIV型戦略原潜「トゥーラ」、弾道ミサイルの発射テストを実施]
2007年12月25日、再び「シネーワ」を発射しました。
[デルタIV型戦略原潜K-114「トゥーラ」、再びミサイル発射]
2010年3月4日にバレンツ海から「シネーワ」を発射しました。
2010年8月6日にもバレンツ海から「シネーワ」を発射しました。
2011年9月29日には「シネーワ」の改良型である「ライネル」を発射しました。
[ロシア海軍の新たな潜水艦用弾道ミサイル「ライネル」は制式採用された]
2014年11月5日に「シネーワ」を発射しました。
[ロシア海軍北方艦隊の戦略原潜トゥーラはシネーワ弾道ミサイルを発射した]
2014年12月15日、第2次近代化改装(寿命延長工事)を行なう為、セヴェロドヴィンスクの『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
そして2017年2月27日には『ズヴェズドーチカ』の船台を出渠しました。
「トゥーラ」は、2017年12月末までにロシア海軍へ引き渡される予定です。
「トゥーラ」の近代化改装が終わった後、続いて同型艦「ブリャンスク」の近代化改装が始まります。
北方艦隊の667BDRM戦略原潜6隻は、1990年代末以降よりセヴェロドヴィンスク市の艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』で近代化改装を行ない、寿命を延長しています。
1999年~2012年に第1次近代化改装を行ない、続いて第2次近代化改装が進行中です。
K-51「ヴェルホトゥリエ」:1999年12月第1次近代化改装完了/2012年12月第2次近代化改装完了
K-84「エカテリンブルク」:2003年1月第1次近代化改装完了/2014年12月第2次近代化改装完了
K-114「トゥーラ」:2006年1月第1次近代化改装完了/2017年12月第2次近代化改装完了予定
K-117「ブリャンスク」:2008年2月第1次近代化改装完了
K-18「カレリア」:2010年1月第1次近代化改装完了
K-407「ノヴォモスコフスク」:2012年8月第1次近代化改装完了
この他、667BDRMの3番艦K-64は1990年代末から特務原潜へ改造され、2016年12月末にBS-64として再就役しました。
[改造を終えた特務原潜ポドモスコヴィエ(モスクワ州)はロシア海軍へ引き渡された]
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