ロシア海軍黒海艦隊の警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは地中海へ入った
- カテゴリ:地中海情勢(2017年)
『タス通信』より
2017年3月2日20時25分配信
【「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海の海軍常設連合部隊へ加わった】
モスクワ、3月2日/タス通信
黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海へ入り、ロシア海軍の地中海常設作戦グループへ合流した。
『タス通信』は、ロシア首都の軍事-外交筋より伝えられた。
「3月2日午前、アドミラル・グリゴロヴィチは黒海海峡を通過してエーゲ海へ入り、同日後半(午後)には地中海の海軍常設作戦連合部隊へ合流しました」
対談者は話した。
彼は、航海計画によれば、ロシア艦は2月28日には既に地中海へ入っていなければならなかった事を想い起した。
「ですが、ほぼ2日間に渡り海峡ゾーンを強い霧が覆い、ボスポラス海峡とダーダネルス海峡の船舶航行が一時中断した事により、アドミラル・グリゴロヴィチは、この間、気象条件の回復が予測されるまでボスポラス海峡を前にして黒海に滞在していたのです」
情報提供者は指摘した。
[アドミラル・グリゴロヴィチ型フリゲート]
ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)プロジェクト11356Rの1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で2010年12月18日に起工され、2014年3月14日に進水し、2016年3月11日に就役しました。
[プロジェクト11356R警備艦(フリゲート)1番艦アドミラル・グリゴロヴィチはロシア海軍へ就役し、黒海艦隊へ編入された]
2016年6月9日にセヴァストーポリ基地へ到着しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
7月13日には黒海で戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海で砲撃訓練を行なう]
8月下旬には「抜き打ち演習」へ参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊とカスピ小艦隊は抜き打ち演習へ参加する]
2016年9月24日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は初めての地中海航海へと出発しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはギリシャへ向かった]
地中海へ出た「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、9月28日にギリシャのケルキラ(コルフ)島を訪問しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはギリシャのケルキラ(コルフ島)を訪問した]

10月3日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」はギリシャから去りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはギリシャを去った]
10月7日にセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチはセヴァストーポリへ帰投した]
それから約1ヶ月後の2016年11月3日、「アドミラル・グリゴロヴィチ」は再び地中海へ向かいました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖へ向かった]
11月4日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入りました。

その後、北方艦隊の重航空巡洋艦(空母)「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする航空打撃艦グループへ加わりました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は11月11日頃までシリアのタルトゥース港へ寄港して各種物資を補充しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは巡航ミサイルによるシリア領内のテロ組織への攻撃を準備する]
2016年11月15日、シリア領内のイドリブとホムスのISIL(イラク・レバントのイスラム国)及びアル=ヌスラ戦線の施設への攻撃が開始されました。

[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機は初めてシリア領内のテロ組織への攻撃へ参加した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の空爆によりアル=ヌスラ戦線の戦闘員30名以上が死亡した]
攻撃へ参加したのは重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の艦載機、沿岸ミサイル「バスチオン」(本来は地対艦ミサイル)であり、この他、「アドミラル・グリゴロヴィチ」も有翼ミサイル「カリブル」を発射しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア領内のテロ組織へ巡航ミサイルを発射した]
その後もロシア海軍空母機動部隊の一員として地中海東部に居たようですが、12月中旬には機動部隊を離れて帰路に就き、12月18日にボスポラス海峡を通過して黒海へ入りました。

2016年12月19日にセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチはシリア沖から帰投した]
その後、12月25日に92名(アレクサンドロフ・アンサンブル団、いわゆる赤軍合唱団のメンバーを含む)を乗せてソチ空港を離陸し、黒海へ墜落したロシア軍の旅客機Tu-154の捜索に参加しました。

『スプートニク日本語版』より
【露軍機ツポレフ154墜落】
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2016年12月25日10時16分配信
【ロシア国防省のTu-154の機上滞在者リスト】
そして2017年にも「アドミラル・グリゴロヴィチ」は長期航海を行ないます。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは2017年に長期航海を行なう]
「アドミラル・グリゴロヴィチ」は、2017年2月27日にセヴァストーポリを出航しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の警備艦(フリゲート)アドミラル・グリゴロヴィチは地中海東部(シリア沖)へ行く]
当初は非公式筋からの情報として伝えられていましたが、すぐ後に黒海艦隊広報部から正式に発表されました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2017年2月27日15時31分配信
【黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」はセヴァストーポリから地中海へ出発した】
当初の予定では、2月28日にボスポラス海峡を通過して地中海へ入る筈だったのですが、濃霧によりボスポラス海峡の船舶航行が2日間に渡って中断した為、海峡通航は3月2日にずれ込みました。
3たび地中海へ向かった「アドミラル・グリゴロヴィチ」ですが、今回は、有翼ミサイル「カリブル」によるシリア領内のテロリストへの攻撃は計画されていないとの事です。
[シリア沖へ行くロシア海軍黒海艦隊の警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは巡航ミサイルによる攻撃を行なう予定は無い]
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