ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年11月13日/12月5日)・続報


『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年3月10日10時25分配信
【情報筋は「アドミラル・クズネツォフ」の2機の航空機の事故の原因について語った】
モスクワ、3月10日-ロシア通信社ノーボスチ

2016年のシリアへの航海中の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機MiG-29KSu-33の事故の原因は、航空拘束装置ケーブルの切断に在り、航空機は何ら非難される事は無い。
『ロシア通信社ノーボスチ』は金曜日に防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「MiG-29Kの喪失の場合は、航空機が甲板へ極限の角度で着艦した結果、ケーブルが引きちぎられた事によるものでした。
これに対しSu-33の着艦は正常に行なわれており、このケースでは、ケーブルが低品質だったと予め申し上げる事が出来ます。
ですが、双方のケースにおいて、航空機に対しては、如何なる非難も出来ません」

対談者は話した。

他の防衛産業企業体の情報提供者は、航空機の事故で悪いのは航空拘束装置ケーブルであるという意見には同意しなかった。
「事件の全ての状況の調査は継続中であり、専門家は、この見解を未だ認めておりません」
対談者は話した。
本当の原因は、陸上で航空拘束装置ケーブルを詳細に調査した後でのみ確立する事が出来ると彼は指摘した。

航空拘束装置は、航空機航空艦へ着艦する為の特殊装置である。
これは、ケーブル制動機構のシステムから構成されている。
着艦の際に戦闘機ケーブルへ特殊なフックを引っ掛ける。
強力な油圧制動により、航空機の滑走距離は(飛行)甲板の長さまで短縮される。

「アドミラル・クズネツォフ」に設置されている航空拘束発着艦複合体「スヴェトラーナ-2」は、サンクトペテルブルクプロレタリア工場で製造されている。



[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日に地中海東部(シリア沖)へ向けて出航し、2017年2月8日に帰港しました。

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。


今回の記事で取り上げられているように、「アドミラル・クズネツォフ」艦上戦闘機2機は、シリア沖での作戦中、事故により失われています。

2016年11月13日には、艦上戦闘機MiG-29Kが墜落しました。
パイロットは脱出に成功しました。
[地中海東部のロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフで艦上戦闘機MiG-29Kの墜落事故が発生した]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機MiG-29KRの墜落事故(2016年11月13日)・続報]

2016年12月5日、艦上戦闘機Su-33「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦した際、着艦拘束装置のケーブルを切ってしまった為に停止できず、海中に落ちました。
パイロットは脱出に成功しました。
[ロシア海軍の艦上戦闘機Su-33は地中海東部(シリア沖)で空母への着艦に失敗して海中へ落ちた]
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機Su-33の海中落下事故(2016年12月5日)・続報]

事故の原因については様々な憶測が流れていますが、今回の記事に登場する「防衛産業企業体の(匿名希望の)情報提供者」の1人は、着艦拘束装置ケーブルに問題が有ったと見ています。
「ケーブルが低品質だった」と言うのは、要するに、切れたケーブルは製造不良だったという事でしょう。

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「アドミラル・クズネツォフ」着艦拘束装置「スヴェトラーナ-2」は、サンクトペテルブルクプロレタリア工場で製造されたものです。
【公開株式会社「プロレタリア工場」公式サイト】

プロレタリア工場は、ロシア海軍向け以外に、インド海軍向けにも着艦拘束装置を製造しています。
[ロシアは着艦拘束装置の製造を再開した]


これに対し、もう1人の「防衛産業企業体の(匿名希望の)情報提供者」は、ケーブルに問題が有ったという見方には否定的です。
要するに、現時点でケーブルに問題が有ったと決めつけるのは早計であると言う事です。


事故原因については、『コメルサント』紙が、パイロットの操作ミス(着艦拘束装置ケーブルの真ん中付近では無く、そこから外れた位置に着艦フックを引っ掛けた為に多大な負荷が掛かって切れた)と報じましたが、即座にロシア国防省広報部から名指しで否定されています。
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