ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年5月末から始まるかもしれない

『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2017年3月15日9時43分配信
【情報筋:「アドミラル・クズネツォフ」の高度な近代化は(2017年)5月末に開始される】
重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化は、ムルマンスク州の艦船修理工場の1つで(2017年)5月末に開始される。
3月15日・水曜日、『RNS』は、造船分野及び海軍の情報提供者より伝えられた。
対談者は、高度な近代化と再建修理プランは、約2年間に渡って続く事を指摘した。
大規模発注は、第35艦船修理工場或いは第82艦船修理工場(両方ともムルマンスクに在る)が受ける事になる。
次に、海軍の情報提供者は、2年間の近代化改装中に、艦の動力装置の大規模な修理、更には艦上航空隊の更新が意図されていると『RNS』へ伝えた。
航空群の基礎は、艦上戦闘機MiG-29Kと海上版打撃ヘリコプターK-52K「カトラン」から成る。
これらの機体の試験用見本は、最近のシリア沖への航海中に試験が行われた。
「アドミラル・クズネツォフ」航空団の完全な交代の為には、追加の機器と飛行支援システムの設置が必要となる。
また、巡洋艦は、高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-S1」艦載ヴァージョンを含む新たな対空・対ミサイルシステムを得るかもしれない。
一方、『インタファクス』は3月15日・水曜日に、「アドミラル・クズネツォフ」の修理開始は2018年に延期されるかもしれないと情報筋より伝えられた。
「アドミラル・クズネツォフ」はプロジェクト11435重航空巡洋艦であり、このタイプの艦としてはロシアで唯一である。
今日において、その航空団の構成には、戦闘機Su-33とMiG-29K、更にはヘリコプターKa-52、Ka-29、Ka-27が加わっている。
ロシア北方艦隊の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年10月15日から2017年2月8日まで遠距離航海を行ない、地中海東部(シリア沖)まで遠征しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県の『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。
以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』や『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。
無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。
「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内のテロ組織の施設1252を破壊しました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]
シリア沖から戻ってきた「アドミラル・クズネツォフ」は、2017年に近代化改装を開始する予定です。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは2017年から近代化改装を開始する]
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、セヴェロドヴィンスクの艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』と、そのムルマンスク支所である『第35艦船修理工場』になるようです。
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍唯一の空母(重航空巡洋艦)アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスクで始まり、後にセヴェロドヴィンスクへ移される]
[セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装を行なう用意がある]
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』

『第35艦船修理工場』

近代化改装の内容については、現時点においては未だ正式には決定されてないようですが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]
そして今回、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は、2017年5月末に開始されるという情報が出てきました。
(ただし、公式筋からの情報ではありませんが・・・)
『RNS』の元記事。
2017年3月15日8時0分配信
【航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」の長期修理が始まる】
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装には、以前から何度も名前が出ているムルマンスクの第35艦船修理工場の他に、その近郊のロスリャコヴォに在る第82艦船修理工場も関わる事になるようです。

第82艦船修理工場は、その大型浮きドックで何度も「アドミラル・クズネツォフ」の修理を行なったことがあります。

以前の情報では、「アドミラル・クズネツォフ」の蒸気タービン機関の8基のボイラー(KVG-4)の内、4基は修理され、4基は交換されるとの事でしたが、今回は、動力装置(蒸気タービンエンジンTV-12-4)の大規模修理を行なうとだけ述べられています。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年7月までに始まる]
「アドミラル・クズネツォフ」は、2008年にも7ヶ月間掛けて修理が行なわれていますが、この時に蒸気タービンエンジンを「更新」(リビルド)し、ボイラーを修復しています。
[空母アドミラル・クズネツォフの近代化は先延ばしされている]
それから約10年が経過しているので、また蒸気タービンエンジンをリビルドするという事でしょう。
「艦上航空隊の更新」というのは、今後、「アドミラル・クズネツォフ」の主力艦上戦闘機がSu-33からMiG-29Kへ移行するという事でしょう。
この他、ロシア海軍の新型高射複合体(ハイブリッドCIWS)「パーンツィリ-M」(「パーンツィリ-S1」艦載ヴァージョン)が現用の「コールチク」に代わって搭載されるようです。
[ロシア海軍の新型高射複合体パーンツィリ-Mは2017年末までに制式採用される]
「アドミラル・クズネツォフ」への「パーンツィリ-M」の搭載については、2010年4月に同艦の近代化改装の情報が初めて出てきた時にも触れられていましたが、今回、7年ぶりに再登場しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ近代化計画]
また、「高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-S1艦載ヴァージョンを含む新たな対空・対ミサイルシステムを得る」との事ですから(この場合の「対ミサイル」とは対艦ミサイル迎撃用という意味)、現行の高射ミサイル(個艦防空用ミサイル)「キンジャール」に代わり「M-トール」が搭載されるかもしれません。
[ロシア海軍の為の高射ミサイル"M-トール"は2018-2019年に登場する]
ただ、記事中でも触れられていますが、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装の開始は2018年になるかもしれないという話も出ています。
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