ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により寿命を20年延長する

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『イズベスチヤ』より
2017年3月17日0時1分配信
【「クズネツォフ」は就役期間を延長する】

艦の修理と近代化に軍事船員は650億ルーブルを掛ける。

書類上では既に期限が切れている重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の就役期間は、更に20年間延長される。
この為には、単に修理だけでは無く、最新の機器と兵装を装備する近代化が行なわれる。
予備的試算によれば、巡洋艦の修理には650億ルーブルが掛かる。

造船及び軍事船員の作業の枠組みにおいて、航空母艦には最新の電波電子機器と兵装の設置、更には、未だロシアで生産が始まっていない新たなユニットと集合体との交換が計画されている。
これらの開発の為、幾つかの試験-設計作業の新たな開始が計画されている。
専門家によると、就役期間の延長と近代化は、艦と、ロシア海軍の為の独自の打撃潜在力の保持を可能にする。

複数の海軍及び造船分野の対談者が『イズベスチヤ』へ話したように、現在、作業量に関しては合意が行なわれ、その費用に関しては未だ継続中である。
しかしながら、「クズネツォフ」の修理の予備的試算によれば、少なくとも650億ルーブルが掛かる。
例外として、この数値は増大の方向へ修正される事も有るだろう。
この計算では、既に様々な試験-設計作業の為の約300億ルーブルが算定されている。

「クズネツォフの修理の課題は特殊なものです」
対談者の1人は『イズベスチヤ』へ話した。
「普通、近代化で行なわれるのは艦の技術的準備状態の回復のみです。
ですがクズネツォフの場合は、新たな機器、ユニット、集合体が設置され、指定された艦の就役期間は少なくとも20年間延長されます」


航空母艦「クズネツォフ」は、1991年1月、公式に北方艦隊へ加わった。
『イズベスチヤ』のデータによると、艦の身分証明書に記載されている指定就役期間は、既に期限が切れている。
昨年、同艦はシリア沖での戦闘勤務への出発を前に、特別委員会により討議された。
その結果、作業時期は延期された。

以前、連邦国家単一企業『クリロフ国立研究センター』総取締役の顧問ワレリー・ポロヴィンキン『イズベスチヤ』へ話したように、航空母艦は、艦の主要動力装置と駆動スクリュー群:移動を保障するボイラー、蒸気配管、推進軸の回復が計画されている。
そして、飛行甲板と、艦上戦闘機MiG-29KSu-33の着艦を保障する航空拘束装置の近代化の問題が解決される。

海軍造船管理部長ウラジーミル・トリャピチニコフ少将は、以前、巡洋艦は兵器システムの近代化の際に、その戦闘能力は3倍の増加が計画されていると述べた。
この方向性における最初の一歩は既に行なわれている-戦闘機MiG-29K/KUBで構成される新たな航空団が作成された。

同時に、「防衛」副首相ドミトリー・ロゴージンは、修理中に艦の主要打撃複合体-超音速有翼ミサイル「グラニート」の回復作業が行なわれるかもしれないと主張した。
おそらく、それは、概ねは、より現代的な兵器システムと交換される事になるだろう。

元海軍副総司令官イーゴリ・カサトノフ提督は、アメリカ海軍航空母艦の就役期間は少なくとも50年であると『イズベスチヤ』へ話した。
航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は1991年に海軍へ加入し、未だリソースを有している。
北方艦隊艦船グループの一員としてのシリア沖への航海により、巡洋艦の高い戦闘ポテンシャルが確認された。

「クズネツォフは、国家指導部から与えられた任務を見事にやり遂げました」
提督は話した。
「艦の乗組員、艦上航空隊の飛行士は、初めて母国の沿岸を遠く離れた場所での航空巡洋艦の使用に関する現実の能力を示しました。
この経験は貴重であると国家の指導者は評価しています。
おそらくは、それ故に、将来も同様の任務を遂行する為、艦の戦闘準備状態の回復が決定されたのでしょう。
艦は修理後、少なくとも2045年まで任務を遂行できるようになるでしょう」


巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は定期的に遠距離航海と海軍演習へ参加している。
1996年~1998年、2001年~2004年、2008年に同艦は長期修理に在った。
2015年5月14日から8月20日まで、ムルマンスク州ロスリャコヴォ村艦船修理工場浮きドックで同艦は艦底の清掃と塗装、戦闘部門の集合体と機器の電子機構の修理を行なった。
2015年秋から2016年夏には、シリア沖での戦闘勤務への出発を前にして、ムルマンスク艦船修理工場で主ボイラー、タービン、ディーゼル発電機を修復し、飛行甲板の被覆を回復した。



ロシア北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年10月15日から2017年2月8日まで遠距離航海を行ない、地中海東部(シリア沖)まで遠征しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。


[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

シリア沖から戻ってきた「アドミラル・クズネツォフ」は、2017年に近代化改装を開始する予定です。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年初頭から始まる]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは2017年から近代化改装を開始する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装を担当するのは、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』と、そのムルマンスク支所である『第35艦船修理工場』になるようです。
[ムルマンスクの第35艦船修理工場はロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフ近代化改装の為にドックを拡張する]
[ロシア海軍唯一の空母(重航空巡洋艦)アドミラル・クズネツォフの近代化改装はムルマンスクで始まり、後にセヴェロドヴィンスクへ移される]
[セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』はロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装を行なう用意がある]

艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』
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『第35艦船修理工場』
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近代化改装の内容については、現時点においては未だ正式には決定されてないようですが、兵装、電子機器、通信機器、航空艤装、戦闘情報管理システムなどは新型に変更される事になるでしょう。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により兵装を変更する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフは近代化改装により新たな通信システムを受け取る]
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは航空隊と戦闘情報管理ステムを近代化する]

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装は、2017年5月末~7月頃までに開始される可能性が高いようです。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年7月までに始まる]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの近代化改装は2017年5月末から始まるかもしれない]


そして今回の記事によると、「アドミラル・クズネツォフ」は近代化改装により寿命を20年間延長するとの事です。

「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装のための費用は、650億ルーブルに達するようです。
ただし、この金額には新型の各種機器の開発費用300億ルーブルも含まれており、純粋な工事費用は350億ルーブルになりますが。

因みに、重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」の大規模な近代化改装の総費用が約500億ルーブルです。
[近代化改装中のロシア海軍の重原子力ロケット巡洋艦アドミラル・ナヒーモフは2017年に大型機器の設置を開始する]

更に今回、ロシア連邦副首相(ロシア防衛産業統括)ドミトリー・ロゴージン氏は、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装において主要打撃複合体(グラニート)は回復されるかもしれないと発言しました。
[有翼ミサイル複合体グラニートは軍備採用30周年を迎えた]
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この場合は、「グラニート」を新型のミサイル発射機~おそらくは「オーニクス」/「カリブル」両用発射機3S-14UKSKへ換装するという事のようです。
[ロシア海軍の超音速対艦ミサイル"オーニクス"は近代化される]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]


これまで「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装において、対空兵装(高射複合体)を新たなものに換装するという話は出ていましたが、打撃有翼ミサイルに関する情報が出たのは初めてです。
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