ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻が近代化改装され、72基の巡航ミサイルを搭載する

『イズベスチヤ』より
2017年3月28日0時1分配信
【「棒パン」は汎用武器を得る】
プロジェクト「アンテイ」潜水艦は、同時に地上、水中、水上の敵を破壊できるようになる。

プロジェクト949「アンテイ」型打撃原子力潜水艦は、敵の艦船グループを破壊するのみならず、沿岸目標へ大規模なミサイル打撃を与える事が可能になる。
その威力から「空母キラー」と仇名される原子力潜水艦は、高度な近代化の際に汎用発射装置を得る。
それは、新たなミサイル~有翼の「カリブル」と超音速の「オーニクス」の発射を保障する。
(ロシア)海軍総司令部が『イズベスチヤ』へ話したように、「アンテイ」の再装備の決定は既に採択されている。
(ロシア)海軍に在籍する8隻のプロジェクト949A原子力潜水艦の内の4隻が今年から近代化を開始する。
作業は、ボリショイ・カーメニ湾に位置する極東工場『ズヴェズダー』で実行される。
潜水艦の側面に配置された超音速対艦有翼ミサイル「グラニート」(NATO分類SS-N-19シップレック-「難破船」)発射装置は、汎用発射装置に換装される。
このような換装の技術は非常に簡単なものである。
原子力潜水艦の対艦ミサイル「グラニート」発射装置を利用し、3基の新たな汎用発射装置を挿入する。
これは、艦の弾数の増加を可能にするのみならず、2つのタイプのミサイルを同時に使用できるようになる。
近代化される「アンテイ」の総弾数は24基から72基に増加する。
プロジェクト949潜水艦は、世界の大洋へのアメリカの航空母艦連合部隊の展開への回答としてソヴィエト社会主義共和国連邦が作成した。
1隻の「アンテイ」は24基の「グラニート」を発射し、700kmまでの距離で目標艦隊を沈める事が出来る。
潜水艦は、敵潜水艦の狩猟からの独自の防衛を可能にする充分に強力な魚雷兵装を有している。
潜水艦の特徴的な外見は、軍事船員から「棒パン」の愛称を得た。
プロジェクト941「アクラ」潜水艦(NATO分類-タイフーン)の後の「アンテイ」は、世界最大の原子力潜水艦である。
その全長は150メートルを超え、「棒パン」の排水量は24000トンになる。
比較の為に、アメリカの原子力潜水艦「ロサンゼルス」型の数値は109メートルと7000トンである。
軍事科学アカデミー教授ワジム・コジュリンは、シリア作戦は、高精度兵器の使用の可能性を示したと『イズベスチヤ』へ話した。
初めてロシア海軍は、敵の砲火の応戦が届かない状態を保ち、大きな行動半径の有翼ミサイルを複合的に使用した。
「ロケット潜水艦プロジェクト949の近代化について話しますと、これは、我々の軍が、アメリカの原子力潜水艦オハイオ型の同類の作成を考えている事を示しています」
ワジム・コジュリンは話した。
「オハイオ-これは戦略水中ロケット艦です。
しかしながら、このプロジェクトの潜水艦の一部は、特別な近代化を行ないました。
今、それは有翼ミサイルBGM-109トマホークを発射できます。
各艦は、154基までの有翼ミサイルを搭載できます。
我々は、その2分の1です。
しかし、敵の艦隊と沿岸インフラに全て等しく重大な損害を与えます」
ミサイル「カリブル」は、シリアの対テロリスト作戦中に初めて示された。
その助力を得てカスピ小艦隊は一度ならず「イスラム国」(ロシアでは非合法)のテロリスト目標を距離2500kmで成功裏に撃破した。
更に2015年11月、地中海エリアから黒海艦隊のディーゼル潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は、過激派のポジションへ「カリブル」を「撃った」

現在、沿海地方のボリショイ・カーメニ市に在る極東工場『ズヴェズダー』では、プロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII)の近代化改装が行なわれています。
[オスカーII級ミサイル原潜は「オーニクス」と「カリブル」を装備する]
[太平洋艦隊のオスカーII級原潜3隻は2020年までに近代化される]
現在までに太平洋艦隊の2隻の949A:「イルクーツク」と「チェリャビンスク」が『ズヴェズダー』へ回航され、近代化改装工事が進められています。
[沿海地方のボリショイ・カーメニでロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)の近代化改装が行なわれている]
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは汎用ミサイル発射機を装備する]
[オスカーII級原潜イルクーツクは高度な近代化を実施する]
[ロシア太平洋艦隊の3隻の原潜は近代化改装の為に移送された]
近代化される949Aは、有翼ミサイル「オーニクス」と「カリブル」の両方を運用できる汎用ミサイル発射機を装備しますが、将来的には、この汎用発射機から極超音速ミサイル「ツィルコン」も発射できるようになります。
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)は近代化改装により極超音速対艦ミサイル"ツィルコン"を装備する]

現在、ロシア海軍には、合計で8隻のプロジェクト949Aが在籍していますが(北方艦隊に3隻、太平洋艦隊に5隻)、有翼ミサイル発射機を換装する大規模な近代化改装が行なわれるのは、この内の半分~4隻に留まるようです。
近代化改装は極東工場『ズヴェズダー』でのみ行なわれるようですから、近代化される4隻の949Aは全て太平洋艦隊所属艦となる可能性が高いでしょう。
(北方艦隊所属の3隻は、寿命延長近代化改装は行なっている)
プロジェクト949Aは24基の「グラニート」発射機を装備していますが、これに代わり、3連装のオーニクス/カリブル汎用発射機が装備され、合計で72基の有翼ミサイルを搭載可能となります。
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