ロシア海軍の艦載ヘリコプターKa-27とKa-29の近代化改修には重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフのシリア遠征の経験が生かされる

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年3月30日16時23分配信
【Ka-27の近代化の際には「アドミラル・クズネツォフ」のヘリコプターの特性が考慮に入れられる】
クメルタウ(バシコルトスタン)、3月30日-ロシア通信社ノーボスチ

航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」シリア航海中の艦上ヘリコプター運用の経験は、Ka-27Ka-29を近代化する際に考慮に入れられる。
木曜日、ホールディングス『ロシアン・ヘリコプターズ』総取締役アンドレイ・ボギンスキーは報道陣へ伝えた。

1月6日、ロシア連邦軍参謀総長ワレリー・ゲラシモフは、「アドミラル・クズネツォフ」率いる艦船グループは指示された任務を遂行し、常時駐留地へ戻ると発表した。
「アドミラル・クズネツォフ」航空団は2月3日に駐留飛行場へ到着した~航空機Su-33MiG-29K、更にはヘリコプターKa-52、Ka-29、Ka-27は、航空母艦の甲板からセヴェロモルスクへの移動飛行を行なった。

「確かに、それは理にかなっております」
ボギンスキー
は、シリアでの経験はKa-27Ka-29の近代化に生かされるのかという特派員の質問に答え、こう話した。

彼は、『ロシアン・ヘリコプターズ』は更に、特定の艦船へヘリコプターKa-226Tの艦上ヴァージョンを配置する可能性に関し、ロシア連邦国防省や他の治安機関と常時話し合っていると付け加えた。

多目的機Ka-27の様々な派生型は、海軍航空隊ヘリコプター部隊の基礎となっている。
これらは、海上の空中偵察、艦船グループの対潜防護、潜水艦及び水上艦の捜索、探知、追尾、撃破を提供し、海上で遭難した航空機、艦船の乗組員の捜索と救助を行ない、更には艦船グループの活動を保障する為の輸送任務を遂行する。

艦上ヘリコプターKa-27は、様々なクラスの艦に駐留して対潜防衛任務を果たす為に意図されている。
それは、現代の潜水艦及び水上艦の探知、データの艦及び沿岸の指揮所への転送、更には機上攻撃手段を使用して目標を攻撃する事が出来る。

また、Ka-29は、医療後送、人員や貨物輸送の為に使用できる。
ヘリコプターは、16名までの揚陸隊員あるいは4名分の担架を含む10名の負傷者を乗せる事が出来る。
機体は、輸送キャビンで2トンまでの貨物、或いは外部吊下装置で4トンまでの貨物を輸送できる。



現在、ロシア海軍は、カモフ艦載対潜ヘリコプターKa-27PLを約50機程度保有しており、北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊海軍航空隊で運用されています。
これらのKa-27PLは、電子機器を換装する近代化改装が行なわれ、Ka-27Mへアップグレードされます。
[ロシア海軍の艦載ヘリコプターKa-27PLとKa-27PSが近代化される]
[ロシア海軍航空隊の長距離対潜哨戒機Tu-142及び対潜ヘリコプターKa-27は2020年までに全機が近代化される]

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2016年12月19日、近代化されたKa-27Mの第1号機がロシア海軍へ引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mの第1号機を受領した]

その後、残りの7機も2016年12月末~2017年1月初頭までに引き渡されました。
[ロシア海軍航空隊は8機の近代化された艦載ヘリコプターKa-27Mを受領した]

この計8機のKa-27Mの内の6機は、北方艦隊へ配備されるようです。
[ロシア海軍北方艦隊は2017年に6機の近代化された艦上ヘリコプターKa-27Mを受け取る]

Ka-27Mへの近代化改修作業は『クメルタウ航空機製造事業』で実施されていますが、同社の製造ラインでは、1年間に8機程度のKa-27の近代化改修が可能との事です。
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[ロシアン・ヘリコプターズはロシア海軍航空隊の為、1年に8機のヘリコプターKa-27を近代化改修できる]


対潜ヘリコプターKa-27の派生型である戦闘輸送ヘリコプターKa-29は、プロトタイプKa-252TBが1976年7月28日に初飛行した後、1984年から1991年までにクメルタウ工場で59機が生産されました。
海軍への軍備採用(制式採用)は1987年8月8日です。

ソ連邦時代には、プロジェクト1174大型揚陸艦(イワン・ロゴフ型)へ搭載されていましたが、1990年代以降に1174が退役した為、搭載艦が無くなり、殆どが予備役として保管されました。
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現在、ロシア海軍が保有するKa-29は28機ですが、稼働状態に在るのは一部の機体のみです。
こちらも大規模な修理を行ない、各艦隊の航空隊へ復帰させる事になりました。

2016年12月、太平洋艦隊向けのKa-29の修理が完了し、沿海地方へ送られました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の艦載輸送戦闘ヘリコプターKa-29が修復された]
[ロシア海軍太平洋艦隊は修復された戦闘輸送ヘリコプターKa-29を受領する]


[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]

北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日に地中海東部(シリア沖)へ向けて出航し、2017年2月8日に帰港しました。

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。
以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。

艦上対潜ヘリコプターKa-27艦上輸送ヘリコプターKa-29「アドミラル・クズネツォフ」航空隊の一員としてシリア沖等で対潜哨戒や捜索救助、輸送任務を遂行しました。

この「アドミラル・クズネツォフ」シリア遠征時のヘリコプター運用の経験も、今後のKa-27Ka-29の近代化改修の参考にされるようです。
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