ロシア海軍向けミストラル型の詳細が公表された
- カテゴリ:ヘリコプター揚陸ドック艦ミストラル級
『アルムス-タス』より。
【ロシア海軍の汎用揚陸艦「ミストラル」型プロジェクトの新たな詳細が公表された】
モスクワ、7月23日(アルムス-タス)
造船企業DCNSは、ロシア海軍の為に建造する排水量22000トンの汎用揚陸艦「ミストラル」型プロジェクトの幾つかの特性について公表した。
2011年1月にフランス・ロシア政府間で署名された契約に従い、2011年6月、DCNSとロシア兵器輸出公社(ロソボロネクスポルト)は、フランスで2隻の汎用揚陸艦を建造する契約を締結した。
DCNS社は主要請負業者であり、更に、統合艦船戦闘情報管理システムと通信システムに責任を持つ。
フランスの企業「STXフランス」はDCNSの下請けとして艦を建造する。
アルムス-タス代理人が得たDCNSの情報によると、ロシア海軍の必要条件による汎用揚陸艦の構造変更リストは、現在、非常に高度な契約段階にある。
第1段階の作業は4月に完了し、同プロジェクトの事前設計審査の予備分析が提供された。
その後、艦の構造の詳細な研究を含む第2段階が始まり、2012年9月に完了する計画である。
ロシアの必要条件により提供される汎用揚陸艦の構造変更には、艦上配置ヘリコプターKa-29K及びKa-52Kに関するものも含まれる。
艦はまた、北極圏条件下で運航する為、飛行甲板の結氷を溶かす手段として発電システムの出力は増加する。
全ての艦管理システム及び信号パネルはロシア語に翻訳される。
汎用揚陸艦の艦上には、ロシアの指揮及び通信機器システムが設置される。
通信システムは、フランス及びロシアの設備を統合し、幾つかの種類の機器はサン・ナゼールで艦に設置され、艦がロシアへ引き渡された後、幾つかが追加される。
ロシアは、サン・ナゼールで統合艦船戦闘情報管理システムの供給を受け、それは艦の建造過程において設置される。
確認されているように、艦上の主要電波位置特定ステーション(レーダー)は、既にフランス海軍の3隻の汎用揚陸艦に設置されている「タレス」社のG-バンドステーション「MRR-3D-NG」となる。
アルムス-タスがDCNSから得た艦の画像によると、艦に設置される自己防衛武器の一部には、艦首右側及び艦尾に30mm速射自動砲AK-306、更には、既に使用されている「イグラ」に類似する高射ミサイル3M47の為の回転砲塔装置「ギブカ」が有る。
兵器システムは、艦がロシアへ引き渡された後に設置されるが、(兵器の)配置、据え付け場所及びケーブル回線を含めた必要な全ての準備作業は、フランスで実施される。
ただし、サン・ナゼールのSTXフランス造船所でロシア海軍の為の最初の艦の船体が完成するまでに、汎用揚陸艦の設計変更作業は完了段階となる事をDCNSは強調した。
今年9月、最初の100トンの船体ブロックの準備が整い、2013年初頭にキールブロックは据え付けられ、組み立ての初期段階を迎える。
2隻の「ミストラル」建造には、ロシアの統合造船業営団も参加する。
DCNSが伝えた所によると、それは「各艦の船体船尾の12ブロックを建造します」
最初の汎用揚陸艦「ウラジオストク」は2014年に、2隻目の「セヴァストーポリ」は2015年末にロシア連邦海軍へ納入される。
フランス側は、 契約に従い、ロシアへ水上艦の技術を供与する。
その後、これらの技術は、ロシアの造船所における汎用揚陸艦「ミストラル」2隻の建造に使用される。
3隻目と4隻目の汎用揚陸艦「ミストラル」型の建造は、ロシアが独自に実施する。
汎用揚陸艦「ミストラル」は、4つの任務を一度に行なえる。
それはヘリコプター搭載運用、兵員の地上への揚陸、指揮センター、水上病院である。
排水量は21,000トン、船体最大長210m、速力18ノット以上である。航続距離は最大で20000海里。
乗組員は160名であり、更にヘリコプターと450名を収容可能である。
航空隊は16機のヘリコプターから成り、同時に6機の飛行甲板からの発着が可能である。
艦の貨物デッキには、40輌の戦車或いは70台のトラックを収容できる。
(2012年7月23日11時12分配信)
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ヘリ空母ミストラル型]
ロシアがフランスの指揮・戦力投射艦「ミストラル」型を購入するかもしれないという話が最初に出たのは、2009年8月初頭でした。
[ロシア海軍、フランス艦を購入?]
ロシア向けの「ミストラル」型の売買契約が締結されたのは、それから約2年後の事でした。
『ロシア通信社ノーボスチ』2017年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】
ロシア海軍向け「ミストラル」1番艦は今年2月1日にフランスのサン・ナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]
船体の一部(艦尾)はロシアの造船所で建造されます。
[バルト工場はヘリ空母ミストラル級の船体ブロック建造を8月から開始する]
[ロシアにおけるヘリ空母ミストラルの船体建造は27億ルーブル掛かるだろう]
これまでの報道を総合すると、ロシア海軍向け「ミストラル」型の建造手順は、こうなるようです。
1:フランスのサン・ナゼール造船所で艦の主要部分を建造
2:ロシアのサンクトペテルブルク市のバルト工場で艦尾部分を建造
3:サンナゼール造船所で船体を結合、兵器以外のロシア製機器も設置
4:ロシア本国の造船所へ回航して兵装を搭載

ロシア海軍向け「ミストラル」型のCG
【ロシアの指揮・戦力投射艦】
飛行甲板上に駐機しているヘリコプター(9機)は、全て対潜ヘリコプターKa-27になっています。
ロシア海軍の「ミストラル」級には、現用の主力艦載ヘリコプターKa-27の近代化タイプKa-27Mが搭載されるようです。
[ロシア海軍は艦載ヘリコプターKa-27Mを発注する]
固定兵装は、今のところ、30mmガトリング砲AK-306(AK-630?)と近接対空ミサイル「ギブカ」のみのようです。
近接対空ミサイル「ギブカ」と30mmガトリング砲AK-306

『Lenta.Ru』より
2012年7月20日11時47分配信
【フランスはロシアの為の「ミストラル」建造について語った】
ロシア海軍の「ミストラル」型は、ローターマストが高い二重反転式ローターのカモフ社製ヘリコプターKa-29やKa-52Kを搭載する為、格納庫(の高さ)が拡大されるとの事です。
ロシア海軍の「ミストラル」型での運用が予定されているカモフ社製ヘリコプターの全高は、以下の通りです。
対潜ヘリコプターKa-27:5.40m
輸送戦闘ヘリコプターKa-29:5.40m
多用途打撃ヘリコプターKa-52:4.90m
Ka-29(左)とKa-27(右)

「ミストラル」型(フランス海軍)

この状態でヘリコプター格納庫を高くすれば、その下にある車輌積載スペースが削られる事になりますが・・・
【ロシア海軍の汎用揚陸艦「ミストラル」型プロジェクトの新たな詳細が公表された】
モスクワ、7月23日(アルムス-タス)
造船企業DCNSは、ロシア海軍の為に建造する排水量22000トンの汎用揚陸艦「ミストラル」型プロジェクトの幾つかの特性について公表した。
2011年1月にフランス・ロシア政府間で署名された契約に従い、2011年6月、DCNSとロシア兵器輸出公社(ロソボロネクスポルト)は、フランスで2隻の汎用揚陸艦を建造する契約を締結した。
DCNS社は主要請負業者であり、更に、統合艦船戦闘情報管理システムと通信システムに責任を持つ。
フランスの企業「STXフランス」はDCNSの下請けとして艦を建造する。
アルムス-タス代理人が得たDCNSの情報によると、ロシア海軍の必要条件による汎用揚陸艦の構造変更リストは、現在、非常に高度な契約段階にある。
第1段階の作業は4月に完了し、同プロジェクトの事前設計審査の予備分析が提供された。
その後、艦の構造の詳細な研究を含む第2段階が始まり、2012年9月に完了する計画である。
ロシアの必要条件により提供される汎用揚陸艦の構造変更には、艦上配置ヘリコプターKa-29K及びKa-52Kに関するものも含まれる。
艦はまた、北極圏条件下で運航する為、飛行甲板の結氷を溶かす手段として発電システムの出力は増加する。
全ての艦管理システム及び信号パネルはロシア語に翻訳される。
汎用揚陸艦の艦上には、ロシアの指揮及び通信機器システムが設置される。
通信システムは、フランス及びロシアの設備を統合し、幾つかの種類の機器はサン・ナゼールで艦に設置され、艦がロシアへ引き渡された後、幾つかが追加される。
ロシアは、サン・ナゼールで統合艦船戦闘情報管理システムの供給を受け、それは艦の建造過程において設置される。
確認されているように、艦上の主要電波位置特定ステーション(レーダー)は、既にフランス海軍の3隻の汎用揚陸艦に設置されている「タレス」社のG-バンドステーション「MRR-3D-NG」となる。
アルムス-タスがDCNSから得た艦の画像によると、艦に設置される自己防衛武器の一部には、艦首右側及び艦尾に30mm速射自動砲AK-306、更には、既に使用されている「イグラ」に類似する高射ミサイル3M47の為の回転砲塔装置「ギブカ」が有る。
兵器システムは、艦がロシアへ引き渡された後に設置されるが、(兵器の)配置、据え付け場所及びケーブル回線を含めた必要な全ての準備作業は、フランスで実施される。
ただし、サン・ナゼールのSTXフランス造船所でロシア海軍の為の最初の艦の船体が完成するまでに、汎用揚陸艦の設計変更作業は完了段階となる事をDCNSは強調した。
今年9月、最初の100トンの船体ブロックの準備が整い、2013年初頭にキールブロックは据え付けられ、組み立ての初期段階を迎える。
2隻の「ミストラル」建造には、ロシアの統合造船業営団も参加する。
DCNSが伝えた所によると、それは「各艦の船体船尾の12ブロックを建造します」
最初の汎用揚陸艦「ウラジオストク」は2014年に、2隻目の「セヴァストーポリ」は2015年末にロシア連邦海軍へ納入される。
フランス側は、 契約に従い、ロシアへ水上艦の技術を供与する。
その後、これらの技術は、ロシアの造船所における汎用揚陸艦「ミストラル」2隻の建造に使用される。
3隻目と4隻目の汎用揚陸艦「ミストラル」型の建造は、ロシアが独自に実施する。
汎用揚陸艦「ミストラル」は、4つの任務を一度に行なえる。
それはヘリコプター搭載運用、兵員の地上への揚陸、指揮センター、水上病院である。
排水量は21,000トン、船体最大長210m、速力18ノット以上である。航続距離は最大で20000海里。
乗組員は160名であり、更にヘリコプターと450名を収容可能である。
航空隊は16機のヘリコプターから成り、同時に6機の飛行甲板からの発着が可能である。
艦の貨物デッキには、40輌の戦車或いは70台のトラックを収容できる。
(2012年7月23日11時12分配信)
[ヘリ空母ミストラル型(旧ブログ)]
[ヘリ空母ミストラル型]
ロシアがフランスの指揮・戦力投射艦「ミストラル」型を購入するかもしれないという話が最初に出たのは、2009年8月初頭でした。
[ロシア海軍、フランス艦を購入?]
ロシア向けの「ミストラル」型の売買契約が締結されたのは、それから約2年後の事でした。
『ロシア通信社ノーボスチ』2017年6月17日17時11分配信
【ロシアとフランスは、ヘリコプター空母「ミストラル」に関する契約を締結する】
ロシア海軍向け「ミストラル」1番艦は今年2月1日にフランスのサン・ナゼール造船所で起工されました。
[ロシア海軍向けヘリ空母「ミストラル」型1番艦は起工される]
船体の一部(艦尾)はロシアの造船所で建造されます。
[バルト工場はヘリ空母ミストラル級の船体ブロック建造を8月から開始する]
[ロシアにおけるヘリ空母ミストラルの船体建造は27億ルーブル掛かるだろう]
これまでの報道を総合すると、ロシア海軍向け「ミストラル」型の建造手順は、こうなるようです。
1:フランスのサン・ナゼール造船所で艦の主要部分を建造
2:ロシアのサンクトペテルブルク市のバルト工場で艦尾部分を建造
3:サンナゼール造船所で船体を結合、兵器以外のロシア製機器も設置
4:ロシア本国の造船所へ回航して兵装を搭載

ロシア海軍向け「ミストラル」型のCG
【ロシアの指揮・戦力投射艦】
飛行甲板上に駐機しているヘリコプター(9機)は、全て対潜ヘリコプターKa-27になっています。
ロシア海軍の「ミストラル」級には、現用の主力艦載ヘリコプターKa-27の近代化タイプKa-27Mが搭載されるようです。
[ロシア海軍は艦載ヘリコプターKa-27Mを発注する]
固定兵装は、今のところ、30mmガトリング砲AK-306(AK-630?)と近接対空ミサイル「ギブカ」のみのようです。
近接対空ミサイル「ギブカ」と30mmガトリング砲AK-306

『Lenta.Ru』より
2012年7月20日11時47分配信
【フランスはロシアの為の「ミストラル」建造について語った】
ロシア海軍の「ミストラル」型は、ローターマストが高い二重反転式ローターのカモフ社製ヘリコプターKa-29やKa-52Kを搭載する為、格納庫(の高さ)が拡大されるとの事です。
ロシア海軍の「ミストラル」型での運用が予定されているカモフ社製ヘリコプターの全高は、以下の通りです。
対潜ヘリコプターKa-27:5.40m
輸送戦闘ヘリコプターKa-29:5.40m
多用途打撃ヘリコプターKa-52:4.90m
Ka-29(左)とKa-27(右)

「ミストラル」型(フランス海軍)

この状態でヘリコプター格納庫を高くすれば、その下にある車輌積載スペースが削られる事になりますが・・・
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