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セヴェロドヴィンスク(とムルマンスク)の艦船修理工場は、ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフをシリア軍事作戦へ参加させる為の準備を行なった

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『タス通信』より
2017年3月31日9時53分配信
【ロゴージンはシリア航海の為に「アドミラル・クズネツォフ」を準備した造船業者へ感謝の意を表した】
セヴェロドヴィンスク、3月31日/タス通信

副首相ドミトリー・ロゴージンは、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」ロシア軍シリア作戦へ参加する為の準備を整えた艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の従業員の功績を高く評価した。

「短期間で重航空巡洋艦アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフを復帰させた貴方達の作業のお蔭により、我が国は成功裏にシリア軍事作戦の一部を実行する事が出来ました」
彼は、同社の従業員の表彰式典において強調した。
「これは、間接的なものを含め、貴方達の努力によるものであり、『ズヴェズドーチカ』は、他の防衛産業企業と協力し、課題に対処しました」
ロゴージン
は話した。
副首相は、ただ単に同艦を運航及び戦闘への使用の為に短期間で復帰させただけでは無く、新たな艦上航空機MiG-29K航空団で使用する為に適応させた事を強調した。

ロゴージンは5人へ「海上活動における功績」勲章を授与し、更に、ロシア連邦政府海洋委員会を代表して感謝の意を伝えた。
「今日、戦闘任務に関するこの作業で貴方達を祝福する事は大いなる喜びであり、ロシア連邦政府海洋委員会に代わり、貴方達を表彰する事を嬉しく思います」
副首相は話した。
「貴社の労働者、設計者、エンジニアのお蔭で、貴社へ速やかに押し寄せた課題を解決する事が出来ました。
それは、今年末までに採択されなければならない新たな国家軍備プログラムの枠組みにおいても解決されるでしょう」


ロシア連邦大統領の指示により、2016年1月から10月まで、株式会社『艦船修理工場ズヴェズドーチカ』は、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」の修理と近代化の作業を実行した。
実行期間は短縮され、回復作業に求められる企業の生産能力と組織的リソースは大規模に動員された。
課題遂行の為、数千名の高度熟練労働者と専門技術者が参加し、組織的な3交代モードで作業が行なわれた。

巡洋艦の航海の準備は、作業実行期間中に同艦が運用から外されなかった為、困難であった。
巡洋艦の乗組員の居住の保障及び戦闘訓練の活動の為、修理作業は非常に慎重な調整を必要とした。



[空母アドミラル・クズネツォフ第6次地中海遠征(2016年10月-2017年2月)]
北方艦隊重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」を中核とする航空打撃艦グループは、2016年10月15日に地中海東部(シリア沖)へ向けて出航し、2017年2月8日に帰港しました。

2016年11月15日には初めてシリアへの空爆作戦へ参加し、イドリブ県『アル=ヌスラ戦線』の施設を爆撃しました。


以後、2017年1月初頭までシリア領内のテロ組織(『イスラム国』『アル=ヌスラ戦線』)への空爆作戦へ参加しました。

無論、「アドミラル・クズネツォフ」にとっては、1991年1月20日の就役以来初の実戦参加となりました。

「アドミラル・クズネツォフ」航空隊は、2016年11月8日から2017年1月6日までの約2ヶ月間に、420回の戦闘飛行(内117回は夜間)と、750回の捜索救助、航空輸送支援の為の飛行を行ない、シリア領内テロ組織の施設1252を破壊しました。

この間、2016年11月13日と12月5日に艦上戦闘機MiG-29KRSu-33を事故で失いました。
[ロシア海軍空母アドミラル・クズネツォフの艦上戦闘機事故(2016年11月13日/12月5日)・続報]


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重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、シリア遠征へ出発する前の2016年1月初頭から、セヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』の傘下に有るムルマンスク第35艦船修理工場でオーバーホール(技術的準備状態の回復)及び部分的な近代化改装作業の第1段階が行なわれました。
[ロシア海軍唯一の空母アドミラル・クズネツォフは就役25周年を祝った]

このオーバーホールの際、「アドミラル・クズネツォフ」には、艦上戦闘機MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用する為の新たな慣性航法システムが設置されました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは艦上戦闘機MiG-29K/KUBを運用する為の新型システムを搭載する]

オーバーホールの第1段階を終えた「アドミラル・クズネツォフ」は、2016年6月15日に第35艦船修理工場の岸壁を離れ、コラ湾(セヴェロモルスク沖泊地)へ進出しました。
[ロシア海軍の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフはムルマンスク修理工場岸壁を離れ、コラ湾へ進出した]
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフは海上での訓練後にムルマンスク艦船修理工場へ戻る]

その後、バレンツ海へ進出し、7月1日から艦載機(艦上戦闘機Su-33)の飛行訓練が始まりました。
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の飛行訓練が始まった]
[ロシア海軍の正規空母アドミラル・クズネツォフの艦載機の発着艦訓練が始まった]

2016年8月8日には第100独立艦上戦闘機航空連隊艦上戦闘機MiG-29KRが初めて「アドミラル・クズネツォフ」へ着艦しました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフへ初めて艦上戦闘機MiG-29KRが着艦した]

「アドミラル・クズネツォフ」は8月12日にムルマンスク第35艦船修理工場へ戻り、9月26日までオーバーホール(技術的準備状態の回復)及び部分的な近代化改装作業の第2段階(MiG-29KR/MiG-29KUBRを運用できるようにする為の改修の仕上げなど)が実施されました。
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[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフのオーバーホールは2016年9月末に完了する]
[ロシア海軍の重航空巡洋艦(空母)アドミラル・クズネツォフは2016年10月中旬にシリア沖へ向かう?]

「アドミラル・クズネツォフ」は2016年10月初頭までバレンツ海で新たな慣性航法システムなどの動作点検を行ないました。
[ロシア海軍の空母アドミラル・クズネツォフはシリア沖へ向かう前に新型艦載システムの試験を行なう]

その後、2016年10月初頭に第35艦船修理工場へ戻り、シリア遠征へ出発する為の各種物資の積み込みが行なわれました。
[ロシア海軍北方艦隊の重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近影(2016年10月8日)]


そして2017年3月31日、セヴェロドヴィンスクを訪れたロシア連邦副首相ドミトリー・ロゴージン氏は、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』「アドミラル・クズネツォフ」のオーバーホールに関わった従業員の表彰式へ出席しました。
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「アドミラル・クズネツォフ」のオーバーホールを行なったのは、『ズヴェズドーチカ』傘下のムルマンスク第35艦船修理工場ですが、『ズヴェズドーチカ』本社からも技術者などが応援に派遣されていたようです。

第35艦船修理工場には、元「アドミラル・クズネツォフ」艦長で2007年12月~2008年2月の同艦の地中海遠征にも航海指揮官として参加したアレクサンドル・トゥリーリン少将が退役後に「再就職」しており、「アドミラル・クズネツォフ」のオーバーホール作業のチーフを務めました。
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』公式ブログより
2016年6月30日9時52分配信
【「アドミラル・クズネツォフ」航海前夜】
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