ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはアジア太平洋地域への遠洋航海へ出発した

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2017年4月1日6時10分配信
【親衛巡洋艦「ワリャーグ」は遠距離航海へ出航した】
太平洋艦隊旗艦の航海はロシア連邦軍の国際軍事協力計画に沿って実施され、2ヶ月以上に渡って続く。
遠洋航海中に同艦は外国の港へ7回の非公式訪問及び業務寄港を行なう。
航海の主な目的は、アジア太平洋地域における聖アンドレイ旗のデモンストレーションと、アジア太平洋地域諸国との海軍協力の更なる発展にある。
遠距離航海の為の同艦の準備には、乗組員の長期かつ緊張した作業が含まれ、現在、駐留地及び日本海の太平洋艦隊の戦闘訓練射爆場における訓練の完全なサイクルは終了している。
複合戦闘演習における乗組員の統制、高射ミサイル複合体を用いた空中攻撃手段からの攻撃の撃退、海上及び空中目標への複合砲射撃の実施、対潜及び対水中工作防衛演習の実施、艦の生存の為の闘争(ダメージコントロール)訓練、艦載ヘリコプターとの連携、司令部要員の部下の管理技量の維持へ取り組んだ。
この数日間に渡り、親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、太平洋艦隊司令部及びロシア海軍総司令部の代表から成る作業委員会による遠洋航海の為の艦と乗組員の準備状態の点検を受けた。
ロシア太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(011、1990年2月28日就役)は、2015年11月2日にウラジオストクを出航してインドへ向かい、インド海軍との合同演習『インドラ ネイヴィー-2015』へ参加しました。
[ロシア-インド海軍合同演習『インドラ・ネイヴィー-2015』(2015年12月)]
2015年12月29日には「ナヒーモフ勲章」を授与されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはナヒーモフ勲章を授与される]
2016年1月初頭には地中海東部へ入り、シリア沖へ展開しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはシリア沖で戦闘任務に就いている]
2016年6月には極東へ戻り、オホーツク海の演習へ参加した後、7月18日にウラジオストクへ帰港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは長期航海を終えてウラジオストクへ帰港した]
その後はウラジオストクで整備が行なわれていたようであり、2017年2月7日に戦闘訓練の為、出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは海上戦闘訓練の為に出航した]
2月9日に対空戦闘訓練を行ないました。
この時、東方軍管区(おそらくは沿海地方の第22戦闘機航空連隊)所属の戦闘機Su-35Sが仮想敵役を務めました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは戦闘機Su-35と対空戦闘訓練を行なった]
2月13日にはピョートル大帝湾で対地、対艦、対空砲撃訓練を実施しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはピョートル大帝湾で砲撃訓練を行なった]
その後、「ワリャーグ」は一旦ウラジオストクへ帰港したようですが、3月6日に太平洋艦隊司令官セルゲイ・アヴァキャンツ提督や太平洋艦隊司令部要員を乗せて再び訓練のために出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグは太平洋艦隊司令官の座乗の下に海上での訓練を行なう]
2017年3月18日には戦隊水雷艇(駆逐艦)「ブイストルイ」と一緒に出航し、日本海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で対潜戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練にはソヴィエツカヤ・ガヴァニ近郊のカーメニ・ルチェイ基地に駐留する海軍航空隊の対潜哨戒機Tu-142M3も参加し、更に、太平洋艦隊所属のプロジェクト877潜水艦(キロ級)が「敵役」を務めました。
3月28日にも「ワリャーグ」と「ブイストルイ」は一緒に出航し、今度は各種防空戦闘訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグと戦隊水雷艇(駆逐艦)ブイストルイは日本海で防空戦闘訓練を行なった]
戦闘訓練には太平洋艦隊の海軍航空隊所属の迎撃戦闘機MiG-31と対潜ヘリコプターKa-27PLも「空中標的」として参加しました。
そして2017年4月1日午前、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」は、アジア太平洋地域への遠洋航海へ向かう為、ウラジオストクを抜錨しました。

今回の太平洋艦隊広報部発表では触れられていませんが、「ワリャーグ」には救助曳船「フォーチー・クルイロフ」と中型海洋給油船「ペチェンガ」が随伴するようです。
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」

救助曳船「フォーチー・クルイロフ」

中型海洋給油船「ペチェンガ」

救助曳船「フォーチー・クルイロフ」(1989年6月29日就役)は、昨年(2016年)3月末~8月初頭の大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」の太平洋・インド洋遠征へ参加しています。
[大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフ遠距離航海(2016年3月-8月)]
中型海洋給油船「ペチェンガ」(1979年1月10日就役)は、昨年(2016年)9月に南シナ海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2016』へ参加しました。
[ロシア・中国海軍合同演習『海洋協同-2016』(2016年9月)]
今回の発表では具体的な国名は明らかにされていませんが、「ワリャーグ」支隊はアジア太平洋地域の7ヵ国を訪問するとの事です。
フィリピンのドゥテルテ大統領は、ロシア海軍の艦船は自由にフィリピン領海へ入っても良いと表明しているので、「7ヵ国」の内の1国はフィリピンかもしれません。
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