ロシア海軍の将来フリゲート・プロジェクト22350M(超ゴルシコフ型)の排水量は6500トンになる

『イズベスチヤ』より
2017年4月5日20時30分配信
【「スペル-ゴルシコフ」(超ゴルシコフ)は1000トン改善される】
ロシアの最新フリゲートは遠距離電波位置特定ステーション(レーダー)と追加の発射装置を受け取る。
ロシアの将来フリゲート・プロジェクト22350Mは、1000トン重くなる。
新たな戦闘艦は、プロジェクト22350フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」シリーズの発展型である。
22350Mは、未だ1隻も起工されていないが、造船業分野において、このプロジェクトは既に非公式に「スペル-ゴルシコフ」(超ゴルシコフ)の名で呼ばれている。
その排水量は「先祖」よりも1100トン以上になる。
(ロシア)海軍総本部が『イズベスチヤ』へ話したように、プロジェクト22350Mフリゲートに関する造船業界との調整は続けられている。
しかし、その排水量(艦を置き換える水の容量)は、従来の「ゴルシコフ」に比べて1100トン以上の6500トンであることは明らかである。
追加された容量は、現代的な機器の設置と戦闘能力の強化の為に必要なものである。
プロジェクト22350フリゲートの建造は2005年に始まった。
シリーズのトップ艦となる「アドミラル・ゴルシコフ」は『北方造船所』で2006年2月に起工された。
「ゴルシコフ」の納入期限は数度に渡り延期された。
その理由の1つは、130mm砲A-192Mの不準備によるものであった。
艦の排水量は5300トン、全長は135メートル、速力は29ノット、自立海上滞在期間は30日。
空中の敵からフリゲートを防護するのは、遠距離高射ミサイル複合体「リドゥート」と高射ミサイル砲複合体「パラシ」である。
「ゴルシコフ」は、130mm砲A-192Mとミサイル-超音速の「ヤーホント」と有翼の「カリブル」で水上及び地上目標を破壊する。
フリゲートの全てのミサイル兵器は、汎用垂直発射装置に収納される。
近代化されたフリゲート22350Mは、2014年12月、当時のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ大将の談話で登場した。
彼によると、(ロシア)海軍は、北極圏グループの基礎となる少なくとも15隻の「ゴルシコフ」と「スペル-ゴルシコフ」の受領を見込んでいる。
近代化されたフリゲートの概略図や模型は未だ提示されていない。
「スペル-ゴルシコフ」の画像のみは、艦載電波電子機器、通信システムと管理システムの開発者-コンツェルン『海洋情報システム-アガート』から公表された。

それは、フリゲートの上部構造物に複数の新たな電波位置特定器(レーダー)アンテナが姿を見せている。
十分な寸法と電波位置特定ステーション(レーダー)の3軸重アンテナ(X、Y、Z軸の座標目標を表示)が含まれている。
「おそらく、艦には空中目標を遠距離で探知する現代的な電波位置特定器が登場し、更には、ミサイルの為の垂直発射措置が追加されるでしょう」
雑誌『兵器輸出』編集長ミハイル・バラバノフは『イズベスチヤ』へ話した。
「間近の競合相手~フランスとイタリアのFREMM、スペインのF110、オーストラリアのAWDと比較すると、ロシアのゴルシコフは、全ての必要な兵器と機器を配置するには排水量が十分ではありません。
従いまして、プロジェクト22350Mが、それ(排水量)を増加させる事を決定したのには十分に裏付けされた理由が有ります。
その戦闘能力において、スペル-ゴルシコフは競合相手を前に高い優位性を有しております」
現在、「ゴルシコフ」は試験が行われている。
それが完了した後、フリゲートは北方艦隊の第43ロケット艦師団へ加入する事になるだろう。
更に、3隻のプロジェクト2230フリゲート「アドミラル・カサトノフ」、「アドミラル・ゴロフコ」、「アドミラル・イサコフ」が様々な準備段階に在る。
全ての作業が完了した後、「ゴロフコ」は北方艦隊へ、「イサコフ」は黒海艦隊へ加入するものと見られている。
[新世代フリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」型]
[アドミラル・ゴルシコフ型フリゲート(旧ブログ)]

ロシア海軍の為の新世代フリゲート、プロジェクト22350は、現在までにサンクトペテルブルクの「北方造船所」で4隻が起工され、この内の2隻が進水し、1番艦は洋上試験中です。
1番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・ゴルシコフ」は2006年2月1日に起工、2010年10月28日に進水し、2014年11月から洋上試験が行なわれています。
2017年3月20日には兵装試験の為に出航しました。

[ロシア海軍の最新鋭フリゲート"アドミラル・ゴルシコフ"は兵装試験の為に再びバレンツ海へ向かった]
2番艦「アドミラル・フロータ・カサトノフ」は2009年11月26日に起工、2014年12月12日に進水し、現在艤装中です。

[建造中のロシア海軍最新鋭フリゲート"アドミラル・カサトノフ"へ汎用打撃ミサイル発射機が設置された]
3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は2012年2月1日に起工され、2017年に進水が予定されています。
[ロシア海軍の為のプロジェクト22350フリゲート3番艦アドミラル・ゴロフコは2017年夏-秋頃に進水する]
4番艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・イサコフ」は2013年11月14日に起工されました。
[サンクトペテルブルク北方造船所はプロジェクト22350フリゲート「アドミラル・イサコフ」(と偵察艦「イワン・フルス」)を起工した]
現在の所、1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」が2017年(6月末)、2番艦「アドミラル・カサトノフ」は2018年末、3番艦「アドミラル・ゴロフコ」は2019年末にロシア海軍への引き渡しが予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート1番艦~3番艦は2017年~2019年にロシア海軍へ引き渡される]
4番艦「アドミラル・イサコフ」の引き渡しは2020年に予定されています。
[プロジェクト22350フリゲート2隻(3番艦と4番艦)は2020年末までにロシア海軍へ引き渡される]
5番艦以降の建造に関しては、未だ具体的な計画は策定されていないようです。
プロジェクト22350の改良型となるプロジェクト22350Mに関しては、以前から名前だけは何度も出ていました。
2014年12月には、当時のロシア海軍総司令官ヴィクトール・チルコフ提督(現在は『統合造船業営団』総裁の顧問)が、ロシア海軍は少なくとも15隻のプロジェクト22350/22350Mを受領すると発言しています。
[ロシア海軍は15隻のプロジェクト22350/22350Mフリゲートを受領する]
そして今回、プロジェクト22350Mフリゲートの(満載)排水量は6500トンとなる事が明らかにされました。
ロシア海軍が極度の財政難から未だ脱していなかった2000年代初頭に計画されたプロジェクト22350フリゲートは、建造費用を抑える為、「大洋ゾーン水上艦」としては最小のサイズに留められました。
しかし今となっては、このサイズでは不充分であると判断された為か(1番艦「アドミラル・ゴルシコフ」は未だ就役していないが、既にバルト海、白海、バレンツ海で洋上試験を行なっている)、22350Mは6500トン級の艦にする事になったようです。
プロジェクト22350Mが何時から建造を開始するのかは未だ決まっていませんが、或いは、プロジェクト22350の建造を4隻で打ち切り、以後は22350Mに切り替える可能性も考えられるでしょう。
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