寿命延長近代化改装を終えたロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは駐留基地へ戻った

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年4月11日13時27分配信
【原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」は修理後に北方艦隊潜水部隊基地へ到着した】
北方艦隊の原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」(プロジェクト949A「アンテイ」)は、計画修理を完了した後、コラ半島の常時駐留所へ到着した。
艦は4月6日にセヴェロドヴィンスクを出航し、困難な結氷状態に在る白海の水上位置とバレンツ海エリアを通過して移動を行なった。
桟橋で巡洋艦の乗組員を北方艦隊潜水艦部隊司令官ウラジーミル・グリシェチュキン少将が出迎えた。
同艦の艦長セルゲイ・ノヴォハツキー1等海佐から基地間移動の任務は成功裏に果たされたとの報告を受け、家に戻ってきた潜水艦乗りを祝福した。
乗組員はセルゲイ・ノヴォハツキー1等海佐を2016年9月に艦へ受け入れ、修理作業最終段階の実行の検査を行なった。
原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」は受領-納入試験中に海上で一連のチェックを行ない、固有の戦術-技術特性を確認した。
近い内に巡洋艦は航行試験の最終段階を実施し、深海で兵器と装備の点検を行なう。
基地及び海上での計画戦闘準備錬成任務へ移行した後、艦は常時準備部隊へ加わり、その主な目的下で指示された任務の遂行へ着手する。
『統合造船業営団』傘下の艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』での原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」の修理は3年以上続いた。
同社は、全ての艦載システム~機械部分、電波電子兵装、船体構造、主動力装置の技術的準備状態の回復を実行した。
潜水艦の原子炉には(核燃料が)再装填され、兵装複合体は修復され、更に、原子力艦の推進軸の技術的特性を回復する複雑な作業が行なわれた。
修理の結果、巡洋艦の就役期間は大幅に増加した。
原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」は、セヴェロドヴィンスクのセヴマシュ社で1989年1月19日に起工された。
1993年に北方艦隊へ加入した。
幾つかの戦闘勤務を成功裏に遂行し、何度も作戦-戦略演習へ参加した。
原子力水中ロケット巡洋艦「オリョール」は、現代的なミサイル兵装、機雷-魚雷兵装、水中音響兵装、電波光学兵装、更には改善された航法複合体を装備しており、世界の大洋の指定海域における艦の効率的な任務の遂行を可能にする。
プロジェクト949A巡洋潜水艦K-266は、1989年1月19日にセヴェロドヴィンスクの「セヴマシュ」造船所で起工されました。

1991年、「セヴェロドヴィンスク」と命名されました。
1992年5月22日に進水し、同年7月3日、「原子力水中巡洋艦」に類別変更されました。
1992年10月6日から20日まで工場航海試験が実施され、同年10月30日から国家受領試験が実施されました。
1992年12月30日、ロシア海軍への納入証書へ署名され、海軍へ引き渡されました。
1993年1月20日、ロシア海軍旗を掲揚し、正式にロシア海軍へ就役しました。
1993年1月27日に北方艦隊原潜基地ザーパドナヤ・リッツァへ到着し、2月5日に北方艦隊第1潜水艦小艦隊・第11潜水艦師団へ編入されました。

1993年4月6日、「オリョール」と改名されました。
「オリョール」Орелはロシア語で「鷲」という意味ですが、この場合は、ロシア連邦オリョール州から取られています。
K-266は、オリョール州政府の後援を受けています。
2000年8月に同型艦「クルスク」が爆沈した後、「オリョール」は「クルスク」引き揚げの為の各種リハーサルに使われました。
2003年から2004年に掛けてロスリャコヴォ村の第82艦船修理工場の大型浮きドックPD-50で修理が実施され、推進軸が交換されました。

2013年10月4日、バレンツ海で有翼ミサイル「グラニート」を発射しました。
[ロシア北方艦隊はバレンツ海で巡航ミサイル発射訓練を実施した]
2013年11月、修理の為にセヴェロドヴィンスク市の艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。

[オスカーII級原潜オリョールはオーバーホールを行なう]
2014年4月、「オリョール」の寿命延長近代化改装の為の契約が締結されました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事を行なう]
同年4月23日、セヴェロドヴィンスク市の艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」のドックへ入渠しました。
[オスカーII級原潜オリョールは寿命延長工事の為にドック入りした]

2015年4月7日、溶接作業中に艦尾の外部非耐圧殻と内部耐圧殻の間で火災が発生しました。
[セヴェロドヴィンスクの修理工場で火災が発生した]
[修理中のロシア海軍原子力潜水艦オリョールで火災が発生した]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報]
[ロシア海軍原潜オリョール火災事故・続報その2]
火災は4月7日14時14分に発生し、翌4月8日0時57分に完全に鎮火しました。
この間、火災が完全に鎮火できない為、「オリョール」が入っていたドックへの注水が行なわれました。
「オリョール」の改装工事は2015年4月中旬に再開されました。
[ロシア海軍の原潜オリョールの近代化改装工事は再開される]

2016年10月3日、「オリョール」は再び進水しました。
[火災事故に遭ったロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは再進水した]
「オリョール」は2017年4月末までに北方艦隊へ復帰する予定です。
[近代化改装される原子力水中巡洋艦オリョールは2017年4月末までにロシア海軍へ復帰する]
2017年4月6日、「オリョール」は艦船修理工場「ズヴェズドーチカ」を去り、駐留基地へ向かいました。
[ロシア海軍北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールは寿命延長近代化改装を終えて出航した]
そして4月11日に駐留基地へ到着しました。
具体的な場所には触れられていませんが、ザーパドナヤ・リッツァ基地(ザオゼルスク)の事でしょう。

今後、「オリョール」は海上で各種の試験を行ない、それが終わった後、正式に北方艦隊へ復帰するようです。
現在、ロシア海軍には8隻のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦が在籍しており(北方艦隊に3隻、太平洋艦隊に5隻)、この内の4隻が打撃有翼ミサイルを換装する大規模な近代化改装を行ないますが、「オリョール」は、この4隻には含まれていません。
(「オリョール」を含む北方艦隊所属の949Aは寿命延長近代化改装のみ)
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻が近代化改装され、72基の巡航ミサイルを搭載する]
- 関連記事
スポンサーサイト