近代化改装されるプロジェクト971M原子力巡洋潜水艦レオパルドは2018年にロシア海軍へ復帰する

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『イズベスチヤ』より
2017年4月28日0時1分配信
【静かな「超アクラ」は「カリブル」で武装する】

更新された潜水艦は、(水上)艦と潜水艦を破壊でき、更には地上目標へ高精度の打撃を与える。

来年(2018年)、(ロシア)海軍は近代化された最初のプロジェクト971M多目的原子力潜水艦K-328「レオパルド」を受領する。
更新された艦は、最新の有翼ミサイル「カリブル」、現代的な電波電子機器と強力な水中音響ステーション(ソナー)を装備する。
その特性により、「アクラ」は、最も現代的なロシア潜水艦「ヤーセン」に近づく。
軍事船員は、更新されたプロジェクト971M潜水艦へ、既に「スペルアクラ」(超アクラ)というニックネームを付けている。

海軍総司令部『イズベスチヤ』へ、契約下で4隻の艦が近代化されると話した:K-328「レオパルド」、K-461「ヴォルク」、K-391「ブラーツク」、K-295「サマーラ」
作業遂行者は、艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』(『統合造船業営団』へ加入)と定められている。
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「最初の更新されたプロジェクト971M艦レオパルドを(ロシア)海軍は2018年に受領します」
艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』
公式代理人エフゲニー・グラジシェフ『イズベスチヤ』へ話した。
「近代化された艦の技術的及び戦闘特性は、第4世代多目的原子力潜水艦の為の海軍の必要条件に適合しています」

潜水艦971Mは、輸送船、潜水艦、航空母艦を狩る事が出来、更には、沿岸施設へ打撃を与える。
当初、「アクラ」の武装には、核弾頭を有する亜音速有翼ミサイル「グラナート」が有った。
その発射は、533mm魚雷発射管を通して行なわれていた。
艦の弾数は28基のミサイルであった。
しかし、1980年代末に「グラナート」海軍の軍備から除外された。

「超アクラ」「グラナート」が有った場所は、水中からの発射の為に特別に近代化された通常弾頭を持つ有翼ミサイル「カリブル」により占められる。
このミサイルは、シリアの対テロ作戦中の2015年12月にディーゼル潜水艦B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」から初めて発射された。
(註:「カリブル」潜水艦発射ヴァージョンの事を指す)

多目的原子力潜水艦プロジェクト971(工場コード名「バルス」)は、サンクトペテルブルク設計局『マラヒート』により開発された。
艦は深度600mへの潜航が可能であり、35ノット(約時速70km)の航行速度を有し、自立航行期間は100日以上になる。
艦では100名の乗組員が勤務している。
プロジェクト971原子力潜水艦のトップは1985年に建造された。
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「アクラ」乗組員の為に、休憩室、少人数のプール付きサウナ、トレーニング場、4名用船室が提供された。
しかし、その主な利点は、騒音特性水準の著しい減少に在る。
これは、「アクラ」を敵の音響ステーション(ソナー)から事実上判別できなくした。

軍事科学アカデミー教授ワジム・コジュリンは、プロジェクト971潜水艦は、NATO諸国及びアメリカ合衆国の海軍を常に緊張させていると『イズベスチヤ』へ伝えた。
それは、幾つかの海軍の好奇心へ繋がっている。

「1996年、ヘブリディーズ諸島海域におけるNATOの原子力潜水艦の捜索と探知の演習の最中、ブリテン海軍の沿岸局と通信している時に我々のアクラが現れました」
専門家は話した。
「潜水艦の艦長は、ブリテンへ救助を求めました。
潜水艦には、海上では手術できない急性虫垂炎の水兵が居たのです。
そして2012年には、カナダ海軍と、そしてアメリカ海軍が、北部アメリカ沖で2隻のアクラを同時に発見しました。
しかし、追跡を始めたら、両方とも急速に見失いました。
その後、海軍司令部は、ロシア(潜水艦)は少なくとも2ヶ月間アメリカ合衆国沖に居た事を認めましたが、それを発見する事は出来ませんでした」


2017年初頭には、以前に建造された16隻の「アクラ」の内、海軍の戦闘編制には4隻の艦のみが含まれている。
この内の3隻は北方艦隊、1隻は太平洋艦隊である。
それ以外の潜水艦は、修理或いは保管されている。



プロジェクト971「シチューカ-B」原子力大型潜水艦K-328は、1988年10月26日にセヴェロドヴィンスク『セヴマシュ』で起工されました。
1991年1月24日には「レオパルド」と命名され、1992年6月3日には「原子力巡洋潜水艦」に類別変更され、6月28日に進水しました。

1992年10月15日から30日まで工場航行試験が行なわれ、12月15日には国家受領試験が完了し、同年12月30日に海軍へ納入されました。
1993年1月15日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役しました。

就役後の1993年1月29日にガジエヴォ基地へ到着し、2月5日には第24潜水艦師団へ編入されました。

1997年と、2006年~2007年にセヴェロドヴィンスクで修理が行なわれました。

2011年7月にセヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』へ回航され、近代化改装が始まりました。

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当初の計画では2015年末までに改装を終えて復帰する筈だったのですが、今回の記事の通り、2018年末に延期されました。
[アクラ級原潜レオパルドは2015年に近代化改装を終えて復帰する]


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ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト971「シチューカ-B」】

プロジェクト971「シチューカ-B」(NATOコード名「アクラ」級)は、1985年から2001年に掛けて14隻がソ連/ロシア海軍へ就役し、更に1隻がインド海軍へリースする為に建造され、2012年に引き渡されています。
既に2隻が除籍・解体されており、現在、ロシア海軍に在籍しているのは12隻です。

[コムソモリスク・ナ・アムーレ(アムール造船工場)建造艦]太平洋艦隊へ配備
・K-284(工場番号501):1993年4月13日に「アクラ」と命名
1983年11月11日起工/1984年6月22日進水/1984年12月30日納入/1985年1月15日就役
1994年頃退役、2004~2008年に極東艦船修理工場『ズヴェズダー』で解体

・K-263(工場番号502):1993年4月13日に「デリフィン」と命名、2002年2月9日に「バルナウル」と改名
1985年5月9日起工/1986年5月28日進水/1987年12月30日納入/1988年1月11日就役

・K-322(工場番号513):1993年4月13日に「カシャロート」と命名
1986年9月5日起工/1987年7月18日進水/1988年12月30日納入/1989年3月1日就役

・K-391(工場番号514):1993年4月13日に「キート」と命名、1997年9月1日に「ブラーツク」と改名
1988年2月23日起工/1989年4月14日進水/1989年12月29日納入/1990年1月13日就役

・K-331(工場番号515):1993年4月13日に「ナルヴァル」と命名、2001年1月24日に「マガダン」と改名
1989年12月28日起工/1990年6月23日進水/1990年12月30日納入/1991年1月23日就役

・K-419(工場番号516):1993年4月13日に「モルシュ」と命名、1998年1月29日に「クズバス」と改名
1991年7月28日起工/1992年5月18日進水/1992年12月31日納入/1993年1月30日就役
[近代化された原子力巡洋潜水艦クズバスはロシア海軍太平洋艦隊へ復帰した]

・K-295(工場番号517):1993年4月13日に「ドラコン」と命名、1999年8月30日に「サマーラ」と改名
1993年11月7日起工/1994年7月1日進水/1995年7月17日納入/1995年7月29日就役

・K-152(工場番号518):1993年4月13日に「ネルパ」と命名
1993年起工/2006年6月24日進水/2009年12月28日就役
2012年1月23日、インド海軍へリース、「チャクラ」と改名

・工場番号519号艦(「イルビス」?)
1994年起工
2007年、工事進捗度60パーセントで建造停止

・工場番号520号艦
1990年起工
1992年3月18日、工事進捗度25パーセントで建造中止、その後に解体

・工場番号521号艦
1991年起工
1992年3月18日、工事進捗度12パーセントで建造中止、その後に解体

[セヴェロドヴィンスク(セヴマシュ)建造艦]北方艦隊へ配備
・K-480(工場番号821):1991年7月24日に「バルス」と命名、1998年4月27日に「アク・バルス」と改名
1985年2月22日起工/1988年4月16日進水/1988年12月29日納入・就役
2002年10月1日除籍、2010年に艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』で解体

・K-317(工場番号822):1990年10月10日に「パンテーラ」と命名
1986年11月6日起工/1990年5月21日進水/1990年12月27日納入/1990年12月30日就役

・K-461(工場番号831):1991年6月25日に「ヴォルク」と命名
1987年11月14日起工/1991年6月11日進水/1991年12月29日納入/1992年1月27日就役

・K-328(工場番号832):1991年1月24日に「レオパルド」と命名
1988年10月26日起工/1992年6月28日進水/1992年12月30日納入/1993年1月15日就役

・K-154(工場番号833):1991年7月24日に「チグル」と命名
1989年9月10日起工/1993年6月26日進水/1993年12月29日納入/1994年1月5日就役

・K-157(工場番号834):1993年4月6日に「ヴェプリ」と命名
1990年7月13日起工/1994年12月10日進水/1995年11月25日納入/1995年12月30日就役

・K-335(工場番号835):1993年2月22日に「ゲパルド」と命名
1991年9月23日起工/1999年9月17日進水/2001年12月3日納入/2001年12月4日就役
[ロシア海軍北方艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦ゲパルトはオーバーホールを終えて復帰した]

・K-337(工場番号836):1994年1月25日に「クーグアル」と命名
1992年8月18日起工
1998年1月22日建造中止
2003年以降に解体(原子炉などは「ボレイ」級戦略原子力潜水艦「ユーリー・ドルゴルーキー」へ流用)

・K-333(工場番号837):1995年2月7日に「ルイシ」と命名
1993年8月31日起工
1997年10月6日建造中止
2004年以降、解体(原子炉などは「ボレイ」級戦略原子力潜水艦「アレクサンドル・ネフスキー」へ流用)


この内、「レオパルド」、「ヴォルク」、「ブラーツク」、「サマーラ」の4隻がセヴェロドヴィンスク艦船修理センター『ズヴェズドーチカ』で大規模な近代化改装(プロジェクト971M)を行ないます。
[セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する]
[ロシア海軍の約10隻のアクラ級原潜とオスカーII級原潜が近代化改装される]

北方艦隊「ヴォルク」は、2014年8月にセヴェロドヴィンスクへ回航されています。
[ロシア海軍北方艦隊のアクラ級原潜ヴォルクはセヴェロドヴィンスクで近代化改装を行なう]

太平洋艦隊「ブラーツク」「サマーラ」も、2014年9月末にセヴェロドヴィンスクへ回航されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原潜ブラーツクとサマ―ラはセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場へ到着した]

近代化改装されるプロジェクト971Mは、巡航ミサイル「カリブル」を装備します。
[ロシア海軍のプロジェクト971原子力巡洋潜水艦(アクラ級)は近代化改装により巡航ミサイル「カリブル」を装備する]
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]

「カリブル」(潜水艦発射型)は、2015年12月8日に地中海東部潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」からシリアISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ発射されています。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]


プロジェクト971は、元々は核弾頭装備の対地攻撃用有翼ミサイル「グラナート」(最大射程3000km)を標準装備していたのですが、1990年代にアメリカとの協定により、戦略原潜(弾道ミサイル原潜)以外の全ての水上艦潜水艦に搭載されている核兵器を撤去する事になった為、971「グラナート」も退役しました。
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それから約20年を経て、近代化される971原潜には「グラナート」をベースにして開発された有翼ミサイル「カリブル」が搭載される事になります。
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