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ロシア海軍バルト艦隊の潜水艦ドミトロフは2017年にオーバーホールを終えて復帰する

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『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年4月30日1時30分配信
【潜水艦「ドミトロフ」は修理と技術的準備状態の回復後に潜水艦部隊へ復帰する】
モスクワ、4月30日、インタファクス

今年、プロジェクト877ディーゼルエレクトリック潜水艦「ドミトロフ」が修理と技術的準備状態の回復後に海軍潜水艦部隊へ復帰する。
ロシア連邦国防省下の海軍情報・マスコミュニケーション部代表イーゴリ・ディガロ1等海佐は発表した。

「クロンシュタット海洋工場で修理が行なわれているプロジェクト877ディーゼルエレクトリック潜水艦ドミトロフは、今年・2017年に海軍の潜水艦部隊へ加わります。
潜水艦は、全ての居住保障システムを完全に更新ならびに修復し、バルト艦隊の一員として任務の遂行を続けます」

日曜日に『インタファクス』が受け取った声明では、こう述べられた。


近い内に、海軍の発注下で防衛産業複合企業は、更に2隻の北方艦隊潜水艦部隊所属のプロジェクト877ディーゼルエレクトリック潜水艦の修理を行なう。

プロジェクト877通常動力潜水艦の修理と技術的準備状態の維持は、適切な水準の任務を担う潜水艦部隊通常動力艦の能力を保持する海軍総司令部の計画の枠組みにおいて行われている。

プロジェクト877潜水艦は、基地から大きく離れた遠洋ゾーンと限定された海域で、対潜防衛及び水上艦との戦闘の任務を果たす事が可能である。
それは、新たな機器、電波電子兵装、兵器での再装備を可能にする大きな近代化の可能性を有している。
同プロジェクト潜水艦は、信頼性、効率性と低騒音が示されている事がセールスポイントである。



プロジェクト877EKM大型ディーゼルエレクトリック潜水艦B-806は、ロシア内陸部ゴーリキー市(現ニジニ・ノヴゴロド)『クラースノエ・ソルモヴォ』造船工場で1985年10月15日に起工され、1986年4月30日に進水しました。
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1986年6月にクロンシュタットへ回航され、同年7月から9月までバルト海で航行試験を行なった後、1986年9月25日にソ連海軍へ引き渡されました。

輸出用のプロジェクト877EKMのプロトタイプとして建造された本艦は、外国へ輸出される同型艦の乗組員の訓練や海上試験の支援任務に就く為、ソ連海軍へ就役する事になりました。

就役後はバルト艦隊へ編入され、ラトビア共和国ウスチ-ドヴィンスク港に駐留しました。

1987年には、インド海軍アルジェリア海軍プロジェクト877EKM潜水艦の乗員訓練の各種支援に従事しました。

1988年10月24日には、北朝鮮の軍事代表団が本艦を視察しました。
北朝鮮キロ級潜水艦の購入を検討していたようです。
この他、1988年にはアルジェリア、リビア、インド、キューバの海軍士官学校の生徒が本艦を見学しました。

1988年にも、インド海軍アルジェリア海軍プロジェクト877EKM潜水艦の乗員訓練の各種支援に従事しました。

1989年5月15日には、イラン国防次官が本艦を視察しました。
同年5月30日にはチュニジア海軍総司令官が本艦を視察しました。
同年12月28日には、イラン海軍副総司令官とイラン国防次官が本艦を視察しました。

1989年には、シリア、アルジェリア、インドの海軍士官学校の生徒が本艦を見学しました。

1989年にもアルジェリア海軍プロジェクト877EKM潜水艦の乗員訓練の各種支援に従事しました。

1990年にはインド海軍プロジェクト877EKM潜水艦の乗員訓練の各種支援に従事しました。
同年にもリビア、シリア、アルジェリア、キューバの海軍士官学校の生徒が本艦を見学しました。

1991年4月17日にはイラン海軍代表団が本艦を視察しました。
1991年にもリビア、シリア、アルジェリアの海軍士官学校の生徒が本艦を見学しました。

1991年にはインド海軍プロジェクト877EKM潜水艦の乗員訓練の各種支援に従事しました。

1992年にはイラン海軍プロジェクト877EKM潜水艦の乗員訓練の各種支援に従事しました。

1992年6月13日から1993年6月1日までラトビアリアパーヤの艦船修理工場で修理が行なわれました。
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1993年10月、クロンシュタットレニングラード海軍基地へ移動しました。
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1993年にはシリア海軍士官学校の生徒が本艦を見学しました。
同年、イラン海軍プロジェクト877EKM潜水艦の乗員訓練の各種支援に従事しました。

1994年8月から1995年4月までクロンシュタット海洋工場で修理が行なわれました。
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1995年にはイラン海軍プロジェクト877EKM潜水艦の乗員訓練の各種支援に従事しました。

1997年にはインド海軍プロジェクト877EKM潜水艦の洋上試験の各種支援に従事しました。

1999年2月18日には大韓民国海軍総司令官が本艦を視察しました。

2000年9月20日にはドイツ海軍司令官が本艦を視察しました。

2000年~2003年にはサンクトペテルブルク『アドミラルティ造船所』で定期修理が行なわれました。

2004年8月にはスウェーデンを公式訪問しました。

2005年11月には中国海軍プロジェクト636M潜水艦の洋上試験の支援に従事しました。

2006年にはクロンシュタット海洋工場で修理が行なわれました。

2009年に「ドミトロフ」と命名されました。

2014年からクロンシュタット海洋工場でオーバーホールが始まりました。
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「ドミトロフ」は、2017年前半にオーバーホールを終えて復帰する予定です。
[2017年に3隻の潜水艦が修理を終えてロシア海軍へ復帰する]


現在、ロシア海軍に在籍するプロジェクト877潜水艦は計14隻です。

[北方艦隊]
B-808「ヤロスラヴリ」(1988年就役)
B-800「カルーガ」(1989年就役)
B-459「ウラジカフカース」(1990年就役)
B-471「マグ二トゴルスク」(1990年就役)
B-177「リぺツク」(1991年就役)

[太平洋艦隊]
B-394「ヌルラト」(1988年就役)
B-464「ウスチ・カムチャツスク」(1990年就役)
B-494「ウスチ・ボリシェレツク」(1990年就役)
B-187「コムソモリスク・ナ・アムーレ」(1991年就役)
B-190「クラスノカメンスク」(1992年就役)
B-345「モゴーチャ」(1994年就役)

[バルト艦隊]
B-227「ヴィボルグ」(1983年就役)
B-806「ドミトロフ」(1986年就役)

[黒海艦隊]
B-871「アルローサ」(1990年就役)


これらの潜水艦は、順次寿命延長改修工事が行なわれ、暫くの間は現役に留まります。

この他、2014年からは改良型のプロジェクト06363潜水艦が6隻就役しています。
[黒海艦隊]
B-261「ノヴォロシースク」(2014年就役)
B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」(2014年就役)
B-262「スタールイ・オスコル」(2015年就役)
B-265「クラスノダール」(2015年就役)
B-268「ヴェリキー・ノヴゴロド」(2016年就役)
B-271「コルピノ」(2016年就役)


今後、プロジェクト06363潜水艦は、太平洋艦隊向けにも6隻が建造され、2019年~2021年に就役する予定です。
[プロジェクト06363潜水艦(太平洋艦隊)]
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