ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦コヴロヴェツは地中海東部を去った
- カテゴリ:地中海情勢(2017年)

『インタファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2017年5月2日午前13時1分配信
【黒海艦隊の海洋掃海艦「コヴロヴェツ」は地中海での任務遂行を完了した】
モスクワ、5月2日、インタファクス-AVN
黒海艦隊のクリミア海軍基地に所属する海洋掃海艦「コヴロヴェツ」は、地中海での長期航海任務の遂行を完了し、常時駐屯地セヴァストーポリへの移動を行なっている。
インタファクス-AVNは黒海艦隊情報供給部より伝えられた。
「海洋掃海艦は戦力の計画ローテーションに基づいて海洋掃海艦ワレンチン・ピクリと交代し、昨年12月から地中海のロシア海軍常設作戦連合部隊の一員として任務を遂行しました」
声明では、こう述べられた。
黒海艦隊本部によると、海洋掃海艦「コヴロヴェツ」のセヴァストーポリ到着は、「勝利の日」(5月9日)の前日に計画されている。
トルコメディアによると、「コヴロヴェツ」は当日中に黒海海峡を通過している。
ロシア海軍は、2016年2月から交代で黒海艦隊の掃海艦1隻をシリア沖へ展開させています。
[ロシア海軍黒海艦隊の掃海艦はシリア沖で活動する]
先ず初めに、海洋掃海艦「コヴロヴェツ」(913)が2016年2月中旬に地中海東部へ派遣されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の小型ロケット艦ゼリョヌイ・ドルと海洋掃海艦コヴロヴェツは地中海へ入った]

2016年5月下旬には海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」(770)と交代し、「コヴロヴェツ」は5月27日にボスポラス海峡を北上してセヴァストーポリへ帰港しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ワレンチン・ピクリはシリア沖に到着した]
その後、「ワレンチン・ピクリ」は8月17日にボスポラス海峡を北上してセヴァストーポリへ帰港し、交代で海洋掃海艦「イワン・ゴルベツ」(911)が派遣されました。

そして、「イワン・ゴルべツ」と交代する為に再び「コヴロヴェツ」が派遣されることになり、2016年12月末にセヴァストーポリを出航し、12月27日にボスポラス海峡を南下しました。
「コヴロヴェツ」は、1月9日までにシリア沖へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦コヴロヴェツは再びシリア沖へ派遣された]
2017年3月末には海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」がシリア沖へ到着したのですが、「コヴロヴェツ」も、そのままシリア沖へ留まりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の海洋掃海艦ワレンチン・ピクリは再び地中海東部(シリア沖)へ派遣された]
そして、5月2日に「コヴロヴェツ」は、海洋曳船MB-304と共にボスポラス海峡を北上しました。
セヴァストーポリ到着は、戦勝記念日(5月9日)の前日に予定されているとの事なので、5月8日までに到着するようです。
現在、地中海東部には、少なくとも8隻のロシア海軍艦船が滞在しています。
大型揚陸艦と軍用輸送船は、シリアへの輸送任務(シリア・エクスプレス)に就いており、哨戒艇はシリアのタルトゥース港の警備に当たっています。
警備艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(4月7日にボスポラス海峡を南下)
大型揚陸艦「ニコライ・フィリチェンコフ」(5月1日にボスポラス海峡を南下)
大型揚陸艦「ヤーマル」(4月28日にボスポラス海峡を南下)
軍用輸送船「ドヴィンツィヤ-50」(4月25日にボスポラス海峡を南下)
偵察艦「キルディン」(2月5日にボスポラス海峡を南下)
海洋掃海艦「ワレンチン・ピクリ」(3月24日にボスポラス海峡を南下)
哨戒艇「ユナルメーツ・クルイマ」(4月6日にボスポラス海峡を南下)
海洋曳船MB-174(4月6日にボスポラス海峡を南下)
これらの艦船は、ロシア海軍地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊創設]
地中海作戦連合部隊司令部が乗る旗艦は、地中海東部へ派遣される水上戦闘艦が交代で務めており、現在の旗艦は、おそらく「アドミラル・グリゴロヴィチ」でしょう。
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