8月に空母アドミラル・クズネツォフと原子力巡洋艦ピョートル・ヴェリキーが参加する大規模演習が行なわれる
- カテゴリ:ロシア北方艦隊(2012-2019年)


『アルムス-タス』より
【北方艦隊は航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」も参加する大規模演習を行なう】
ムルマンスク、7月27日(アルムス-タス)
北方艦隊は航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」並びに他の艦船が参加する大規模演習を行なう。
これは、イタルタス通信が北方艦隊の公式代理人ワジム・セルガ1等海佐から伝えられた事である。
戦闘訓練施策には、北方艦隊の水上部隊、原子力潜水艦、ディーゼル電気潜水艦、海軍航空隊、沿岸軍が参加する。
「我々は、ミサイル発射及び砲射撃を含み、実際に兵器を使用する一連の戦闘訓練を実施します」
北方艦隊司令官ウラジーミル・コロリョフ中将は述べた。
「計画戦闘訓練任務を行なう為、アドミラル・クズネツォフは8月にバレンツ海へ出航する予定です」
セルガは述べた。
「北方艦隊の艦上飛行士は、彼ら自身の技量を維持する為、航空巡洋艦の飛行甲板上から飛行活動を行ないます」
同時期、北方艦隊の戦闘訓練用射爆場へは、重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」が出航し、乗組員は、任務過程の仕上げを始めるだろう。
「アドミラル・クズネツォフ」は、ロシア海軍で唯一の空母型艦船である。
2012年2月、同艦は大西洋及び地中海エリアへの6度目の遠距離航海を行なった。
「ピョートル・ヴェリキー」は、ロシア海軍の戦闘編制に在る唯一の水上原子力巡洋艦である。
同艦は、2009年にカリブ海エリアへの遠距離航海を行ない、世界一周航海を完了し、太平洋艦隊へ移動して戦略指揮幕僚演習「ヴォストーク-2010」へ参加した事で知られている。
両方の巡洋艦は、北方艦隊の一員である。
(2012年7月27日14時43分配信)
『ロシア連邦国防省公式サイト』より。
ロシア連邦軍西方軍管区広報サービス発表
2012年7月27日15時08分配信
【北方艦隊は航空巡洋艦「アドミラル-フロータ-ソヴィエツカヴァ-ソユーザ・クズネツォフも参加する大規模演習を行なう】
内容は同じです。

記事中でも触れられていますが、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」は、2011年12月6日から2012年2月16日まで大西洋・地中海遠征を実施していました。
[空母アドミラル・クズネツォフ地中海遠征2011-2012]
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフの経歴(ロシア国防省公式サイト)]
「アドミラル・クズネツォフ」の飛行甲板上でホッケーの試合を行なう構想も有りますが、具体的な日時は決まっていません。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフでホッケーの試合が行なわれる]
現在、インド海軍の空母「ヴィクラマーディティヤ」の航海試験が行なわれており、「アドミラル・クズネツォフ」乗員も参加しているのですが、おそらくは、この演習前に復帰するのでしょう。

「ピョートル・ヴェリキー」は、2008年9月から2009年3月までカリブ海、南アフリカ、インドへの長期遠距離航海を実施しました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征]
この時、インド沿岸での演習を終えてアデン湾へ航行している途中の「ピョートル・ヴェリキー」は、2009年2月12日、ソコトラ島沖でソマリア海賊を発見、拘留しました。
[ロシア海軍原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」、3隻の海賊船を拘留]
2010年春~初夏には、極東の戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加する為、遥々極東の沿海地方までやって来ました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より。
【ロシア海軍艦艇の動向(2010年5月17日発表)】
2010年5月16日午後11時頃、「ピョートル・ヴェリキー」は、ツシマ海峡を北上し、日本海へ入りました。
「ピョートル・ヴェリキー」は、2010年7月初頭から実地戦略演習「ヴォストーク-2010」に参加しました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より。
【ロシア海軍艦艇の動向(2010年7月26日発表)】
2010年7月24日正午頃、「ピョートル・ヴェリキー」は、ツシマ海峡を南下、沿海地方を去りました。
「ピョートル・ヴェリキー」は、2012年6月下旬までドック入りして修理が行なわれていました。
[重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキー、浮きドックから出渠(2012年6月23日)]
「アドミラル・クズネツォフ」と「ピョートル・ヴェリキー」は、2隻ともロシア北方艦隊の第43ロケット艦師団に所属しているのですが、2隻揃って行動した事は、これまでに一度しか有りませんでした。
それは2004年9月下旬~10月に行なわれた北東大西洋演習です。
[大西洋上のクズネツォフ・その1(空母クズネツォフ)]
[大西洋上のクズネツォフ・その2(機動部隊)]
[大西洋上のクズネツォフ・その3(機動部隊)]
[大西洋上のクズネツォフ・その4(搭載機)]
この時、クズネツォフ機動部隊は、アイスランド沖まで進出しました。
[クズネツォフ復帰まで~1990年代末~2004年~]
これ以降、「アドミラル・クズネツォフ」と「ピョートル・ヴェリキー」は別々に行動していました。
今回の北方艦隊演習においては、8年ぶりに一緒に行動する事になります。
なお、以前から話の出ている「アドミラル・クズネツォフ」の近代化ですが、ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ中将の記者会見で、初めて公式に認められました。
[空母アドミラル・クズネツォフ近代化計画]
『アルムス-タス』より
2012年7月26日15時57分配信
【海軍総司令官は近い将来のロシア海軍の発展を展望する】
チルコフ中将は、こう述べています。
「2020年までの近代化プログラムが存在します。
この枠内で航空巡洋艦は新たな航空機MiG-29Kを受け取ります」
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2012年7月27日10時00分配信
【ヴィクトル・チルコフ中将へのインタビュー】
こちらでは、こう述べています。
「私共の唯一の航空母艦アドミラル・クズネツォフは、2020年までの国家軍備プログラムにより近代化される計画です。
この為に、新たな戦闘機MiG-29Kが購入されます」
「アドミラル・クズネツォフ」の近代化を実施する「セヴマシュ」造船所の総取締役アンドレイ・ジャチコフ氏は、昨年12月にロシア通信社ノーボスチのインタビューに応じ、同社の2012年の予定について色々と述べました。
『ロシア通信社ノーボスチ』より。
2011年12月2日08時00分配信
【セヴマシュ総取締役アンドレイ・ジャチコフへのインタビュー】
この中から、空母「アドミラル・クズネツォフ」に関する部分を抜粋。
インタビュアー:海軍の戦闘編制に在る唯一の空母「アドミラル・クズネツォフ」の修理時期はいつになるのでしょうか?
ジャチコフ:「クズネツォフ」の修理はセヴマシュで行なわなければなりません。
ですが、2012年の契約に「クズネツォフ」の修理勘定書は見当たりません。
従って、「アドミラル・クズネツォフ」の近代化は、2013年以降に実施される事になります。
2012年7月26日の「アドミラル・クズネツォフ」

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