ロシア海軍太平洋艦隊は近い将来に新型コルベットを受領する

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2017年5月21日0時15分配信
【太平洋艦隊は近い将来に3隻の新たなコルベットを受領する】
モスクワ、5月21日-ロシア通信社ノーボスチ
太平洋艦隊は近い将来に3隻の新たなコルベットを受領する。
ロシア連邦国防省は、日曜日に迎える太平洋艦隊の日に際し発表した。
「沿海地方の工場では、コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"の最終試験が行なわれており、近い将来、艦隊にはコルベット"グロームキー"とロシア英雄ツィジェンジャポフが加わります」
声明では、こう述べられた。
軍当局は、近年、艦隊へ原子力戦略用途ロケット水中巡洋艦「アレクサンドル・ネフスキー」と「ウラジーミル・モノマーフ」、揚陸艇「イワン・カルツォフ」、海洋曳船「アレクサンドル・ピスクノフ」、2隻の「グラチョノク」型対水中工作艇、ユニークな機器を有する救助船「イーゴリ・ベロウソフ」を含む数隻の補助船が加わった事を想い起した。
「艦隊の将来の駐留場所の研究と開発は続けられています。
現在、2017年6月から9月まで実施される国防省とロシア地理学協会のクリル群島のマトゥア島への2回目のユニークな科学研究探検の準備は完了しております」
国防省は話した。
艦隊の沿岸部門はミサイル複合体「バル」を受け取り、対空防衛複合体S-300と交代する為、ミサイルシステムS-400「トリウムフ」が到着した。
沿海地方及びカムチャツカの海軍航空隊へ、近代化された対潜航空機Il-38Nと艦載ヘリコプターKa-29が補充された。
ウラジオストク近郊の独立海軍歩兵旅団は、新たな落下傘システムをマスターした。
「6月1日から始まる夏季演習期間は、艦隊にとっては少なからず緊張したものとなるでしょう。
要員は、国際的なものを含む数十回の大規模演習において自身の技量を示し、更には、世界の大洋で戦闘任務の遂行を続けます」
当局は締め括った。

[新世代コルベット「ステレグーシチー」型]
[ステレグーシチー型コルベット(旧ブログ)]
ロシア太平洋艦隊向けプロジェクト20380コルベットの1隻目となる「ソヴェルシェーンヌイ」は、2006年6月30日にコムソモリスク・ナ・アムーレのアムール造船工場で起工され、2012年10月にはサンクトペテルブルクで製造された上部構造物が海路でコムソモリスク・ナ・アムーレまで運ばれました。
[新型コルベット「ソヴェルシェンヌイ」の上部構造物はコムソモリスク-ナ-アムーレに到着した]
しかし、「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は大幅に遅延しました。
[ロシア太平洋艦隊の為の2隻の新型コルベットの建造は価格を巡る問題により遅延する]
[ロシア太平洋艦隊の為の新型コルベットの建造は遅延する]
その主な原因は、コルベットの建造価格に関するロシア国防省とアムール造船工場の対立に有ったのですが、2014年4月、国防省は造船所側の要求を受け入れ、建造費用の増額に同意しました。
[ロシア太平洋艦隊向けの新型コルベットの建造費用は130億ルーブルに増額された]
その後、コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」の建造工事は進み、2015年1月~3月には「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員がバルト艦隊のプロジェクト20380コルベット「ソーブラジテルヌイ」で実地訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"乗組員はバルト海での訓練を開始した]
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員はバルト海での研修を終えた]
2015年5月22日に進水式典が開催されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は進水した]

進水した「ソヴェルシェーンヌイ」は、2015年7月末にコムソモリスク・ナ・アムーレから沿海地方のボリショイ・カーメニへ回航されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は2015年7月下旬に沿海地方へ回航される]

ボリショイ・カーメニへ回航後、艤装工事が進められました。

2016年11月初頭から消磁作業が始まりました。
舷側番号は「333」となりました。

2017年1月初頭から係留試験が行われました。
2017年1月30日、「ソヴェルシェーンヌイ」は、航行試験を行なう為、初めて出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は洋上試験を開始した]
3月16日に初めてA-190-01「ウニヴェルサール」100mm単装砲の射撃試験が行なわれました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の最新鋭コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は100mm砲の射撃試験を行なった]
航行試験は現在も続けられており、これが完了すればロシア海軍への引き渡し準備が整います。

現在の所、「ソヴェルシェーンヌイ」は、2017年前半にロシア海軍へ引き渡され、太平洋艦隊へ編入される予定です。
おそらくは、早くても2017年6月下旬でしょう。
[新型コルベット"ソヴェルシェーンヌイ"は2017年前半にロシア海軍太平洋艦隊へ引き渡される]
「ソヴェルシェーンヌイ」に続き、アムール造船工場では3隻の同型艦が建造されており、2018年~2020年にはロシア海軍へ引き渡される見込みです。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けのプロジェクト20380コルベット4隻は2017年~2020年に引き渡される]
ロシア海軍の新世代コルベット「ステレグーシチー」シリーズ(プロジェクト20380/20385)は、現在までに計12隻が起工され(20380が10隻、20385が2隻)、このうち4隻がロシア海軍へ引き渡されています。
20380/20385は、サンクトペテルブルクの北方造船所(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)とコムソモリスク・ナ・アムーレのアムール造船工場で建造されています。
[「北方造船所」建造艦]
「ステレグーシチー」Стерегущий(プロジェクト20380、建造番号1001)
2001年12月21日起工/2006年5月16日進水/2007年11月14日納入/2008年2月27日就役(艦番号550)
バルト艦隊に配備
「ソーブラジテルヌイ」Сообразительный(プロジェクト20380、建造番号1002)
2003年5月20日起工/2010年3月31日進水/2011年10月14日納入・就役(艦番号531)
バルト艦隊に配備
「ボイキー」Бойкий(プロジェクト20380、建造番号1003)
2005年5月27日起工/2011年4月15日進水/2013年5月16日納入・就役(艦番号532)
バルト艦隊に配備
「ストイーキー」Стойкий(プロジェクト20380、建造番号1004)
2006年11月10日起工/2012年5月30日進水/2014年7月18日納入/2014年7月27日就役(艦番号545)
バルト艦隊に配備
「グレミャーシチー」Гремящий(プロジェクト20385、建造番号1005)
2012年2月1日起工/2017年5月進水予定/2018年就役予定
「プロヴォールヌイ」Проворный(プロジェクト20385、建造番号1006)
2013年7月25日起工/2019年就役予定
「リェチーヴイ」Ретивый(プロジェクト20380、建造番号1007)
2015年2月20日起工/2018年就役予定
「ストローギー」Строгий(プロジェクト20380、建造番号1008)
2015年2月20日起工/2018年就役予定
[「アムール造船工場」建造艦]
「ソヴェルシェーンヌイ」Совершенный(プロジェクト20380、建造番号2101)
2006年6月30日起工/2015年5月22日進水/2017年前半就役予定
太平洋艦隊に配備予定
「グロームキー」Громкий(プロジェクト20380、建造番号2102)
2012年4月20日起工/2018年就役予定
太平洋艦隊に配備予定
「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」Герой Российской Федерации Алдар Цыденжапов(プロジェクト20380、建造番号2103)
2015年7月22日起工/2019年就役予定
太平洋艦隊に配備予定
「リェーズキー」Резкий(プロジェクト20380、建造番号2104)
2016年7月1日起工/2020年就役予定
太平洋艦隊に配備予定
プロジェクト20380/20385に続き、更なる改良発展型であるプロジェクト20386の建造も始まっており、1番艦「ジェルズキ―」は2016年10月28日に起工されました。
[プロジェクト20386コルベット(ジェルズキ―型)]
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